「少年隊」✖️「筒美京平」〜80年代アイドル⑫ 1985-1987 初期シングル筒美Worksは傑作揃い

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今回は筒美京平さん追悼を兼ねて、80年代中〜後期にTVチャート番組を席巻した“ジャニーズの最高傑作グループ“「少年隊」でのWorksをご紹介します。

デビューから唄、踊り共に高い完成度で一躍大人気となった少年隊ですが、そのブレイクには筒美京平さんのハイクオリティな楽曲の持つ力があったことは間違いないでしょう。

 

筒美京平さんが手がけたデビュー以来の初期楽曲は、いま改めて聴いても傑作、名曲揃い。音楽配信のないジャニーズ楽曲のため、ファンがupしたYouTubeなどでしか聴くことができませんが、コメント欄には平成生まれの当時を知らない層からの絶賛コメントが相次いでいます。

 

調べてみるとシングル楽曲で筒美京平さんが手掛けたのはデビューからのシングル7作中6曲。楽曲により作詞家や編曲家が異なるのも、興味深いです。

 

 

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●少年隊とは

 

もともと「少年隊」という名称は現在でいうジャニーズJr.に対する総称(当時はまだ、20-30人ほどしかいなかったそうです)。1981(昭和56)年、テレビ東京「ザ・ヤングベストテン」のスタートに合わせ結成されたユニットが「ジャニーズ少年隊」となり、1982(昭和57)年に「少年隊」結成。ちなみに初期はヒガシではなく、別のメンバーでした。

 

結成当初はトシちゃん、マッチのバックダンサーとして歌番組やコンサートに出演。しかし少年隊の人気は高く、レコードデビュー前の1982(昭和57)年には「夜のヒットスタジオ」に出演、1984(昭和59)年には単独コンサートも開催するなど注目の存在でした。

 

そして1985(昭和60)年12月12日、彼らは待望のレコードデビューを果たします。キャッチフレーズは「日本発、世界行」。全米デビューも発表されました。

 

リーダーでおちゃめなニッキこと錦織一清、クールで高い身体能力を誇るヒガシこと東山紀之、カワイイ系のカッちゃんこと植草克秀のキャラクター配置も、絶妙でした。

 

当時は高い打点のスワン式バック宙などを連発するヒガシに注目が集まっていましたが、いま改めて当時のコンサートやTV出演映像を見ても黄色い歓声も平等で、人気も偏りがないグループだったとわかります。

 

彼らは下積みの長さもありデビューした瞬間から圧倒的なクオリティのパフォーマンスを発揮。3人揃って唄えて踊れて、しかもいまと違い、オール生歌です。

 

その完成度は、先輩のシブがき隊が「こりゃ勝てない」と白旗を上げる程でした。

 

それでは、少年隊初期シングル楽曲、筒美京平Worksをご紹介します!

 

●仮面舞踏会(作詞:ちあき哲也/作曲:筒美京平/編曲:船山基紀)

 

デビュー曲にして彼ら最大のヒット曲。ジャニーズの「デビュー曲最重視ポリシー」中でも、傑作中の傑作ですね。初聴でもこれだけテンションがあがる楽曲はないでしょう。

 

 

▲このザ・ベストテンは必見。いろいろどうなってんだコレ(笑)

 

作詞のちあき哲也さんは矢沢永吉さん楽曲を多く手がけるお方。矢沢ファンのニッキのたっての希望で起用された、と言われています。

 

この楽曲はなんと言っても印象的なイントロ。編曲の船山基紀さんはジャニーさん自ら「デビュー曲は絶対100万枚売れないといけない、イントロで売上が変わるんだから頼むよ」と依頼があり、悪戦苦闘の末に「誰からもツッコミを受けないイントロとして作った」と明かしています。このサンプリングのようなフレーズは、なんと大谷和夫さんによるキーボードの手弾きなのです。

 

当初はイントロ部分は歌詞(Tonight ya ya ya・・・tear)がなかったそうで、これまたニッキのアイデアで追加されたのだそうです。

 

少年隊はこの楽曲で第37回紅白歌合戦に初出場。司会の加山雄三さんが「初出場、少年隊、仮面ライダーです!」と思いきり曲名を間違えたのはもはや伝説となっています。

 

 

●デカメロン伝説(作詞:秋元康/作曲:筒美京平/編曲:新川博)

 

2nd.シングルは作詞:秋元康さん、編曲:新川博さんのキャッチーなナンバー。

 

 

新川さんは荻野目洋子「六本木純情派」本田美奈子「1986年のマリリン」などを手がけたお方です。

 

歌詞の「10日間だけじゃ語れやしない」はジョヴァンニ ボッカッチョ「デカメロン(十日物語)」からきており、歌詞、メロディ、アレンジ共にエスニックなテイストの楽曲です。

 

タイトルの音感のキャッチーさに加え、イントロの「ドレミラミレド」、そしてなんといっても謎のワード「ワカチコン!」が話題を呼びました(これまたニッキのアイデアで、スペクトラムのデビューシングル「トマト・イッパツ」からのオマージュなのだとか。ワウギターのフレーズを口でやるという、斬新なアイデアです)。

 

●バラードのように眠れ(作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:馬飼野康二)

 

4th.シングルは作詞:松本隆+編曲:馬飼野康二さん。

 

タイトルに「バラード」とありますがアップテンポのダンサブルな楽曲。間奏でバック宙決めてます。

 

歌詞中に「4009」という電話番号が出てくることからイタズラ電話が相次ぎ、NTTが「この番号にかけても少年隊は出ません」とメッセージを流すハメになるという、ウソのようなホントのニュースになりました。

 

 

●STRIPE BLUE(作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:馬飼野康二)

 

 

5th.シングルも4th.と同トリオ作。

 

爽やかな夏をイメージさせる楽曲で、青と白のストライプの衣装のバリエーションがいくつもありました。

 

一連の初期楽曲中ではいまひとつ知名度は低いものの、名曲だと思います。

 

 

●君だけに(作詞:康珍化/作曲:筒美京平/編曲:馬飼野康二)

 

 

6th.シングルは作詞が康珍化さん。

 

初のスローバラード楽曲というチャレンジングなシングルでしたが、デビュー曲に次ぐ大ヒットとなりました。

 

振付師の山田卓さん曰く「これで踊るバラードが完成した」。

 

第38回紅白歌合戦にもこの楽曲で出演しました。

 

 

●ABC(作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:船山基紀)

 

 

筒美京平さんが手がけた初期楽曲のラスト、7th.シングルはアレンジャーにデビュー曲以来の船山基紀さんを起用した、ダンサブルナンバーです。

 

スタンドマイクのアクションは、いま見てもスゴイ。それにしてもセンターのニッキの存在感とダンスのキレよ…。

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