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WEBマガジン, ブランド時計豆知識, 廣島浩二, 時計の使い方

気になる腕時計の汚れ。自分でできるクリーニングや洗浄方法を徹底解説!

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毎日腕時計を着用していると、汗や皮脂,ホコリ等でどうしても汚れが気になるところです。

そのまま放っておくと見た目に悪いだけではなく、時計の錆や変色の原因となったり、肌がかぶれたりしてしまうもの。定期的にケアすることをお勧めいたします。

しかしながら、時計は精密機器であることも忘れてはなりません。

食器を洗うように、水道水と中性洗剤でジャブジャブ…これをやってしまうと、時計の深刻な故障や劣化を招くこととなってしまいます。

そこでこの記事では、ご自分でご自宅でできる、ただしい腕時計のクリーニング・洗浄方法をご紹介いたします!
しっかり適切なケアを身に着け、愛機の清潔な状態を保ちましょう!

腕時計のセルフケア

 

定期的にやりたい!腕時計のクリーニング方法

まず最初に、毎日でも行いたい、手軽な腕時計のクリーニング方法をご紹介いたします。

 

必須アイテム

いずれも安価でどこでも手に入るものばかりですので、この機会にぜひご用意ください!

■乾いたタオル

■乾いた歯ブラシ(やわらかめ)

■綿棒

■つまようじ

 

細かい箇所のクリーニングに歯ブラシ、綿棒、つまようじを。全体のふき取り用としてタオルを使用します。
タオルは、腕時計を購入した際にショップからもらった時計専用クロスだとなおいいですね。

 

あったらいいアイテム

■セーム革

■バネ棒はずし

 

さらに徹底的なクリーニングを目指すなら、上記のアイテムをご用意していただくことをお勧めいたします。

 

セーム革とは、鹿やヤギなどから採れる革で、とても柔らかく耐水性が高いため汚れや水分をふき取るケア用品としてよく使われてきました。タオルは化学繊維を使用したものがほとんどのためキメが荒く、雑に拭くと時計を傷つけてしまうことがあります。セーム革であれば柔らかくなめらか。傷への心配が少なくて済みます。

比較的安価なうえに革には珍しく洗って繰り返し使えますので、一枚はお持ちになると良いでしょう。

 

時計のセルフケア バネ棒外し

出展:https://nomos-glashuette.com/ja/accessoires

バネ棒外しとは、時計ケースからストラップを取り外すための専用工具です。
使い方は後述しますが、ストラップに隠れたケースやラグ内側に溜まった汚れを掃除するのに大変便利。

なお、パネライやカルティエなどの一部のモデルでは、こういった工具なしでストラップの取り外しができる仕様がラインナップされています。

 

腕時計のクリーニング①ケースの掃除

前述の通り、皮脂や汗、ホコリはサビの原因となります。

ステンレススティールはさびづらいと一般的には言われますが、それは空気に触れない部分。隠れた隙間やキワに入り込んだ汚れが酸化すれば、当然サビとなって現れます。

そこでケースを掃除しますが、手順を追って掃除しましょう。
愛情を持って掃除をすれば、見違えるような美しさになります!

 

STEP1.汚れを浮かせる

時計のセルフケア ケース

ケースとベゼルの間や裏側の溝などの隙間につまようじを差し込み、汚れを浮かせます。
この時、時計を傷つけないよう、優しくつまようじを当てましょう。

汚れは時間が経つと固まってしまうので、このステップは小まめに行うことをお勧めします。

 

STEP2.汚れを取り除く

つまようじで汚れを浮かせたら、乾いた歯ブラシで汚れをかき出します。
強く擦ると傷がついてしまうので、優しくゆっくり当てましょう。
リューズなどの細かい箇所も入念に行います。

歯ブラシは毛先が細く柔らかいものを使用します。
使い古したものでもOKですが、湿っているものは避けてください。

 

STEP3.汚れをふき取る

清潔なクロスやセーム革を使って汚れをふきとります。
乾いたタオルでもOKですが、傷がつかないように気をつけましょう。
とりわけガラスの部分は汚れとの摩擦で傷つきやすくなっています。

仕上げに綿棒を使って、細かい箇所の汚れを取り除きます。

 

