#51 窓辺でポカポカ

陽が差して、ポカポカと暖かな青空である。

なにか明るく楽しい希望に満ちたことが語れそうな気がしてケータイを手に取ってみたが、
明るく楽しい希望に満ちたことなど何もないことに気がついた。
とほほ。
俺の人生は日に日にコーナーに追い詰められていく。

なのにこうして明るく希望に満ちた気分になってしまうというのは、
青空の偉大な力なのか、
俺の偉大な愚かさなのか。

「申し訳ないが気分がいい」
という歌が昔あったな。
岡林信康さん、いまどうしてるんだろ。
亡くなったんだっけ。
いやいやそんな話は聞いていない。
適当なこと言ってると怒られるぞ。
岡林さんは生きてます。
STAP細胞はありまあす!

なんかオボカタさんとフナカタさんて似てるよな。
♪おーい、フナカタさあん、て歌があった。
三橋美智也か。
やっぱり昭和はいいなあ。
時代遅れのオジサンが言ってます。
こないだニュース見てたら、〈日立が画期的な冷蔵庫を発表。スマホで温度調整が可能。急な来客でも外出先から庫内を急速冷却!〉 そんなのがあった。
「や、これは便利、こんなのが欲しかったんダ!」
とか思う人が居るのだろうか。
付き合いたくねえなあ、そんな奴。

そういや小学生の時ウチが初めて買ったカラーテレビは日立の〈キドカラー〉だった。
家具調のなんか大袈裟なテレビだったけど、あれで〈仮面の忍者・赤影〉をカラーで観た時の感動を私は忘れない。忘れてたけど。

日立はそういえば、その昔、全国を遊覧する飛行船を飛ばしたりもしていた。
我が田舎町の空にも、それはやって来たよ。
小学校の中庭の洗い場に本田君と居た時、遥か上空に飛行船を見つけ、狂喜乱舞して夢中で手を振っていた半ズボンの自分が、
なんだか懐かしいな。