C.side



「あ、チャンミンご飯たべた?」


「食べてない...食べたら吐く」


お腹は空いてるのに食べるともれなく吐いてしまうのが怖くて食べれない


お腹が空きすぎてもはや空いてるという感覚さえあやふや


「お母さんから水キムチ預かってきた。チャンミンを妊娠した時は水キムチで乗り切ったって...食べてみる?」


「....!!」


ユノがテーブルに用意してくれた水キムチを恐々と口に運ぶ


臭いでさえ吐気を催すから息は止めて慎重に...


「...ん?」


「やっぱダメそう?」


そーっと、息を再開してポリポリ...
これは....いける
おおおぉぉぉ!!!


何も受け付けなかったのが嘘のように食べれる


『お母さんがドレス着るのか聞いてって』


そんな言伝をユノから聞いた時は、まさか自分は捨て子なんじゃないかと母親を疑ってしまったが、どうやら間違いなく親子のようだ



「おい、チャンミン...そんな一気に食べて大丈夫なのか?」


食べれる幸せを噛みしめながら
一心不乱に水キムチをバリバリ食べてたらユノが心配そうに聞いてくる


ふん、何時でもどこでも好きなものを食べれる人にはわかんねーんですよ!!


口の中は水キムチが占領してるから、心の中で反論して、僕は黙って食べ続けた


水キムチさいこーー!!
母さんありがとうーー!!


バリバリ ボリボリ
ボリボリ バリバリ



***


「だから、言ったじゃん!」


「うるさい...うぅ」


案の定というか、ずっと開店休業中だった胃は急な稼働についていけずさっきからキリキリと悲鳴をあげている


「俺が片付けとくから、横になってろ」


「水びちゃびちゃにしないでくださいよ」


「う...うん」


怪しさしかないが、任せるしかない
ふう...妊婦って大変だ


「なあ」


「なにぃ?」


胃薬って飲んでいいのか?


「ドレス」


「着るわけねーでしょーが!」


そんなに気になるならユノが着ろよ!
ユノのドレス.....うぅ...見たくねぇ

うっかりユノのドレス姿を想像してしまって胸焼けしてしまう


「まあ、ドレスは置いといて。結婚式はする?」


「....は?」


なんか奇妙なWordが聞こえた気がする
いやいやいや、まさかな
聞き間違いだ


「結婚式はする?するならチャンミンのお腹が大きくなる前がいいんじゃない?」


ドレスの次は結婚式
とんだパワーワードの連続攻撃にげんなりする


「しませんけど」


「え?...しないの?」


そもそも...


「なんで僕がユノと結婚式なわけ?」


普通に考えておかしいだろ


「結婚するんだから、結婚式はするだろ」


さも当たり前みたいに言うユノに、まさか自分がおかしいのかと一瞬思ったが...いやいや、おかしいよな?


「確認ですけど...」


なんか嫌な予感がする
男同士で結婚なんて出来ないという常識さえ、今の自分に起きた事を考えれば意味をなさない事はわかってるけど


「ユノは僕と結婚する気...です?」


「責任はとる」


間髪入れない力強い肯定は、女の子なら一発KOの胸キュンかもしれないが


「僕、ユノの事そういう意味で好きじゃないですけど」


あいにくと、男として生きてきた身としては胸キュンよりもユノとバージンロード歩くという想像にさぶいぼが出る


180を軽く超えた男2人
しかも片方...(おそらく僕は)ドレス着用?


うん...悪夢決定



「ユノも....ですよね?」


ユノの事は好きだけど、それが恋愛感情かと聞かれたら大きく首を傾げてしまう


それはきっとユノも同じで、結婚うんぬんは責任感が言わせた台詞だろう


男の僕が妊娠してしまうなんて誰にも予想も出来なかった非常事態
そんな、いわば不可抗力な事由で、ユノに責任を取らすというのはそもそも違う気がするし



可愛いお嫁さんをもらって
可愛い子どもを授かって
休みの日には家族サービスに勤しむ


そんな普通で平凡な僕の未来設計



おかしいな....僕の人生設計どっからズレたんだ?



三連休ももう最終日...早っ。
Y.(チャンミナに結婚断られた...)
C.(僕にだって未来設計があっりますよぉぉ...まあ、ユノがどうしてもって言うなら考えてもいいですけどぉぉ...デュフ)
Y.(ビール用の冷蔵庫と、ワインセラーと...あとチャンミナの好きなもの....気持ちいい事好きだから...ポクのポク?)

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村