腕時計のクリーニング②ブレスレットの掃除

直接肌に触れているブレスレットは汚れがこびりついてしまいます。
汚れたままだと見た目が悪いだけでなく、肌にも優しくありません

そのためケースと同じく掃除は欠かせない作業です。
コマの数が多かったり形状が複雑だったりすると少し大変ですが、そういったものこそセルフケアの有無が長持ちするかどうかにかかってきます。

 

STEP1.汚れを浮かせる

つまようじを使ってコマとコマの間や溝などに付着している汚れを剥がします。
つまようじの先端が太くて隙間に入らなかったら、カッターで少し削って細くすると入りやすいでしょう。

 

STEP2.濡らしたティッシュを巻く

時計セルフケア ブレスレット

ティッシュペーパーを数枚重ね、霧吹きなどで軽く湿らせます。
それをブレスレットに合わせて折りたたみ、通すようにティッシュを巻き付けます。

 

STEP3.ティッシュに汚れを移す

ブレスレットのコマを前後左右に動かし、ティッシュと擦り合わせます。
そうすることによってティッシュの汚れが移るので、黒ずみがなくなるまで繰り返します。
ティッシュが汚れたり破れたら、新しいものに替えましょう。

 

STEP4.水分をしっかりふき取る

汚れが落ちたと思ったら、乾いたタオルやクロスなどで水分を残さないようしっかりふき取りましょう。

仕上げに乾いた歯ブラシで汚れをかき出すと細かい部分に残りません。

 

腕時計のクリーニング③革ベルトの掃除

革ベルトは消耗品とはいえ、高級時計の多くは革の質にもこだわっています。

そのためクリーニングケアをしっかり行えば長持ちするものがほとんど。

また、肌にピッタリと密着することが多いので、ケアをしないと雑菌が溜まって臭ってしまったり、肌荒れの原因になったりといったことが考えらえます。
清潔に保つことは肌のためにも重要です。

 

STEP1.乾いたタオルで優しく拭く

腕時計 セルフケア 革ベルト

レザーベルトの表裏、とりわけ裏側に付着している汚れや汗を乾いたタオルで優しくふき取ります。
この作業は、使い終えた時点で毎日やることがお勧め。

特に夏場は汗をかくので、小まめにふき取りましょう。

 

STEP2.日陰で自然乾燥させる

日光の当たらない風通しの良い安全な場所で自然乾燥させます。

革靴などでもよく言われることですが、できればレザーストラップは毎日同じものは使用せず、間隔をはさみながら使うのが長持ちのポイントの一つ。交換用のスペアを持っておくといいでしょう。

 

STEP3.臭いが気になる時にやりたいこと

革ベルトは気をつけないと、汗や汚れが原因で雑菌が発生し、臭いのもととなります。そうなってしまったとき、革ベルト専用の消臭スプレーがあると便利。

直接肌に触れている部分にシュッとかけ、風通しの良い場所で自然乾燥させます。革ベルト専用消臭スプレーの中には除菌作用もあり、大体1,000円程度で購入ができるので、大変お勧めです。

 

なお、消臭スプレーが手元にない場合でも対処法があります。それは、重曹を使う、というもの。水回りや布巾の臭いが気になる時、実際にお使いになっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

やり方はとても簡単です。ビニール袋の中にハンカチやストッキングで包んだ重曹スプーン2~3杯程度をベルトと一緒に置くだけ。これで数日置いておけば、臭いがかなり軽減されているでしょう。

重曹には「静菌作用」および「中和作用」があり、臭いのもととなる菌や酸性・アルカリ性由来の嫌な臭いを緩和する働きを持つため、こういった消臭効果が期待できるのです。

なお、炭でも代用が可能となっています。

 

 

革ベルトはどうやって交換する?

