■ 腸は最大の免疫臓器

食べ物はどこから吸収されるのか


われわれ人間は、生きていくために、常に食物を摂取し、体外から身体を構成する成分とエネルギー源を取り入れている。そして、通常、その食物は、まずはじめに口に入れられ咀嚼され、胃や腸で細かく分解され、腸の粘膜から吸収されやすい物質に転換されたのち、栄養分として吸収される。
 
この分解・吸収過程を消化といい、これらの咀嚼、消化、吸収、排泄までの一連の作用を協調して営んでいるのが消化器であり、口腔、咽頭、食道、胃、小腸、大腸、肛門までの通路が管腔構造であることから消化管ともよばれている。
 
ご存じのように、胃は食物を分解すると同時に、殺菌という大切な役割を果たしている。飲食物は、生のままにしても加熱されているにしても、大気中を通って口に入るわけだから、無数の細菌がついている。よく、人間の口の中は細菌だらけだというが、実際、文献によると1mLの唾液中には107個もの細菌がすみついているという。この気が遠くなるような数の細菌が胃の中に入ると、強烈な胃酸の働きで大半が死滅してしまうことになる。
 
ちなみに、胃酸はPh1~2の強酸である。胃自体がなぜ溶けないのかというと、それは胃壁がムチンというネバネバした粘液で覆われているからである。ムチンは肝臓でつくられているが、何らかの理由でこれがつくられなくなると、胃壁に穴が開いてしまう。
 
さて、こうした働きをしている胃だが、ここではアルコール及びアルコールに溶解した物質の一部が吸収されるとの報告はあるものの、栄養素や水の吸収機能はないという。吸収は、次の腸にいったときにやっと行われることになるのである。
 
胃で消化された物質は、小腸でさらに低分子まで分解が進められる。すなわち、十二指腸内で粘膜からの腸液膵臓からの膵液に含まれる消化酵素胆嚢からの胆汁、さらにはこれらの間で分泌される消化管ホルモンの協調作用によって、三大栄養素(糖質、たんぱく質、脂肪)の消化と吸収が、ここでほぼ完了する。そして、大腸では、小腸内で消化できずに送り込まれた一部の物質が腸内細菌によって分解(細菌性消化)され、水分が吸収される。これによって消化産物は粥状から半固形状、固形状となったのち、大便として体外に出されることになる。

 

細菌はバイキンばかりではない

 
ここで注目すべきものは、腸内細菌である。
 
消化管のメカニズムを考えたとき、物理的消化(歯による咀嚼や腸管の平滑筋運動による撹拌作用を含む消化)にしろ、化学的消化(消化酵素による消化)にしろ、それは人体そのものの働きである。しかし、細菌性消化はそうではない。働くのは、われわれの腸内に住み着いている細菌である。
 
地球上でもっとも優秀だと信じて疑わない人間が、実は細菌の力を借りているというのだから、何とも奇妙な話だ。
 
そして、この腸内細菌は、消化を助けるばかりでなく、われわれの健康に密接な関係があることがわかっている。
 
細菌というと、O-157や炭そ菌をすぐにイメージする方も多いと思うが、現在分類されている細菌の中で、人や動物に有害な毒素を出す病原菌はごくわずかで、それらの0.1%にも満たない。
 
また、人間は菌と共存して生きているといわれるように、常在菌(人体に永住している細菌)は大腸のほか、皮膚、結膜、囗、鼻、喉、尿路や生殖器の入り囗にも住んでいて、それらすべてを殺してしまったら、われわれは日常生活が困難などころか、死ねといわれているようなものなのである。
 
ここ数年、抗菌グッズや除菌を前面に押し出した洗剤等が大流行だが、決して「細菌」=「バイキン」ではないということだけは、しっかり認識しておきたい。
 
さて、われわれの腸内には、実に100種類以上、100兆個の細菌が住み着いているといわれている。
 
ある人がこんな計算をしてみた。細菌1個の大きさを直径1ミクロン(1ミリの1000分の1)としても、100兆個を1列に並べると、なんと10万キロメートル、実に地球2周半の距離になるというのである。また、人体を構成している細胞の数は約60兆個であるから、それよりはるかに多い数の細菌が腸の中に住み着いていることになる。
 
この腸内細菌は、人間が赤ちゃんとして誕生した瞬間からすみつき、一生、一緒に生きていくことになる。
 
胎児の腸内には細菌はまったくいない。例えば、誕生した赤ちゃんが生後1~2日のうちにする便は胎内にいたときの排泄物であるが、これを調べてみると細菌はいないことが多く、もしいたとしても、母親の産道の中にいる細菌と一致していることが多いという。
 
ところが、その後の便を観察してみると、生まれてから2~3日で、ゼロだった細菌が1000億個(便1グラム中)ぐらいに増えているというのである。つまり、赤ちゃんは、生まれてくるとき母親の産道を通ってくるので、そのときに細菌が入ったり、出産のとき手を触れる医師や看護婦からうつされたり、空気中に浮遊する細菌が、囗や肛門から入り込み、それがたちまち繁殖し、すみつくというわけである。

 

 

 

 

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