こんにちは。塾長の鴨志田です。
昨日の石川さんの投稿にも書かれていましたが、一昨日、当塾では、特別企画「ボイストレーニング」を開催しました。
今日は、その時に学んだ内容の一部をご紹介します。
ところで、このブログの読者の皆さんは、人前で話す機会は、どれぐらいありますか?
・自己紹介
・会議での発言
・お客様への企画提案
・結婚式などでのスピーチ(挨拶)
・研修講師をする際の講義
・コンサルティングの現場
・窓口での相談員(専門家)
など、さまざまな機会があると思います。
一昨日の特別講義「ボイストレーニング」、午後の部は「ナレーション」スキルを学びました。
その中から、今回は、「”伝える”スキルアップ」という視点で留意したいことを以下に紹介します。
人前で話すときは、まず、「聞き手に伝わること」を意識しなければならなりませんね。
そのための5つの基本を(1)声を前に出す、(2)話すテンポを考える、(3)聞き手を意識する、(4)内容に合わせた話し方をする、(5)話し方の作法を心得る という視点で整理してみました。以下に述べます。
※各項目の★印は、私が勝手につけた難易度を示しています。★の数が多いほど難易度が高いことを表しています。
(1)声を前に出す
声を前に出すためには、以下の5つの基礎を体得する必要があります。
①姿勢を良くする★★
②お腹から声を出す★★★
③上半身の力を抜き、リラックスする★★★
④喉をよく開ける★★
⑤口を大きく開ける★
(2)話すテンポを考える
一本調子の話し方は、聞き手を引きつけることはできず、ともすると、聞き手の睡魔を招いてします。これを防ぐには、以下の3項目を意識して、心地よいテンポで伝えることが望まれます。
①緩急をつける★★
②声の抑揚(声の音程)を意識して使い分ける★★★
③小さな間や大きな間などメリハリを持って間をとる★
(3)聞き手を意識する
聞き手を意識しない話し方は、独り言となってしまいます。話し手には、聞き手に気持ちよく聞いてもらうという義務があるのです。ポイントは、準備段階で以下の3つを意識することではないでしょうか?
①なぜ、聞き手に今伝えようとしているのか(話す目的)★
②そのためには、何を伝えることが望ましいのか(聞き手は何を知りたいと思っているのか、または聞き手に何を伝えなければならないのか)★★
③どのようにして伝えることが望ましいのか?(聞き手はどの程度の知識を持っているのかを踏まえる)★★★
(4)内容に合わせた話し方をする
真面目に伝えることは、決して良いことではありません。聞き手に親切な伝え方ができることが大事なのです。具体的には、内容に合わせた声を出すことが求められます。そのポイントとして以下の3つが挙げられます。
①文章や内容を自分のものとして把握し、その内容と自分が向き合う★★
②内容を聞き手にイメージできるように伝えるために、話し手としてどのような感情を込めたいのかを考える★★
③明るい内容、前向きな内容など、それに合った声を使い分ける★★★
(5)話し方の作法を心得る
助詞を強調する話し方をする人をしばしば見かけます。具体的には、「……で」「……が」「……を」という助詞の部分で、急に声が大きくなる、音程がそこだけ上がってしまう現象をいいます。このような話し方をすると、聞き手には助詞だけが印象に残り、内容が伝わりにくくなることを、意識していますか?ここでは、基本的に習得したい話し方の作法を5つ取り上げてみました。
①内容の意味を踏まえて息継ぎをする、話すための原稿がある場合は、ワンフレーズで読む箇所、息継ぎをする箇所を考える★★★
②第一声を気持ちよく出す★
③語尾までしっかりと声にだし、語尾を占める★
④意味とは無関係の節をつけない(無意識のうちに癖になっている人がいる)★
⑤滑舌を良くする(母音と子音(とくにさ行とら行が苦手な人が多い)、鼻濁音、無声音の使い分け)★★
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人前で挨拶したり、短い時間でプレゼンテーションをするときは、是非、原稿を作ってみてください。その際、以下のことを実践してみてください。
➀聞き手へ訴求したいことを踏まえて、テーマと流れ(構成)を考える
②1分間200~250文字程度を目安として「縦書き」の原稿を作成する
③黙読を2回、音読を3回すして、内容の意味を把握する
④キーワードや、際立たせたい語句をチェックする
⑤意味を踏まえて、間をどこでとるか印をつける(ここが、息継ぎの箇所となる)
⑥緩急をどのようにつけるかを考える
⑦音読して録音し、再生して客観的に話し手の立場で聞いてみる
以上
人に話すということの奥深さに気付かされた貴重な一日となりました。
コメントを有難うございます。
「聞き手を意識して話す」ためには、相当の準備が必要ですね。何度も、練習を繰り返さなければならない思います。でも、プレゼンテーションのCS(顧客満足)を考えれば、聞き手がお客様なので、「聞き手を意識する」というのは、本当に基本だと思います。
私は、宮崎先生ノートをつくり、先生がどのような表現を使われるのか書き綴っています。自分の声を見るということもおっしゃっていましたね。聞く人に親切になる、これも、プレゼントなのでしょうね。
助詞や語尾は、先生のようなプロの方でないと、なかなか、指摘ができないと思います。これらは、息を吐くコントロールが関係しています。すなわち、腹式呼吸で、適量の息を使いながら声を出すということです。
この世界は奥が深いですが、10年以上続けて、やっと研修アンケートで、話し方や声に関するコメントが毎回、いただくようになりました。