母の実家の門先には柿の木がある。私が子供の頃から同じような大きさで、毎年たくさん実を着ける。この木なのだろうか、母が父との見合いの日に登っていたというのは。父は昔、母との見合いの時の話をよくしていた。
仲人に連れられて見合いに行くと、家の前の柿の木に女の人が登っていた。「こんにちは」と挨拶をすると、「こんにちは」と女の人も挨拶をした。それからしばらく座敷で待たされた。やがてドスンドスンと凄い音を立てて、見合い相手が二階から降りて来た。
「とんでもない女が居るものだ」と思っていたら、今度はコチコチになってお茶を運んできた。挨拶をして顔をあげたら、さっき柿の木の登っていた女の人だったので驚いた。
お茶は小さな湯飲みの底に気持ち程度に入っており、喉が乾いていたので思わずお茶をお代りした。それが運の尽きだった。相手のことが気に入ったと思った仲人が、勝手に縁談を進めてしまったと言うのだ。
本当だろうか
仲人に連れられて見合いに行くと、家の前の柿の木に女の人が登っていた。「こんにちは」と挨拶をすると、「こんにちは」と女の人も挨拶をした。それからしばらく座敷で待たされた。やがてドスンドスンと凄い音を立てて、見合い相手が二階から降りて来た。
「とんでもない女が居るものだ」と思っていたら、今度はコチコチになってお茶を運んできた。挨拶をして顔をあげたら、さっき柿の木の登っていた女の人だったので驚いた。
お茶は小さな湯飲みの底に気持ち程度に入っており、喉が乾いていたので思わずお茶をお代りした。それが運の尽きだった。相手のことが気に入ったと思った仲人が、勝手に縁談を進めてしまったと言うのだ。
本当だろうか
もし あの時・・・、
人と人との巡り合わせ、縁、
不思議なものですね。
そして脈々と 繋がっていく家族、
文学的なご文、感じ入りました。
本当のことがか確かめたいのですが、もう二人ともお墓の中です。