腕時計 セルフケア 革ベルト

冒頭でバネ棒外しを「あったらいいアイテム」としてご紹介いたしました。
ケースとストラップの間の部分のお掃除にも便利ですし、何より革ベルトを自分自身で交換できると、スペアと入れ違いで使ってベルトの長持ちにも一役買ってくれます。

具体的なバネ棒外しの使い方は以下の通りです。

 

①セロテープでラグ全体を覆い、ラグの保護をする。

②ラグ内側とストラップの隙間に、バネ棒外しの二股に分かれている方を差し込む(上画像の○で囲った部分)。バネ棒の両端にある伸縮する箇所に引っ掛け、押し下げてバネ棒を縮こませる。

③縮こまったバネ棒をゆっくりずらしてラグの間から取り出す。

④反対側も上記の要領で作業し、両端とも外したらそのままストラップを外す。

 

注意点としては、バネ棒外しでケースに傷をつけないようにすること。
また、バネ棒とケースの繋ぎ目が見づらく正確な位置がわからない場合は、少しベルトの角度を変えると見えてきます。

なお、二股の先端を使う時計はケースサイドに穴がないタイプで、もう一方はケースサイドに穴がある場合、その穴に差し込んでバネ棒を外します。

 

画像付きの詳細な交換方法は下記をご確認下さいませ。

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腕時計の洗浄は自分でできる?

上記でご紹介したクリーニングでは取り切れない汚れが腕時計にある・あるいは手軽に洗浄したい。そんな時、ご自身で大々的に洗浄することは可能なのでしょうか。

結論としては、メタルブレスレット部分のみであれば可能ではあるものの、あまりお勧めしません

 

やり方は何種類かありますが、ポピュラーなのは前述の通り重曹を洗浄液として使うもの。

メタルブレスレットが入る容器にぬるま湯とスプーン1~2杯の重曹を入れ、かき混ぜます。ぬるま湯の量は、メタルブレスレットが水にしっかり浸かる程度です。

そこにケースからバネ棒外しを使って分離させたメタルブレスレットを沈め、10分~15分、汚れがひどい時はさらにあと5~10分程度、待ちましょう。

この重曹で作る洗浄液は、眼鏡洗浄剤や入れ歯洗浄剤でも代用可能です。その際は、お使いになる市販洗浄剤の用法・容量をしっかりと守るようにして下さい。

汚れが落ちてすっきりしたらブレスレットを取り出し、流水でしっかりとすすぎます。
その後しっかりと乾かし、水分が残っていないことを確認したら再びケースにブレスレットを取り付けます。

 

※時計素材の中には重曹や各種洗浄剤と相性の良くないものもあります。特に加工や塗装のあるものは注意が必要です。洗浄前に一度専門家やメーカーにお問合せ下さい。

 

これだけ聞くと、結構手軽にできそうですよね。

しかしながらお勧めできない理由は、以下の二つです。

・バネ棒外しでケースとブレスレットを外す時、外装に傷がついてしまう可能性がある
・水分が残ってしまいがち

 

前述した革ベルトタイプの場合は、基本的に交換が前提となっています。また、革ベルト自体が柔らかいため、バネ棒外しを使いやすいということもあるでしょう。

そのため一般ユーザーでも着脱がしやすいかとは思いますが、メタルブレスレットはまた別。基本構造は同一であることが多いですが、しっかりめに固定されていることがほとんどであるため、難易度が高くなります。また、一体型になっていたり、特殊形状であったりするケースも少なくありません。

最近ではワンタッチで着脱できる仕様も広まりつつありますが、全てではありません。

そのため、ベルト着脱の際に、外装に傷がついてしまう可能性があるのです。

ロレックス デイトナ クロノグラフ

また、「水分が残る」こともメタルブレスレットにとっては大きな劣化の原因となります。

水分が残っていてケースに侵入してしまい、内部ムーブメントが錆びてしまう。あるいは水分が残っている部分のメタルが錆びてしまう。こういった事例が確認されています。

「水分を残さないようにした」とは思っていても、コマの細かな隙間やディテールに水がまだついていることは少なくありません。ブロアーで念入りに水滴を飛ばしたり、何枚もの乾いたタオルで優しく拭うことが求められます。

そのため、どうしても洗浄が必要なほどの汚れが腕時計に付着している場合は、ご自身でやろうとせず、購入店や修理店、あるいはメーカーに相談してみましょう。

 

