まわるまわる | プリムローズ咲く

プリムローズ咲く

日々の気づきや思いを書き留める備忘録

朝のサークルタイム。

ランタンのキャンドルを吹き消した後は、子供たちと大人たちで手を繋いで、歌いながら回る。

 

Come and join the circle, Come along, Yes, I'm coming.

Come and join the singing, we will sing to

Now the school bell is ringing, Ring Ring

It will tell the school is begining, Ring Ring

We are here the work and play time Ring Ring

We are here the dancing and grape vine.

 

朝のテーマソングということかなあ。南アフリカでシュタイナー学校の先生をしていた人から、何人かの先生を経て、この歌はプリムローズ保育園に伝えられた。

 

この歌は一年中変わることはなく、また手を繋ぎみんなで回るというムーブメントも変わらない。「さあ、今から始まるんですよ」ということを、体で覚える。

 

新学期が始まってから6週間目の10月なかばになって、ようやくこの輪がスムーズに回るようになってきた。それでも時々は途中で止まってしまう。というのは、このかごめかごめのように回るムーブメントは、アメリカの子供達には難しいからだ。

 

〇〇ちゃんと手を繋ぎたくない。

横の子の手を引っ張る。

歌のリズムで歩かずに一人で速歩きをする。

 

一人一人が自分のやりたいように動く訳で、それではなかなか一緒に回れない。わたしは子供達を纏めるために、声のトーンを上げたり下げたり、時には囁いてみたり、時には歌を止めてみたり。それでも毎日繰り返してなんとか纏まりつつある。

 

入園したばかりの3歳の子にとって、手を繋ぐというのはチャレンジな時もある。特に服など肌に触れるものに過敏な子たちは、よく知らない子の手というのはなかなか繋げない。その場合は手を繋がなくても、一緒に歩くだけでもいいかなと思う。group conscious が芽生えるのが大事だから、時間をかけて、その子が自然に手を繋げるまで待つようにしている。

 

4歳のジョニーが手を繋がないでサークルを回っていたので、小さな声で名前を呼んで促した。
前の日は手を繋いでいたと思う。
 
「明日、手を繋ぐから」
 
ジョニーはその日の気分がまちまちだ。
 
「イーライは寂しいと思うよ。(横にいて、手を差し出している男の子)ジョニーはサークルに招待されたんだよ。ちゃんとしてね」
 
それでも彼は手を繋ぐことを拒んでいる。
 
「じゃあ、準備ができるまで横に出ていてね」
 
わたしはジョニーを輪から外し、そのまま他の子たちといつものようにサークルを回った。それで一周して、ジョニーが立っているところまで来た時、Are you ready? と聞いた。彼は何も言わないで、イーライとわたしの手を繋ぎ、何事もなかったように歌い始めた。
 
この日のように上手くいくこともある、日によっては上手くいかないこともある。でも、毎日同じことを続けることで、身に付くことがある。
 
子供達に言葉で仲良くしなさいと言っても、その場限りになることが多いけど、同じ歌を歌い、同じリズムで歩き、そして手を繋ぐ努力をする事で、まず仲間意識が芽生え、違う個性を受け入れる幅が広がっていくんだと思う。
 
シュタイナー教育はHeart connectionなんだよね。Head だけじゃなくて。