わのわのゼロウェイスト暮らし雑記帳

シンプルでゼロ・ウェイストな「わ」の暮らしを目指し、おもにごみ減量のヒントを書き留める雑記帳です。

人生初、パブコメ出してみました

こんばんは。わのわです。

このブログではおもに、ゼロ・ウェイストに向けた

我が家の取組を紹介しています。

 

 我が家の生け垣に混ぜてあるロウバイ

いつの間にやらたくさん花を咲かせていました。

ロウバイの花期は2月くらいの印象でしたが、

気がつけば近所のロウバイもたくさん咲いています。

 結構寒い冬という感覚でいましたが、

今年は少し早いのでしょうか。

こんな草木も眠る寒い盛りにどうやって

花を咲かせる機構がはたらくのか不思議でなりません。

彩りの少ない冬景色にかすかな春の気配を

運んでくれるこの花が大好きです。

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さて、昨年末になりますが、

環境省が現在策定している

「プラスチック資源循環戦略(案)」の

パブコメを募集していました。

 ちょっと堅苦しい内容ですが、

おつきあいいただけると嬉しいです。

 

 

プラスチック資源循環戦略とは

www.env.go.jp

プラスチックの資源循環を推進するために、

どのように政策をすすめていくかという

計画のようなものです。

以下、「戦略」と呼びます。

 

上記のリンク先の「添付資料」からも

内容をご確認頂けますが、

ちょっと長いんですよね・・・。

↓の方が少し短いです(まだ、結構長いけど)

 

www.kankyo-business.jp

 

簡単に言うと、プラスチックごみを減らすために

技術革新(の応援)とか、ポイ捨て禁止とか、国際貢献とか、

いろいろ頑張るよ!と書いてあります。

 

パブコメとは

パブリックコメントは、

行政がなにか決まり事などをつくるときに

広く国民の意見を募集する制度です。

 

仕事柄、パブコメがでたよー

という情報は手に入りやすく、

こうした行政文書のパブコメ用の案なども

よく目を通してきてはいたのですが、

実際に意見をだしたことはありませんでした。

 

わのわが出さねば誰が出す?

しかし、今回はこのブログの

大きなテーマのひとつである

プラスチックの資源循環に関する戦略です。

私が意見をださないで、どうする?!

という気持ちで、人生初、

パブコメを出してみました。

 

といっても、パブコメが出ていることに

気がついたのがもう〆切直前で、

〆切の日の朝に1時間くらいで

思いついたことをぱぱっと送るのが精一杯でした。

そんな大急ぎでだした

意見の概要を紹介します。

 

意見①「熱回収」はリサイクルじゃない

この戦略のなかでまず気になったのは、

現状把握や目標に使う数字として

「リサイクル率」ではなく、

「有効利用率」という言葉を使い、

資源として回収したプラスチックを

燃やしてその熱を利用する「熱回収」を

含めていることです。

 

プラスチックを燃やしてしまうのは

海に流すよりはだいぶましですが、

温室効果ガスは増えることになり、

気候変動対策としては逆効果です。

また、そもそも「資源循環戦略」なのに

「循環」していません。

 

この熱回収が全体のごく一部というなら

まあいいのですが、グリーンピース様によると、

我が国が世界に誇る有効利用率84%のうち、

実に57%が熱回収です。

そう、ほとんど燃やしているだけなんです。

 

なので、熱回収率は別に考えて

せめてリサイクル率と区別できるように

してほしいと要望を出しました。

 

白状しますと、この意見は

グリーンピース様の受け売りです。↓

www.greenpeace.org

 

意見②プラスチックに替わるもの

「戦略」では現在のプラスチックに替わる資源として

紙とバイオマスプラスチックを挙げて、

技術開発によりその活用の幅を拡げるとあります。

 

ですが、現在プラスチック製のものの多くは

かつてはプラスチック以外の

もっといろんな素材で作られていました。

たとえばざるは金属か竹だったし、

お風呂の道具は木や金属だったし、

容器はガラスが多かったと思います。

 

