昭和は遠くなりにけり

古代に思いを馳せ、現在に雑言す。・案山子の落書・

非性産性社会。

 LGBTという言葉を最近聞くようになりました。私の世代ではオカマ、つまり僕達女の子という揶揄的な意味合いでしかなかったのですが、時代が変わったということなのでしょうか。

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 オカマというか、男色の風習は日本では随分と古くからあるようです。しかも、衆道などという言葉が残っているように、これを色道の一つ、つまり嗜みや芸事として長い間捉えていた文化があったということです。従って、当然これは今日的な同性愛と一緒にできるものではないということになります。
 たとえば、『続日本紀』には道祖王聖武天皇の喪中に侍児と男色を行ったとして廃太子とされた記述がありますが、これは女性を近づけることの出来なかった喪中の性のはけ口を男色に求めたもので同性愛というようなものではなかったということです。ただ、この行為も喪中では背徳に当たるということだったのかもしれません。
 なお、一説では『日本書紀』神功元年に載る「阿豆那比(アヅナヒ)之罪」を文献上最初の同性愛と見るむきがあります。しかし、内容としては男同士の友愛ともでき、むしろここで罪とされているのは、この二人を同じ墓に葬ったということだと思います。長い古墳文化を持つ国です、埋葬に関してのタブーの一つや二つあったとしても不思議ではないでしょう。

 さて、男の友愛も神功紀の話の運びとまでくれば同性愛と見間違えても不思議はないのですが、ただこうした記事が神功紀に載る背景を考えてみますに、どうもそれはオスの権威の失墜にあるのではないかと。
 周知のように、神功皇后の亭主は仲哀天皇です。「記紀」によれば、この仲哀天皇は神にも見放され、熊襲征伐も出来ないまま病死してしまういわゆる情けない天皇となっています。また、彼の叔父で前天皇成務天皇は俗に言う種無しカボチャとされています。そして彼の父の倭建は、英雄とはされていますが女の恰好をして熊襲タケルを倒したオカマっ子としての側面も持っています。正に、神功皇后の出現はこのオスの権威の失墜の後であるとさえ言えるのです。
 それにつけても、敗戦の日本の道を闊歩して歩く進駐軍、その道の上で進駐軍を相手に逞しく生きた女達がいたことを思えば、敗戦国のオスは全て隠れオカマになったとしか言いようがありません。敗戦後、女と靴下は強くなったと言いますが、今や女が自衛隊の頂点に立つ時代、アベノミクス三本の矢が隠れオカマの巣窟に刺さったというだけのことなのかも知れません。

 さて、聞くところによりますれば、LGBTを非生産だと表現する自民党の代議士がいるという。アベノミクスの影響か、それはともかく、それは確かにそれはその通りだと言うほかはないのだが、しかしこの日本には不妊治療を受けている夫婦が何十万組もいるという話。しかも、この治療一回に数十万もかかるという話。思うに、これをその代議士の言葉を借りて表現すれば、これは非生産を通り越して浪費というものではではないのかと。
 聞きますれば、彼らのほとんどはいわゆる晩婚組みとか。思うに、そもそも彼らの不妊は、彼らが結婚するまでの長きに渡り代議士の言う非生産活動に勤しんできたということが原因ではないのだろうか。思うに、これ即ち長きに渡っての非生産活動のツケが回ってきたというだけのことらしい。
 聞けば、宇宙人ジョーンズが缶コーヒー片手に次のように語ったという。
「宇宙広しといえど、この惑星ぐらいスケベな星はない。この缶コーヒーを造っている日本には、いや世界にはオスやメスやさらには生産年齢を通り越したメスのための金を支払いさえすれば非生産活動がいともた易く出来る特設の場が数多く設けられている。思うに、そもそもそうした特設の場を提供させているのはいわゆる代議士連中ではないのか。なぜなら、オスやメスの欲望を代表して社会にそうした施設をつくらせるのが代議士の務めの一つとも聞いてもいる。思うに、この惑星をスケベの星にしたのは、そうした代議士連中とハリウッドである」
「それにしても、この缶コーヒーはうまい」

宇宙人の言葉を借りるまでもなく、この日本には旨い缶コーヒーのあるこの社会に非生産活動の場を設けて良しとする代議士連中の多くいることよ。今また、旨い缶コーヒーを差し置いて博打の場を設けて良しとしようとしている。もしかしたら、これら代議士連中の体の中を流れているのは人を活かすための熱血ではなく人に生産を強いる金血あるいは油血なのかも知れない。
 それにしても、LGBTを非生産だと表現する代議士、これぞ正にアベノミクスの申し子と言う他はない。

 

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なぁーんも なぁーんも
寛容 寛容
へば 寛容

何事も寛容寛容へば寛容、誠惶誠恐、頓首頓首。