地下鉄千代田線への直通用として登場し、直通引退後は小田急線内専用車として活躍した9000形。
4両と6両が9本ずつ在籍した9000形ですが、晩年は3パターンの使われ方をしていました。

まずは6両の編成ですが、こちらはある意味普通の使われ方で、5000形や8000形の6両と同様でした。
各停から急行までバランス良く充当されていました。
他形式との相性はお世辞にも良いとはいえなかったので、併結時の衝動はなかなかのものでした。

4両は2本を組み合わせ、多くが8両で使われていました。
9001Fから9006Fは、中間に入る先頭車の機器を撤去しており、実質的に8両固定編成となっています。
その他に8両を組んでいたのは9008Fと9009Fですが、こちらは機器類が残った状態となっており、4両でも使用することが可能でした。

余ったのが4両の9007Fです。
4両で8両を組むと、必ず4両が1本余ります。
その4両のみは、他形式の4両と共通で運用され、主に10両の新宿方に繋がれていました。

面白いのが、なぜかその役割はだいたい9007Fで、稀に9008Fや9009Fのことがあったのですが、単独で走っているのはだいたい9007Fだったのです。
明確な理由は分かりませんが、単独で走るのは9007Fというのは、当時の小田急ファンでは常識となっているぐらい定着していました。

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上りの優等列車で先頭に立つのは、9007F以外ほとんど見られませんでした。
6両の9000形と組み合わさると、オール9000形の10両を組成することもありました。

併結時の相性が悪いのはこちらも同様だったようで、乗務員泣かせの存在だったようです。
3000形と組み合わさった時は悲惨で、かなりの衝動だったことを覚えています。

9000形の中で特別な存在になっていた9007F。
なぜ9007Fばかりが単独運用だったのか、その謎は今でも解けていません。