このように、プラスチックに替わる素材は

紙とバイオマスプラスチック以外にも

たくさんあるし、技術開発などしなくても

今あるもの、かつてあったものに

目を向けてみるだけで

解決するものもたくさんあると思うのです。

 

こういった今あるもの、

かつてあったものを見直すことも

政策に加えてほしいと要望をだしました。

 

意見③バイオマスプラスチック

「戦略」のなかでは何度も

バイオマスプラスチックが出てきます。

これについては、私、先日のエコプロで、

関連団体のブースで根掘り葉掘り聞いてきて、

考えさせられていたことでした。

wanowanowa.hatenablog.com

 

バイオマスプラスチックって

ひとことで言っても内容は様々です。

 

植物原料で作られているといっても

その含有率がとても低いものもあるし、

植物から作られたからといって

自然界で分解されるとも限りません。

 

生分解性プラスチックですら、

土に埋めれば分解されても、

海に流れ出たら普通のプラスチックと

同じ挙動のものもあります。

 

だいたい、プラスチックから

生分解性のものだけを拾い上げて

土に埋めるなんてことが

できる気がしません。

 

そんなわけで、バイオマスプラスチックで

普通のプラスチックより環境負荷が小さくなる

条件は極めて限定的という印象を受けています。

 

にもかかわらず、バイオマスプラスチックを

強く推進する根拠を明確に示してほしいと

要望をだしました。

 

意見④ リデュースの徹底

これもだいたい、

グリーンピース様の受け売りなのですが、

「戦略」では不要なプラスチックの

リデュースを徹底するとあります。

しかし、 具体的な目標としては、

・レジ袋の無料配布禁止

・2030年までにワンウェイのプラスチックを25%削減

くらいでしょうか。いかにも生ぬるい。

 

世界に目を向けると、EUなんかは

もっとずっと踏み込んだ具体案を出しています。

lessplasticlife.com

 

EUの具体案は↑「プラなし生活」さんが、

わかりやすく(日本語で)紹介して下さってます。

 

もう少し具体性のある目標を設定してください。

と言う要望をだしました。

 

パブコメを出してみての反省

人生初のパブコメ

上記のような感じで提出しました。

 

〆切当日で、

かなり大急ぎで書き殴ったので、

いろいろ反省はあります。

 

ひとつは、言いたいことが

うまく表現しきれず、

伝わらなかったかもしれないということです。

ただこれはコミュニケーションの常。

一方通行のパブコメでは

ある程度仕方ないかなと思います。

 

もうひとつは、やはり出してから

あれも書けばよかったということが

でてきました。

 

それは、私たちが排出したプラスチックが

どういった経緯で海洋を汚染するに至るのか、

本当にそれは私たちが出したプラスチックなのか、

明確に説明してほしいということです。

 

多くの日本人は良識があり、常識的で、

ポイ捨てなんてしません。

きちんと洗って分別して出したごみが

海を漂うことになるなんて

想像できないなかで、いくら政府が

キャンペーンを張ったところで、

プラスチックの消費を減らそうという

意欲には結びつかないのではと思うのです。

 

だからそこのところを解明して説明するのは、

行政の重大な責任だと思いました。

ああ、書けばよかった・・・。

 

一国民として意見を出す意義

それでも、今回その場で

思いついたことだけでも

意見を提出できたことは、

何もしないより100倍よかったと思います。

私が言いそびれたことは、

誰かが言ってくれたと思いたいです。

 

昨今の政治の様子とかをみていて

すごく思うのは、民主主義も資本主義も、

国民が知性をもって監視しないと

システムや決まりを自分本位にねじ曲げる人が

得をするように変質してきたりして、

暴走するものだなー、ということです。

 

社会が健全であり続けるためには、

監視者としての国民がとても重要だし、

国民こそ主役であるべきと思います。

 

そんなに社会にとって大事なことなのに、

学校ではパブコメの読み方、出し方とか

国会中継の見方とか、

選挙での投票の考え方とか、

あまり教わらなかったなあ、と

しみじみ思いました。

 

みなさまもこの先機会があったら、

パブコメ募集に意見をだしてみようかな、

なんて思ってみて下さい。

 

長くなりました。

今日も、最後まで読んでいただき、

ありがとうございました。