編集部(以下、編)：石井さん、まずは先週の重賞の振り返りからお願いしたいのですが、関屋記念は厩舎の自信度が高かった3頭からワントゥワンが2着、エイシンティンクルが3着に頑張りました。レースぶりをご覧になっていかがでしたか？
石井：ワントゥワンは展開が向いたこともありますし、やはり具合がいいんでしょうね。以前よりもクビを上手く使えるようになっているし、力をつけていますね。
編：クビ差負けでしたが、勝ったプリモシーンは51キロ。3キロの斤量差が大きかったでしょうか？
石井：うーん、斤量差もあるでしょうけど、プリモシーンの決め手を褒めるべきじゃないですかね。桜花賞、NHKマイルCとスムーズなレースができずにきていましたけど、今回は縦長の展開と高速馬場でこの馬本来の決め手が見られました。やっぱり走る馬ですよ。
編：時計の速い決着に少し不安を感じていたエイシンティンクルが3着に頑張りました。この走りはどう評価されていますか？
石井：時計勝負で踏ん張ったのは立派ですね。直線もバテそうでバテなかったし、重賞初挑戦としては本当に好内容だったと思います。今後も重賞での活躍が楽しみですし、馬場が渋ればさらに頑張ってくれそうな馬ですよ。
編：リライアブルエースが意外に伸びませんでしたね。
石井：コンビ鼻革を外した効果を期待していたんですが、あまり行きっぷりも変わらなかったし、終いの脚を使えなかったことは物足りなかったですね。
編：伸びなかった原因はどのあたりにあると思いますか？
石井：なんとも言えないんですが、もしかすると1400mがベストで、マイルは少し長い可能性もあるかと思うんです。
編：あー、なるほど。そのあたり、今後のレースでチェックしていかないといけませんね。陣営が58キロで弱気だったウインガニオンは、厩舎の評価通り12着に沈みましたね。
石井：そうですね。行きっぷりが違いますよね。夏に稼ぎたい馬ですが、斤量との戦いはなかなか厳しいです。
編：ここまで、関屋記念の振り返りでした。さて、今週は小倉で重賞の北九州記念が行われます。オススメの厩舎情報があれば教えてください。
石井：まずは昨年の北九州記念2着馬ナリタスターワンからいきましょう。太宰騎手は「前走は出遅れて、出して行ったら引っかかってしまった。具合は前走時よりかなりいいし、今回は得意の平坦小回り。ポンとスタートを切れば去年くらい頑張っても不思議はない」と色気を持っていますね。
編：鞍上が好走できるイメージで乗ってくれるのはいいですね。しかも昨年2着時は55キロのハンデでしたが、今年は54キロですからね。
石井：そうなんです。結構条件が好転するので、あまり馬鹿にしていると怖いですよ。ただね…
編：ただ？
石井：1週前に僚馬のナガラフラワーと併せ馬をしているのですが、「ナリタスターワンも良くなっているけど、それ以上にナガラフラワーの状態が素晴らしい」と厩舎スタッフは評価しています。CBC賞ではこちらが大きく先着していますが、これを逆転するにもなかなか大変そうです。
編：アイビスサマーダッシュを勝ったダイメイプリンセスはいかがですか？
石井：前走後はさすがに疲れがあったようですが、「先週の火曜から乗り始めて、だいぶシャキッとしてきたよ。ピークだった5月の頃よりは落ちるけど、いい状態だと思うよ」とスタッフが言う通り、もう前走の疲れは心配しなくても良さそうです。
編：状態に不安がないとすれば、あとは1200mの距離だけですね。
石井：そうなりますね。「中京と違って小回り平坦の1200mだからね。やれてもいいと思うんだけど」と、スタッフも不安を感じながらも、小倉ならと期待も大きく持っています。
編：ここで走らなかったら完全に1000直の馬ということになりますし、陣営にとっても大事な今後に向けた試金石のレースになりますね。
石井：サマースプリントのポイントを加算するためにも、厩舎では走って欲しいと願っていますね。
編：なるほど。そのほかではいかがでしょう？
石井：ラブカンプーはミルコが「キーンランドCに持って来て」と熱心だったそうですが、「中3週で札幌まで輸送するのもな」ということで、小倉にしたそうです。それで騎手を探したところ、「和田が51キロでも乗せて欲しい」と騎乗を希望したそうなんです。51キロは結構厳しいはずですし、それだけ期待しているんでしょうね。
編：小倉芝1200mの勝ち鞍もありますし、コースは合いそうですね。
石井：陣営も小回り平坦は合うと言ってますね。
編：そのほか、石井さんが注目されている馬はいますか？
石井：もうすでに小倉に行ってしまって話は聞けなかったんですが、セカンドテーブルに注目しています。
編：CBC賞は苦しい展開の中、3着に踏ん張りましたね。
石井：そのCBC賞のとき、状態は全然良くなかったと思うんです。追い切りも軽かったし、“これはアカンやろな”と内心思ってたんですが、それであの内容でしょう。今回はしっかり追われていますし、これで小回り平坦コースに替われば、前走以上の粘りを見せてもまったく不思議じゃないですよ。
編：確かにそうですね。
石井：アサクサゲンキもCBC賞では外々を回らされるロスの多い競馬で4着に来ていますし、この2頭はかなり注目しています。アサクサゲンキは今回は乗り替わりますが、スタートさえ決まれば怖い1頭です。
編：話を伺うと、多くの馬にチャンスがあって、混戦模様の面白いレースになりそうですね。ここまで北九州記念の厩舎情報でした。続いては、皆さんお待ちかねの注目馬情報をお願いします。
石井：了解しました。今回はまったく人気がないと思いますが、思い切ってこの馬を取り上げてみます。もし来れば大きな配当になると思いますので、よかったらチェックしてみてください。
【石井TM今週の注目馬】
土曜小倉○○R 馬名○○○○○○○○
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前走がチグハグな競馬で、3角で他馬を気にして最後方まで下がってしまった。今回は坂路調教を止めて、コースで落ち着かせることを重視した調教に切り替えた。具合はいいし、1000mで気を抜かずに走ってくれれば変わる可能性はある。2走前の初ダートでは0秒7差の走りを見せており、ダート適性も感じる。
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