私にとって85作品目の原書になります。
陈忠实著 『白鹿原』
長編大作697頁、ドラマ全77話、映画1本!
全てを網羅して臨みました。
莫言さんの時も感じたのですが、
いわゆる巨匠の名作と呼ばれる作品は、
原書の中国語が非常に読みやすいです。
映画/ドラマ/小説。
私は圧倒的に原作小説が気に入りました
長めの歴史をカバーする物語の流れや、
登場人物それぞれのエピソードから関連性、
全体の大きなテーマ、
パール・バックの『大地』のような感覚で楽しめました。
今回私の中で自分の倫理観やヒューマニズムで
常日頃から自問自答を続けているテーマが、
この作品でもクローズアップされていました。
「あぁ~」と感じた2箇所を(物語前半の一部と著者あとがき)、
私なりに和訳(意訳)したので、
中国語原文と併せて下記にタイピングします。
【1.本文和訳】
女なんて所詮障子紙程度なのだから、
はがれたり破れたり古くなったら、
また新しく張り直せばいいのさ。
5人死んだら、母ちゃんがまた5人用意して、
あんたが娶れるようにしてやるさ。
家の財産がすっからかんになっても、
そうする価値はある。
子供を授からないまま、
線香を上げてくれる子孫が途絶えて
他人に墓を奪われるよりかは、
よっぽどましってもんさ。
【1.本文中国語】
女人不过是糊窗子的纸,破了烂了揭掉了再糊一层新的。死了五个我准备给你再聚五个。家产花光了值得。比没儿没女断了香火给旁人占去心甘。
【2.著者あとがき和訳】
1部20巻余りの県誌。
なんとその内4、5巻は、その県の文字表記以降、
貞節を守るため夫の死に殉じた女性たちの事績や名前の記録で、
私は衝撃を受けただけでなく、
貞節の崇高性と重さを思い知らされた。
彼女たちは躍動する命を自ら絶つことで、
道徳の掟が女だけに定めた「志」や「節」
の条項を固く守ったのだ。
そして長く残酷な辛酸をなめて
得られたものと言ったら、
県誌紙面上のたった数mmなのである。
顕著な封建道徳の数えきれない模範女性の名簿から、
「女として生まれ持った最も基本となるべき性質が
踏みにじられている」と私は感じた。
だから、この物語において
純粋に女性の本質を貫き立ち向かう
反逆者なる人物を、
私は生み出したのである。
【2.著者あとがき中国語】
一部二十多卷的县志,竟然有四五个卷本,用来记录本县有文字记载以来的贞妇烈女的事迹或名字,不仅令我惊讶,更意识到贞节的崇高沉重。这些女人用她们活泼的生命,坚守着道德规章里专门给她们设置的“志”和“节”的条律,曾经经历过怎样漫长的残酷的煎熬,才换取了在县志上几厘米的位置。
在彰显封建道德的无以数计的女性榜样的名册里,我首先感到的是最基本的作为女人本性所受到的摧残,便产生了一个纯粹出于人性本能的抗争者叛逆者的人物。
話が少し横にずれますが、
今回成田空港で見つけて購入した新刊和書2冊
・桐野夏生さんの『ロンリネス』
・村山由佳さんの『ミルク・アンド・ハニー』
インドに戻ったここ数日で読みましたが、
私には《白鹿原》の登場人物で、
著者があとがきに記した
「純粋に女性の本質を貫き立ち向かう反逆者なる」
田小娥(ティエン・シァオウー)の存在と
大いに重なる部分があり、
2018年ずっと考え続けるテーマとなりそうです。
ランキング参加中♪
←(ポチッとしてくれると励みになります!)
にほんブログ村