朝というにはまだ少し早い


唇に触れる温かなぬくもりに
まだ眠りの中にあった意識が
ゆっくりと覚醒していく


優しい温もりが
閉じた瞼のうえ、次は唇の...たぶんホクロへとゆっくり順番に触れていく


んふふっ...これ..チャンミンだ


夢うつつを漂っていた意識が
徐々にハッキリとしてくる


「...ひょんっ..スキ


なんか..久しぶりに聞いた


俺が寝てると思ってるからだろう
起きてる時なら考えられないチャンミンの行動に口元が緩みそうになる


ああ〜可愛いぃぃ


起きて今すぐ抱きしめたいけど
そんな事したら一目散に逃げてしまう


とっても恥ずかしがり屋な
俺のバンビ


まだ、ダメ
ユノ、もう少し我慢だ


気合いを入れるように緩みそうな顔に力を入れたら、ビクッとチャンミンの動きが止まる


あ、マズい...

「...もしかして...起きてます?」


ううん。寝てる。


「...ひょん?」

しばらくジッと様子を窺っている様子だったけど、そのままぐーって狸寝入りを決め込んでいたら納得したのかまたソーっと触れてくるチャンミンの唇


なんて幸せな朝なんだろう


「...ひょん...明日からドンへヒョン達と撮影旅行ですね...」

うん!楽しみ!SJ達とは昔から気心が知れてるし、なんて言ってもチャンミンも一緒だ


チャンミンも楽しみ...だよな?


「...ヒョン楽しみですよね。ドンへヒョン達と仲良いし」

チャンミンだって兵役期間の間は随分と仲良かった、シウォンとは特に...。

あっ...なんかムカムカしてきた...ダメだ、ダメだ!シウォンは可愛い後輩だ!チャンミンとは友達、友達!うん、大丈夫!


嘘...。


無理やり自分を納得させてるだけ


誰からも愛されるチャンミンのことが
自慢だし、嬉しいのは本当


でも本音は誰にも見せたくないし
触らせたくない


ずーっと腕の中に閉じ込めておきたい


まあ、そんな事言ったら氷みたいに冷たい呆れた視線を投げられて黙殺されるだけだろうけど


チャンミンの目に映る全部に嫉妬するなんて
自分でも呆れてしまうけど仕方ない


「はあぁぁっ」

チャンミンのついたため息に心臓がドキっと音を立てる


あれ?...もしかして声出てたのか?!

恐る恐る細目を開けたら首元に突っ伏しているチャンミンのつむじが見える


「今さら...嫉妬とか...」

あ、やべっ...やっぱり声に出てたんだ


狸寝入りもバレてるだろうし、なんて言い訳しようか?いや、ここは素直に謝った方がいいか?

ちゃんっ...ん

「ユノヒョンにバレたら恥ずかしすぎるだろ..」

...へ??


バレたら?え?何が...ええ?!

「ヒョンがあの人達と仲良いのは友人としてだから。大丈夫、大丈夫...うん、問題ない」


ブツブツと小さな声でつぶやくチャンミンの吐息が首にかかって熱い


なあ...これって嫉妬..とか?
俺の自意識過剰?


でも...どうしよう...


めちゃくちゃ嬉しい


もう寝たふりしてる場合じゃない
怒られても、怒鳴られてもいいから
この可愛い塊を力いっぱい抱きしめよう

そう決めて身体を起こそうとした瞬間
俺より少しだけ早く身体を起こしたチャンミンに、反射的に目をギュッとつぶってしまう

あ、また寝たふりしちゃった...


「ユノヒョン...旅行楽しんでください」

なあ、チャンミン
どんな顔で言ってるの?

きっと心の中色々複雑なんだろうに
俺の気持ちを優先してくれるチャンミン


「...でも...僕のことも忘れないで」

あーー!もう限界!!


「俺がチャンミンを忘れるわけないだろう」

「...っ、なっ...うあっぁ!何!なんで起きてるんだ!!」

俺の側から飛びのこうとしたチャンミンを逃がさず体勢をくるっと入れ替える

「ヤー!いつから起きてたんだ!おっ?最悪!」

さっきまでとは反対に、今度は真上から見下ろしながらチャンミンの真っ赤に染まった顔を見つめる


「チャンミン、俺がお前を忘れるなんて絶対ない」


「ふん...どうだか...」

ふいっと視線を横に逸らしたチャンミンの顔がまるで俺を信用してないように見えるのは気のせいか?

確かに何かに夢中になってしまうと、周りが見えなくなる自覚はあるけど..


それでも俺の一番はチャンミンだ


「可愛いくないなぁ〜」

「ベーッだ!可愛くなくていいんでっすよ」

おいおいっ...ベーッだって
可愛い以外何者でもないから

「あんまり可愛くなんなよ」

「はあ?」


ドンへだけじゃなく
イトゥクに、シンドン、ウニョク

可愛いお前を知られたくない


「ブラックマンネでいろ」

「意味わかんねぇんですよ。まだ寝ぼけてますか?お?」

「そうそう!その調子だ!あはーはーはー!」

そのまま体重をかけてぎゅうぎゅうにチャンミンを抱きしめたら、苦しいって背中をゲンコツで容赦なく殴られて...ギュッて負けないくらい強い力で抱きしめられた


く、苦しいってチャンミン


でもさ...


すごく嬉しい


チャンミンの存在
全部が愛しい


嫉妬されて嬉しいなんて
きっとお前をまた呆れさせるかな?


まあ、いいか
幸せなんだから


皆さま台風どうですか?各地で浸水、停電など..被害が出てますね。皆さまの無事を...一日も早い復旧を願うばかりです。
アナログトリップご覧になられましたか?プレミアム会員ではないので1話しか見れてませんが、ポツポツあがるネタバレに瀕死でございます。笑
シムさん...あなたどこに座ってますか?ヒョンは嬉しそうだし、シムさんは鼻の下伸びてるし...ありがとうございます♡

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