#19 モノとヒト

夏頃にこのブログを始めて、ふた月ほどになる。
ふと思ったことや、かねてから感じていたことをツレヅレに書き綴るのは一寸した充実感があったし、書いてみることで、それぞれの言葉の置場所を自分の内に見つけられる気もした。

週に一本か二本程度の投稿だが、あくまで書きたいことがあって書くという作業なので、吸った息を吐くような、無理のない行為であった。

この所珍しく用事が重なり、ふと、ブログしばらく書いてないな、と思ったとき、何か書くことはないかと無意識に〈ネタ〉を探している自分に気がついた。 (ああ、こういう心理は良くないな)そう思った。
ブログという道具に煽られているような気がした。

以前観た映画で「ナイトクローラー」という不気味に面白い映画があった。
事件、事故の現場などを生々しくカメラに収めてテレビ局に売りつける、いわゆる報道パパラッチと呼ばれる男の話だったが、次第にエスカレートし、自分で事故現場に手を加えたり、挙げ句には殺人まで演出してしまうという怖い話だった。

いま世間でユーチューバーといわれる類いの人達にも、そんな心理が常に働いているのではないだろうか。
自分の子供に虐待まがいのことをして、その動画をアップして大金を得たという両親の話を友人に聞いたことがあるが、もはや、そんな時代というほかない。

人間が急速に変容しつづけている。

人間がモノを創る季節が終わり、モノが人間を造る季節に入ったのだという気がする。

ここに至って私は、何を書きたかったのか、また忘れてしまった。

下書きしろよ、辻内。