85-《白鹿原》 by 陈忠实 | トミモの『中国語の原書とドラマを求めて・・・』

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中国語の小説・ドラマ・映画など、
自分のフィルターに落として日本語で紹介できたら…とブログ開始。

私にとって85作品目の原書になります。 

         これ↓

 陈忠实著 『白鹿原』

 

長編大作697頁、ドラマ全77話、映画1本!

全てを網羅して臨みました本YouTubeMovie

 

莫言さんの時も感じたのですが、

いわゆる巨匠の名作と呼ばれる作品は、

原書の中国語が非常に読みやすいです。

 

映画/ドラマ/小説。

私は圧倒的に原作小説が気に入りました照れ

長めの歴史をカバーする物語の流れや、

登場人物それぞれのエピソードから関連性、

全体の大きなテーマ、

パール・バックの『大地』のような感覚で楽しめました。

 

今回私の中で自分の倫理観やヒューマニズムで

常日頃から自問自答を続けているテーマが、

この作品でもクローズアップされていました。

「あぁ~」と感じた2箇所を(物語前半の一部と著者あとがき)、

私なりに和訳(意訳)したので、

中国語原文と併せて下記にタイピングします。

↓(下)

【1.本文和訳】

女なんて所詮障子紙程度なのだから、

はがれたり破れたり古くなったら、

また新しく張り直せばいいのさ。

5人死んだら、母ちゃんがまた5人用意して、

あんたが娶れるようにしてやるさ。

家の財産がすっからかんになっても、

そうする価値はある。

子供を授からないまま、

線香を上げてくれる子孫が途絶えて

他人に墓を奪われるよりかは、

よっぽどましってもんさ。

 

【1.本文中国語】

女人不过是糊窗子的纸,破了烂了揭掉了再糊一层新的。死了五个我准备给你再聚五个。家产花光了值得。比没儿没女断了香火给旁人占去心甘。

 

【2.著者あとがき和訳】

120巻余りの県誌。

なんとその内4、5巻は、その県の文字表記以降、

貞節を守るため夫の死に殉じた女性たちの事績や名前の記録で、

私は衝撃を受けただけでなく、

貞節の崇高性と重さを思い知らされた。

彼女たちは躍動する命を自ら絶つことで、

道徳の掟が女だけに定めた「志」や「節」

の条項を固く守ったのだ。

そして長く残酷な辛酸をなめて

得られたものと言ったら、

県誌紙面上のたった数mmなのである。

顕著な封建道徳の数えきれない模範女性の名簿から、

「女として生まれ持った最も基本となるべき性質が

踏みにじられている」と私は感じた。

だから、この物語において

純粋に女性の本質を貫き立ち向かう

反逆者なる人物を、

私は生み出したのである。

 

【2.著者あとがき中国語】

一部二十多卷的县志,竟然有四五个卷本,用来记录本县有文字记载以来的贞妇烈女的事迹或名字,不仅令我惊讶,更意识到贞节的崇高沉重。这些女人用她们活泼的生命,坚守着道德规章里专门给她们设置的“志”和“节”的条律,曾经经历过怎样漫长的残酷的煎熬,才换取了在县志上几厘米的位置。

在彰显封建道德的无以数计的女性榜样的名册里,我首先感到的是最基本的作为女人本性所受到的摧残,便产生了一个纯粹出于人性本能的抗争者叛逆者的人物。

 

話が少し横にずれますが、

今回成田空港で見つけて購入した新刊和書2冊本本

・桐野夏生さんの『ロンリネス』

・村山由佳さんの『ミルク・アンド・ハニー』

インドに戻ったここ数日で読みましたが、

私には《白鹿原》の登場人物で、

著者があとがきに記した

「純粋に女性の本質を貫き立ち向かう反逆者なる」

田小娥(ティエン・シァオウー)の存在と

大いに重なる部分があり、

2018年ずっと考え続けるテーマとなりそうです。

 

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