2020年5月10日日曜日

チェリー / 野中ともそ




このお話を見つけたのは小川糸さんのエッセイに書かれていたので、気になって買ってみました。エッセイの中でとても素敵な作品だとあったので。実際に読んでみて納得。アメリカに住んでいた中学生のショウタは親の離婚で母について日本に戻ってきた。そして母の兄である叔父さんに連れられてまたアメリカへ。そこで70歳になる変わったおばあさんに出会い、恋におちる。うーん、あまりない設定だけど、文章のここかしこに小さな恋が見受けられました。おばあさんことモリーは変わっているというより、自分の世界をしっかり持っている素敵な人です。何が大切なのか、何を基準に生きているのかが明確な方でした。若干13歳の少年にとっては衝撃的な出会いだった。モリーの作るチェリーのお菓子とか、ご近所さんに手渡しているこれまたチェリーのお薬だったり。とにかくチェリーずくしのお話。私が思うのは、恋に年齢差は関係ないとはいえ、ちょっと突飛すぎかなと思う面もありました。書籍の装丁も素敵です。果たしてこの恋のゆくえはどうなうか?知りたい方はぜひ本書をてにしてみてください。

※大変昔の書籍ですので見つけるのがんばってくださいね。



<きょうのつぶつぶ>



日々読書をしていると色々なことに出会います。もちろんフィクションなので、実際に見ること、見に行くことはできないのですが、読書を通して旅をしたような気持ちなることが最近多いです。特に旅エッセイは本当に楽しいですよね。今日ご紹介させていただきました「チェリー」はアメリカの北東部でチェリーがたくさん収穫出来る地域でした。私はあまり果物を食べないのでチェリーといわれてもピンとこないのですが、モリーの作るお菓子たちはとてもおいしそうでした。お料理エッセイとかでもないし、旅エッセイでもないですが、お腹すきましたよ。お腹すいたで思い出しました。またの機会になりますが、今度はお料理エッセイをご紹介させていただくかもしれません。きっと読んでいてお腹がなるのです。

2020年5月8日金曜日

スイート・ホーム / 原田マハ





原田さんの作品にしてはとても、ほっこりするお話の一つだと思います。小国なすみ享年45歳。彼女はとても元気だし、死ぬことなんて考えてなかった。でも、ある日自分がガンであることを知る。彼女に関わってきた人たちは、皆、まさか彼女が死ぬなんて考えもしなかった。でも、彼女のことを考えると、どういう訳か楽しい思い出がよみがえったり、ケンカしたこととか色々思い出される。本人よりも周りの人間が気を使ってしまうくらい彼女は明るかった。私はこのお話を読んでいてなんというか、人って一人で死ぬわけではなくて、誰かに見送られながら死んでいくんだなって、改めて感じました。もちろん、なかには誰にしられるでもなく、ひっそりと亡くなってる方もいらっしゃるでしょう。死を考える時人はこんなに強くなれるんだってことを主人公は教えてくれます。原田さんのアートミステリーも好きですが、ほっこり温かいお話もとても素敵でした。周りの人たちのそれぞれの愛のカタチも好きになりました。
愛にちょっと飢えてるかなって思ったら、この作品をおススメします。



<きょうのつぶつぶ>

私個人的にはきっと夫より先には死なない気がしてます。だってストレスフリーな毎日を送っているからです。世の中コロナのことで大変なことになっていて、外出も自粛しなくてはならないけど、私はもともと家にいることがそんなに苦痛ではないので、読書してみたり晩御飯のレシピ考えてみたりと楽しんでいます。今日ご紹介させていただきました作品は人の死についてでした。いつかは誰もが死を迎えるのですが、どんな死に方にせよそれがその人の運命だったのだと思うしかないところもあると私は思います。たとえ、突然の死だったにしても。病気であれ、なんであれ愛する人が亡くなるというのはとても辛いですが、それでも残された者たちは生きていかなくてはならないのです。その人の人生を振り返りながら。ちょっと暗い話になってしまいましたが、人間いつどうなるかなんて誰にもわからないので、その時々を一生懸命に生きていきたいと思います。

2020年5月7日木曜日

ガンジス河でバタフライ / たかのてるこ







たかのさんの旅行記はとても気になっていたので、ちょっと挑戦してみようかなと思って読んでみました。彼女が20代の頃というと1990年代、まだ携帯なんて普及していない頃ですね。そして長年夢見ていた一人旅を実践するのですが、なんとも突飛でノープランで行くなんてすごいと思いました。まだアジアの情勢も不安定な頃ですよね。いきなり香港へ行き、ここでは友人が迎えに来てくれていたのが何よりもの救いですが、宿泊する宿はもちろん安宿ドミトリーですよね。とにかく行動がハチャメチャでどうなっていくんだろうと先が気になってどんどん読めてしまいます。そしてやはり行くことになったインドでの出会いはとても彼女にとって貴重なこととなります。言葉が通じなくても人と分かり合えるだけの行動ができる彼女は本当に素晴らしいですね。

