【昨日のブログで、遺伝子変異を知ったら主として次の二点においてその結果を役立てたいと書きました】

【第一は、今後展開が期待できる新しい治療(ゲノム医療)への道筋をしっかりと認識しておくことです】

【二つ目には、広範囲にわたって多数の転移を引き起こすタイプかなど、癌の型(性質)をより的確に把握し、今後の治療法選択における参考とすることです】

【本日はこれらふたつの目的について、もう少し詳細を述べてみたいと思います】



新しい治療へつなげる

がんゲノム医療
  • 「ある遺伝子変異と癌の発現に結びつきがあり治療法も認められている。しかしそれは膵臓癌以外の癌腫についてである」という場合があります。
  • この治療法のより多くの癌腫(膵臓癌を含む)における有効性の検証は、多くの皆さんの尽力により進行中です。
  • ゴールにたどり着くまでの道は険しそうですが、大きな希望です。膵臓癌の場合、治療法が限られていますので期待は一層大きいものがあります。

オラパリブ
  • 生殖細胞系列にBRCA遺伝子変異を持つ進行膵臓癌の一次治療後の維持療法にPARP阻害薬オラパリブが有効との報告があります。転移を有する膵臓癌の4%から7%に生殖細胞系列のBRCA変異があると考えられているとのことです(出典記事によります)。

    【出典:がんナビ、横山勇生編集委員、2019年6月3日】

  • オラパリブは国内で卵巣癌と乳癌に保険適用となっています。「ゲノム医療」に注目が集まっている今、オラパリブが将来膵臓癌患者さんに投与される可能性は、一定程度あるわけです。


治療法選択における参考とする
  • 私の癌が全身に大規模な転移を起こしやすいタイプと考えられるのか、転移するとしても局所かつ限られた数にとどまるタイプと考えられるのか、知りたいと思います。
  • 次の各遺伝子に変異があるか否かが基本的な情報となると思います。それによって転移のありようが一義的に決まるものではないことは認識しています。

    KRAS、p16/CDKNA2、TP53、SMAD4
  • ただ、「治療法選択における参考とする」と言っても、これらの情報を得ると具体的にどのような思考パターンになるのでしょうか。
  • 「転移が限定的なタイプ」だとしたら抗癌剤治療を終了とするのか、副作用がなるべく少ないことを優先した治療法選択とするのか?
  • 「全身に大規模な転移を起こすタイプ」だとすると、今現在転移がないのは抗癌剤によって抑えられているからと判断すべきなのか?そうとすれば、今しばらく我慢を続け強力だが効果があがる抗癌剤を続けるべきなのか?
  • いざ選択を迫られると、「情報量が増えると選択が本当に容易になるのか否か」疑問になってきます。自分自身の遺伝子変異について具体的に知ることによって悩みが軽減される度合いは、実は大きくないようにも思います。
続きます。

限られた命を癌一色に染めない(お休み)


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膵臓癌の治療と副作用に関する過去記事です。ご興味があれば、青字部分をクリックしてください。当該の記事に飛びます。「私の場合」と付記したものは、それぞれの項目について、私自身の実例・実体験を中心にきました。

 診断と治療(私の場合)  (2018年10月 リンク先変更)
* 抗がん剤治療(私の場合) (2018年10月 掲載)
* 副作用(私の場合)  (2018年6月 掲載)
* 副作用(私の場合)  (2018年10月掲載)
* 合併症とその他の疾患 (私の場合) (2018年10月掲載)
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