前略、さようなら。

一文字一文字を記していくことですべてを過去にしていきたい。

パワハラとかセクハラとかいう言葉がなかった時代

 

 

さとうさんが、まだ若かった頃

会社を早々と辞めてアルバイトで働いてました。

 

 

でも、正社員になった方がいいと急に思い立って

面接を受けること数社。

 

 

昔、外国人タレントを使って大々的にCMを流していた

レジャー施設の会社の面接を受けたんです。

 

 

採用の連絡があって

正社員の手続きをするから通帳と印鑑と年金手帳を持ってくるように言われたんです。

 

 

提出して数日間

支配人室の中に放置されていた

通帳や印鑑。

 

 

一緒に入社した友達に

「怪しいから持ってこよう」と言われ

監視カメラだらけの部屋に侵入して

持ち帰りました。

 

 

私の仕事はビルの中にあるサウナのフロント係。

同じビルの中に中華料理店やレストランもあります。

最上階は事務室。

 

 

フロントの中には監視カメラがあって

私が動くとカメラも動くので不思議でした。

 

ある時、トイレに行きたくて

フロントを留守にすると

内線が鳴り響いていました。

 

 

慌てて出ると支配人で

「どこ行ってた?」と。

トイレに行っていた事を告げると

「カメラから逃げるな。死角に行くな」と言われました。

 

 

ここに死角なんてあるのかなぁ?

と素朴な疑問に感じた私は

少し立っている位置を移動してみたんです。

 

すると再び内線です。

案の定、支配人からで

「戻れ」と。

 

 

わたしを監視してる???

 

 

その事を休憩中にパートのおばさんに話してみた。

おばさんは、きっと何もかも知ってたんだろうが

「気にしない方がいいよ。今度さぼり方教えるから」って笑ってた。

 

 

フロントって基本的に暇だったので

他の人の仕事を手伝ってたりすると

すぐにやってくる支配人。

 

 

「今日の髪形もカワイイねー」とか言って

私の髪の毛を撫でまわし

制服を直すふりをして肩とか腰を触ってくる。

 

 

そんな支配人の噂はすぐに聞こえてきました。

ビルの各階に愛人がいる事。

私たち新人も狙われている事。

連れ去られてレイプされた子がいた事。

 

 

 

支配人ってたぶん40代か50代くらいだったと思うんです。

でも、若い私にとっては『おじいちゃん』って感じで

ギトギトしてて気持ち悪かった。

 

 

 

一か月経って初めてのお給料日。

給料明細を見ると

私はアルバイト雇用だったと知りました。

 

 

その事を支配人に話すと

「面接の時に言った」

「さとうさんの頑張り次第ではすぐにでも正社員にしてあげる」

 

 

 

 

これって、愛人になれって事だった。

 

 

 

 

どうやら

その時のさとうさんは

怒り心頭だったらしく

 

 

 

 

 

バーカ!!!

辞めてやるー!!!

 

 

 

 

 

何を思ったのか上司に向かって叫んでました。

 

その事に怒った支配人(当然ですwww)

走って追いかけてきました。

押さえつけてくれているのは他のバイトの男の子とパートのおばさん。

 

 

更衣室で制服を脱いでいたら

ドアを蹴破って入ってきた支配人。

 

謝りなさいと言ってくるおばさん。

怒鳴っている支配人。

私に殴りかかる準備をしていたので

私は持っていた傘を振り回して

非常階段から逃げた。

 

 

後に支配人は横領と女性問題で

罪人になっていた。