現在、コロナの影響で行動制限が出されており、外出はおろか海外旅行なんてもってのほかな今ですが、たかのさんの本を読むと旅行に行けた気分になれますので是非ともおススメいたします。



<きょうのつぶつぶ>


私は彼女の旅をみていて、いいなあと思いました。20代のころはとにかく恋愛ばかりに気を取られていて、元カレとも旅行なんて行ったことなかったです。一度だけ友達とバリ島へ行ったっけ。その後はどこにも行かず日本にずっといました。今から思えば、たかのさんのように世界を見ておくべきだったと後悔先に立たずです。結婚するまでに一度友達とグアムへ行き、そして結婚してからもハワイ、もしくはグアムしか行ったことなかったです。40代を迎えようとする頃、フランス語と出会い、フランスに出会い、初ヨーロッパ、初一人旅 in フランスでした。それからはいつも一人でフランスに行ってました。最近はもう老後のことが気になりだしたので、遠出はしないようにと心がけています。もちろん猫がいるので預けることも考えたのですが、そこまでして行きたいわけではないので、もっぱら実家の京都へ帰省ばかりです。またいつか、フランスへ行ってみたいとは思いますが、一人旅はたくさんしたので、これからは夫と二人旅を楽しみたいと思います。

次回の更新はまだ未定ですが、まだまだフィクション・ノンフィクションとご紹介したい作品たくさんあるので、またご紹介させていただきますのでお楽しみに~♬


2020年5月6日水曜日

日日是好日 / 森下典子


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この作品は何度も読み込んでいるので、内容はよくわかっているのですが、映画化さてからまた読み始めた作品です。この作品を読んでいる時はお茶のことなんてよくわからない著者がお茶を通して自分を知るということを教えてくれたことです。私も茶道のことはよくわからないので何とも言い難いですが、一つ一つの動作に意味があり、お茶をたてる人によって味が変わり、なぜこの動作が必要なのかとか意味はないけど、自分で意味を見つけるということではないでしょうか。私自身、何かを見失いかけた時はなぜかこの作品を手にすることが多いです。どうすればいいのか、自分は何をしたいのかなどなど。特に理由はなくても読んでいる作品です。作品中に出てくる言葉で「お茶で四季を感じる」「移ろいを感じる」とても素敵な言葉です。そして、きっと一番難しい「無になる」ということ。私は無になることなんて出来ない人ですが、著者は少しずつ身に付けていきます。私は正直とても著者が羨ましかったです。身近にこんなに優雅で知的なお茶の先生がいらっしゃるなんて。お茶を習うというのはそれなりの覚悟がいるのでは?と思いました。だってお茶といえば、裏千家とか表千家とか色々あるじゃないですか。私はその辺りのことがよくわからないし、そもそも表・裏って何?と思っているところからお茶に向いてない気がしました。ただ、この作品の良いのはお茶を通して人生とは?ということを教えてくれるところです。人生は一度きりなのだから。そう思うとまた読んでみたくなります。


もし、何かに迷われたりしたら是非この作品をお勧めします。とてもためになることが書かれていますから。映画も樹木希林さんが出演されていて、内容も若干映画化となってとらえ方が違いますが、良かったです。是非是非、おススメさせていただきます。



<きょうのつぶつぶ>

「きょうのつぶつぶ」とは毎回書いているブログ記事の後記みたいなものです。もしよろしければ、合わせて読んでみてくださるとうれしいです。
今日は先日再読した本を紹介させていただきました。今はコロナの影響で自由に旅にも行けないし、行動制限されているのでStay Home ですが、こういう時だからこそ、読書ってとても素敵な時間を過ごせると思うのです。コロナのせいで外出があまりできなくてストレス溜まってる方いらっしゃると思いますが、大人も子供も読書の習慣をつける絶好の時だと思いませんか?私はもともとが読書がない一日なんてあり得ない人なので、結構読む
のが好きです。世の中にはまだまだ知らない世界がたくさんあります。自由に旅は出来ないかもしれませんが、次回は旅にまつわる作品をご紹介できるといいなあと色々考えています。



それでは皆様良い夜を~♬