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今回は、文学賞の選考において、選考委員の好みが
影響するのかどうかという問題に触れてみます。
多くの応募者が、選考委員の顔ぶれを見て、好みなど
の対策を講じたりするのですが、本当に必要なことなの
でしょうか。
最近では最終選考を公開で行なっている文学賞が増え
てきましたが、ほとんどの文学賞はまだ密室での選考で
すし、選ぶのが人間である以上は好みの問題が付いて
回ると考えるのが自然です。
選考の建前上は、好みで選ばないということにはなって
おりますが。。。
実際のところは、複数の選考委員がいて、しかも上下関
係がないのなら、好みで選ばれることなどまずありません。
が、怪しいのは、選考委員が単独の場合や、複数いても
上下関係が顕著な場合は好みが反映されるかもしれま
せん。
上下関係というのは、たとえば、有名作家と自治体の首
長とのコンビですが、首長はどうしても専門家である有名
作家の意見に流されやすいといえます。
つまり、専門性での上下関係でして、社会的地位の上下
ではありません。
もちろん、自分の好みを一切加味しない優れた選考委員
だって数多く存在します。
毎年の受賞作品を読んでみれば、好みが影響しているか
どうかがわかるでしょう。