タイニーハウス東京

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中国国家安全法について その後

2020-07-09 19:10:00 | 仕事と生活
前回は、米国による金融制裁の発動を恐れて筆者の持っている香港の銀行口座からほとんどの資産を日本に移したことについて記事を投稿しました。

その後の経緯はご存知の通りで、中国は6/30に全人代常務委員会にて同法を採決、7/1より香港立法会(議会に相当)での手続きを経ず即日施行され、これまで多くの逮捕者が出ています。

こうした中国側の動きに対して、アメリカは対抗措置として、香港に認めてきた貿易や渡航における優遇措置を停止したほか、昨年には香港での人権や自治を支持する「香港人権・民主主義法案」に加えて、今月2日には「香港自治法案」を成立させました。





同法案は、1984年の中英共同宣言や香港の憲法にあたる基本法で認められた「高度な自治」の侵害に関わった中国当局者や機関を特定し、資産凍結や査証発給停止などの制裁を科すよう米政府に求めているものです。





米国が同法で規定している中国当局者と機関と取引のある金融機関に対して何処まで強硬処置を取るのかは今後の展開に依りますが、現状を鑑みるとその可能性は高まっていると筆者は判断しています。


さて、今回の動きの中で世界第3位の国際金融センターであった香港市場の地位も急落しており、それに関連して東京市場が香港を代替するチャンスであるとの論を唱える日本の政治家、政治評論家や経済学者が相当数いらっしゃいますが、筆者はそれらの論には与しません。

もっと過激な言い方をすれば、それらは無知の極みだと思っています。

その論拠の一部については既に前回までの記事の中で外為管理がないことや中国本土に隣接した無関税地域であることなどについては触れさせて頂きましたが、今回はもう少し詳しく説明を試みたいと思います。


香港が世界有数の金融ハブとして存在している理由は:

① 世界的に見ても有利な税制

相対的に低い法人所得税(タックスヘブンに近い)、キャピタルゲインが非課税、相続税がないなど地域統括本社を置く企業や富裕層の個人にとって大きなメリットがある


② 中国事業オペレーションの物流ハブ

地理的に中国に隣接した非関税地域で必要な優秀人材も豊富で保税生産(来料加工に近い)や物流、調達など関連したオペレーションが極めて容易あり、かつオペレーションコストを極小化出来、オペレーションの結果として税制的に有利なである現地に金が落ち利益を確保出来ること


③ 外為管理がない

外為管理がなく自由で制限のない外国通貨への転換や資本移動も容易であること


④ 資金調達機能

投資意欲旺盛な中国含め世界からの資金調達のための投資環境が整っていることで上場なども比較的容易に出来ること


…などが諸々の要素が組み合わさっての総合的なメリットのためです。


日本には、残念ながらそれらを満たすファクターはなく日本が香港に置き換わることは不可能です。

同時に同じ理由で上海やシンセンなどの中国大陸内の都市が代替することも不可能であり、中国が香港の「特権」を失うことは経済的にはとてつもない大きなダメージなのです。

逆に言えば…これらを失っても香港の中国化を図ることは中国共産党独裁政権の維持に大きな障害となっている(或いは、なる可能性が高い)ことなど政治的な理由でかなり切羽詰まっていることの証でもあります。


日本内のこの手の論議について言えば、もう少し足が地についた議論、分析と戦略立案を進めてもらいたいと思っています。

更に言えば、日本政府には「遺憾」発言に留まらず、このような中国含む諸外国の暴挙に対しては毅然とした態度で臨んで欲しいものです。





関連動画;自作トレーラーの関連動画はYouTubeにアップしてあります。宜しければご覧ください。
     https://www.youtube.com/watch?v=z-eC-Jokxhw&t=25s








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