ありがとう 6️⃣1️⃣「妻が子宮頚がんになって」 | 妻が天国に行き喪失から始まった私の人生の転機

妻が天国に行き喪失から始まった私の人生の転機

見てくれてありがとうございます!2014年12月妻が子宮頚がんで亡くなり、日々は小さな幸せの集まりだったことに気づかされました。

今、心の中に大好きな今生きてる人がいます。この時代に同じ場所。これだけで幸せなのかもしれない。でも、これ以上の喪失はもういらない。

記録


12/12

亡くなる二日前

心拍数110

血圧120  100

血圧の上と下の幅がとてつもなくせまい

顔が急にこけた感じ



12/13

亡くなる前日

夜心拍数100前後  

心拍数が落ちていく


血圧110  100

前日より更に幅がせまい


夕方呼吸が断続的に浅い


 夜おしっこ60ミリ 


余命があとどのくらいなのか

ベテランの先生方や看護師さんでもわからない


ただ、ひとつの指標として

尿の量を見るという


俺が見てもわかる


何度も何度も心の準備はしてきたけれど


顔色ゾンビいろ



明日は誕生日。

先生たちには、その日までは難しいとずっと言われてここまできた



やすこ。困ったね。

大好きだよ。


ねー

なに

ねてんだよ


やすこ

今日はいい天気だよ!



おしゃれは?

ねー

やすこー



あなたは、一人しかいない

12/14

日付が変わった頃


心拍数102位を保ちながら80にたまになる。 



「血中酸素濃度の低下」

酸素94になって動かなかったりすることも多くなる 

体内の酸素95%以下になると警告音が鳴る


更に呼吸のみだれはじまる。

もう片方の手の甲もむくみ出す。

手は少し白い。


見開いたままの、めんたまの膜が(むくみらしい)厚くなってる


あきらかに心電図の波が違う。

180から100いったりきたり 違う波を感知しているようだ。



13時30分

血圧98

おしっこ12ミリ



17時前くらい

R波を感知して、心拍数のアラームがなりやまなくなってくる。

なる時間の間隔は短くなり、なってる時間がどんどん長くなっていく。


血圧が落ちていくなか、一度いきなり血圧の上昇があると

一気に血圧がそこから落ちていくと言われていた。


ほんとうにそうだった。


血圧が80,90100あたりを、うろうろして、不安定になりだし

一時間くらいかそんなことがあったあと

140くらいまで上がった


そこから一気に血圧は落ちていった


もう空気を吸えてない感じで

一気に数字は落ちていった。





やすこへ

あたりまえという幸せをありがとう

小さな幸せをありがとう


今になって全ては幸せだったと実感します



遅いよな





やすこ、

沢山の幸せをありがとう

自分を必要としてくれてありがとう

13年間の幸せをありがとう









友人たちへ

やすこのことを忘れないで下さい











18時36分

やすこは息を引き取りました。





41才の誕生日。

やすこらしい。


先生たち誰もが誕生日までは難しいと言っていた。

やすこは、とてもよく頑張った。











脳に腫瘍ができてから、

新しいやすこをたくさん発見することができた。




ほんとうに心がきれいなひとだったんだなぁと

思えることばかりだった。



息を引き取る直前。

何かを伝えたいのか、

がばっと起きあがり

俺に向かって口を動かした。





身体を起き上がらせる



もうそんな体力なんて

あるわけないのに







あれは間違いなく

何か言葉を発していた。





両親はありがとうと言ったんだと言ったけど

あれは、きっと、




「ごめんね」だ。





先に行ってごめんね。

一人にしてごめんね。










最期病院から出るとき、沢山の看護師さんたちに囲まれた。

「こんなにたくさんに囲まれることは、あまりないんですよ。」と、言われた。



人を惹きつける

あなたの魅力は、ほんとうに素晴らしい。







これは、夢だったのではないか。







現実はなんなのか。





例えるとしたら

映画の「マトリックスの世界」な感じか







だけど、家に帰ると、どうしても泣けてくる。





ねぇ。やすこ。

爪切りはどこにあるんだよ。






この服どうやって組み合わせるんだよ。






ねぇ。

いつもみたいに隣で笑ってよ。






帰ってくるって言ったじゃんか




いつも味方だった あなたがいないこの世界を





一人で生きていかなきゃいけないのかと思うと





辛くて辛くて 仕方がありません。





あなたは、一人しかいないのだから







守る人がいない。

その世の中で生きるってなんなんですか?









この日は、流星群の日

毎年やすこの誕生日は流星群が来る。


大事な大事な親友であり弟と二人で

ずっと夜空を見上げて流星群をたくさん見ました。





やすこは

とてもとても満足した顔でした。

その顔を見て、俺もとてもすがすがしい気持ちになりました。






でも、よこたわっているやすこには

やすこの心がいないから、顔も違うし

入れ物みたいだ。



この体は入れ物だってよく言ってたっけ。








たくさんの人たちに支えられたこと。


たくさんのことを教えてくれたあなたのこと。


この気持ちや、感謝を忘れないようにしていくよ。



いつまでもメソメソしてたら怒られるだろうけど、

やっぱりそれはしばらく無理だよ。




辛すぎる

ほんとうに。

辛すぎます。





あなたが身をもって教えてきてくれたこと。




何があっても新しいことを見つけて

前を向いて突き進んだこと。



できなくなっていく中から

できることを見つけて

小さな幸せを見つけるのが

本当にうまかったよね


頑張って真似してみるよ。


ありがとう




ありがとう


俺と出会ってくれてほんとうに

ほんとうにありがとう。