「エイベックス」を悩ます「怪文書」攻撃（続）

　昨秋くらいから、「エイベックス」が「怪文書」攻撃に見舞われている。

　そのなかには、松浦勝人会長の「脱税」、黒岩克巳社長による「暴力団への資金提供」を告発する内容のものもある。

　当然、「怪文書」であるから、書かれている内容は真偽不明だ。

　しかし、なぜ、「怪文書」がばら撒かれることになったのか。

　その犯人として疑われているのが、エイベックスの「元副社長」である。

　薬物絡みとも噂されているが、松浦会長と対立し、「エイベックス」を去っている。そのため、以前から二人は犬猿の仲だった。

　ただ、あらためて、このタイミングで「怪文書」がばら撒かれることになったのには事情があるという。

　昨年９月、益若つばさらが所属する芸能事務所の社長が脅迫容疑で逮捕された。

　エイベックス主催の花火大会で、別の芸能事務所の幹部とトラブルになり、暴力団の名前をチラつかせて、相手を脅したというものだった。

　その社長は、もともと高利貸しで、そこで儲けた資金を元手にエイベックスのバックアップを得て、芸能界に飛び込んだ。いまも、エイベックスからの出資を受けている状況だ。

　その一方で、エイベックスの元副社長はエイベックスを去った後も、この益若つばさらが所属する芸能事務所と深い繋がりを保ち、いわば資金源にしていたという。

　そして、元副社長は、花火大会でのトラブルは単なるイザコザで、まさか社長が逮捕されるようなことはなく、もしものときには、当然、松浦会長がトラブル相手を抑え込むものだと考えていた。

　しかし、松浦会長は結局、救いの手を差し伸べなかった。それどころか、逆に警察に訴えることをけしかけたのではないかと、副社長は疑ったのだ。その逆恨みから、「怪文書」攻撃を仕掛けるようになったーー。

　エイベックスの周辺の人たちは、そのように見ているという。

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