『運命の天輪』の後書きにも書いたのですが、この様々な皮肉な運命を扱ったシリアス物と、同時進行で書いたのがコメディ『ウサギ神奮戦記』。

 

両方とも、あらかじめ「書きたいな~」と思いながら基本構想はありましたが、手を付けていませんでした。

 

ところが、親のいろいろな問題が勃発してこちらにまで飛び火し、さらに私は身体を壊して毎日地元の大きな総合病院へ通院、連日日替わりでMRI、CT、エコー、内視鏡検査、毎日血液検査、帰りには両腕に数時間にわたる点滴という日々でした(^_^;

 

病室が空いていたら間違いなく入院でしたが、運が良いのか悪いのか満室。

 

すぐに命に関わるほどではなかったので、連日の通院でした。

 

その際に、検査室や診察室の長々と待たされる待合室で、自力で己の不幸と怒りを解消し、慰めるために構成やキャラクターをノートにまとめ、ふらふらしながら帰宅してはパソコンに向かって書き上げたのが『運命の天輪』『ウサギ神奮戦記』の二本。

 

『運命の天輪』は、「どうして私はこんな目に遭わなくちゃいけないんだろう?」と己の悪運を嘆きつつ、客観的に小説にして「運命とは?」と改めて見つめ直したもの。

 

一方『ウサギ神奮戦記』は、あの絶望的な状況の中で正面から残酷な人間の運命を見つめつつ、「それでも私の中にも良いものがある。あの母方の両親や祖父母のような腐った遺伝子を超えて、はるか昔から日本の国土で育まれてきた先祖の遺伝子も受け継いでいる。私は生まれ生きていく意味がある」と自分を励まし力づけるために書いた小説。

 

神代の昔に遡り、古代の日本人がもっていたおおらかさ、明るさ、優しさなどを、一匹の白兎の「運命と成長」に託して笑いと共に書いたのでした。

 

隠岐の島から本土へ渡りたかっただけの白兎が、大国主命に助けられ、神通力を得てしまい望まないのにウサギ神になってしまったのも「運命」。

 

ヤカミヒメに諭され、「神として生きる運命」を受け入れ、先輩の神々に「神の心得」を学ぶ旅に出かけますが、思いがけないハプニングの連続。

 

明るく優しい、ちょっぴり臆病なウサギ神が国津神(くにつかみ)として成長するストーリーは、私自身を励ます応援歌でもありました。

 

『霊獣たちの物語』もそうですが、私のコメディに出てくるキャラクターは、誰もふざけていません。

 

全員大真面目。

 

ところが、ウサギ神を導く大神様達はそろいもそろって天然、女神達は愛に生き、愛に破れて職業婦人(キャリアウーマン)を目指すなど、個性派揃い。

 

先輩の神々や和解したワニザメに助けられ、振り回されて、とまどいながらも前進するシロナガミミノミコト(因幡の白兎)のコメディは、重い『運命の天輪』と両輪のように並行して私自身を鼓舞した小説。

 

電子書籍にしたときも、かつての私のように絶望的な状況にいる人達の癒やしや楽しみになればな~という気持ちでした。

 

ちなみに『ウサギ神奮戦記』はこれだけで終わるはずでしたが、気がつくと次の構想ができて『ウサギ神漫遊記』『ウサギ神交遊記 壱』と増えていきました。

 

コメディは書いていても楽しいです(^_^)

 

とはいえ重いテーマを扱う『邯鄲堂綺譚』や現在トロトロと書いている虐待小説も書いておかないと無念です。

 

シリアスとコメディ、両方を書くのが、私の精神衛生にはよろしいようです<(_ _)>

 

 

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