なお、稀に腕時計のケースを付けたままブレスレット洗浄を行う例を見かけますが、絶対にお勧めできません。

これは、ケースに水分が付着してしまうだけでなく、容器の中に時計を水没させてしまうリスクがあります。

「ダイバーズウォッチ等の防水時計なら大丈夫でしょ!」

こんな風に思うかもしれませんが、時計が必ずしも購入時の防水を保っているとは限りません。また、洗浄液によってベゼルのカラーリングや夜光が剥がれ落ちてしまうケースも多々見られます。

結果として、洗浄についてはプロにお任せするのが良いと考えられるでしょう。なお、プロの場合は超音波洗浄機を使って行うことがほとんどです。

 

 

クリーニング・洗浄の際にやってはいけない4つのこと

腕時計のセルフケア

時計は精密機器ですので、取り扱いは慎重でなくてはなりません。
クリーニングの際は、キレイにしようとするあまり、そこを怠らないようにしましょう。

絶対にやってはいけない4つのことをご紹介いたします。

 

①水洗いする

たとえ防水モデルであったとしても、時計の水洗いは厳禁です。
蛇口から出る水の勢いに耐えられるとは限りませんし、万が一お湯が出てしまったらなおさら時計にとっては大ダメージ。

サビの原因になることはもちろん、内部に水が浸入してしまった場合、機械そのものがダメになってしまう可能性があります。

どうしてもからぶきでは取れない汚れが気になる場合は、固く絞ったタオルで優しく拭き取りましょう。

 

②マグネットのついた工具で作業する

慣れてくるとバネ棒外しの代わりにマイナスドライバーを使用する方もいらっしゃいますが、マグネットがついたものは絶対に使わないようにしましょう。
時計が磁気帯びしてしまいます。

磁気帯びすると時計の精度に著しく影響が及び、修理店などで専用の脱磁機でとってもらわなくてはなりません。

同様の理由で、スマートフォンやパソコンなど、磁気を強く発生する機器にはなるべく近づけないようにしてください。

 

③内部の機械をいじろうとする

専用工具があれば時計の裏蓋を開けることが可能です。
しかしながら内部機械は非常に繊細ですので、ホコリが入り込んだりパーツをなくしてしまったりしたら大変。
クォーツで電池交換を自分自身でやろうとする方もいらっしゃいますが、もちろんお勧めできません。

内部には手を出さず、修理店や購入店にお任せしましょう。

 

④機械式時計をずっと動かさない

使わない機械式時計を、ずっと置きっぱなしにしている・・・そんな方は要注意です。

ずっとゼンマイを動かさないでいると内部の油が固まって劣化してしまいます。
また、完全に止まっている時計を動かすのは摩擦が大きく機械に負荷をかけます。それを頻繁に行っていると、機械の寿命を早めかねません。

日常で使っていなかったとしても、定期的にゼンマイの巻き上げを行い、時計を動かしてください。

ワインディングマシーンは時計をセットするだけで巻き上げを行ってくれるので、複数本持っている方にもお勧めです。

なお、日常で使っているにせよ保管しているにせよ、腕から外した時計は、湿気・ホコリが少なく直射日光があたらない暗所に置いておきましょう。
時計をそのままポンと置くのではなく、専用のケースに入れておくと安心です。

 

 

まとめ

ご自身でできる時計のクリーニング・洗浄についてご紹介いたしました。

奮発して高級時計を購入した、という方も少なくないと思います。
せっかく頑張って買った時計なのですから、末永く愛用するためにも、毎日のお手入れは非常に重要。
これを怠ると、余計なメンテナンス費用がかかることにも繋がります。

そうならないためにも、大切な時計は愛情をこめて優しくケアしてあげてくださいね。

 

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この記事を監修してくれた時計博士

廣島浩二(ひろしま こうじ)

(一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチ コーディネーター
一級時計修理技能士 平成31年取得
高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 ロジスティクス事業部 メンテナンス課 主任

1981年生まれ 岡山県出身 20歳から地方百貨店で時計・宝飾サロンで勤務し高級時計の販売に携わる。 25歳の時時計修理技師を目指し上京。専門学校で基礎技術を学び卒業後修理の道に進む。 2012年9月より更なる技術の向上を求めGINZA RASINに入社する。時計業界歴19年

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