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リスティング広告運用の仕事内容とは?就職・転職後のキャリアについても解説

広告代理店やWeb系への転職を考える際に、採用されやすさというのも求人選びの大事なポイントですね。Webマーケターのなかでも未経験から仕事につきやすい職種として、リスティング広告の運用を担当する仕事があります。

リスティング広告の運用業務では、出稿した広告や施策の結果がダイレクトに数値にあらわれます。データや数値の分析が苦手な方にとっては難易度が高いですが、それらに取り組みたい方にはインターネット広告やマーケティングの基礎を身につけるうえでも非常に有意義なポジションです。

今回は、そんなリスティング広告運用の担当者としての仕事内容、広告運用者となった後のキャリア、今後の将来性について解説します。

リスティング広告とは

リスティング広告は、Yahoo!JAPANやGoogleの検索結果ページに小額の予算から自社の広告を掲載することができる広告です。インターネット広告のなかでも費用対効果が高く多くの広告主が利用するようになりました。

主要な媒体として、Google広告(旧Google AdWords)とYahoo!プロモーション広告があり、それら広告プラットフォームが提供する管理画面を通して入札や入稿を自由なタイミングで実施できることがリスティング広告の特長です。

検索連動型広告を中心に発展してきたため、サーチエンジンマーケティングの頭文字をとりSEM(Search Engine Marketing)と呼ばれることもあります。

 

リスティング広告の種類

顕在層に向けた配信が得意な「検索連動型広告」のほか潜在層に向けた「コンテンツ向け広告」もリスティング広告の一部です。

検索連動型広告

ユーザーが入力した検索語句に対して、検索結果の画面にテキスト広告を表示します。最近では、Googleショッピング広告など画像付きのフォーマットも登場しています。

自然検索での表示順位について対策を行うSEOとは有料広告である点で区別されます。

コンテンツ向け広告

Webメディアやブログなどのディスプレイ広告枠にバナーやテキスト広告を表示します。メディア上のコンテンツ内容やユーザーの興味・関心に対して広告を配信するほか、サイトを訪問したことのあるユーザーへのリターゲティングも含まれます。

 

入札方式と広告費用

リスティング広告の費用は、広告主が入札した単価によるオークションと広告品質のかけあわせにより広告費が決定します。入札の方式としては、CPC(クリック単価)やCPM(インプレッション単価)がもちいられます。

 

リスティング広告運用の仕事内容

広告運用者の多くは、インターネット広告代理店の運用部門に所属し、クライアント企業のリスティング広告運用業務を代行します。リスティング広告のみならず、ディスプレイやSNS広告を担当する場合もありますが、SEOとは担当が分かれているケースが多いです。企業によっては、運用型広告コンサルタントSEMコンサルタントというポジションで呼ばれることもあります。

それでは、リスティング広告の運用担当者は実際にどのような業務を任されているのでしょうか。代表的な仕事内容を以下で紹介します。

 

プランニング業務

広告掲載にあたり、ビジネスモデルやターゲットユーザー、コンバージョン地点、予算など広告の出稿目的やKGI/KPIを整理したうえで実施にむけたプランニングを行います。

目標設定(KGI/KPI設計)

広告予算を決めるため、売上や利益などのビジネス上のゴールからプロセスを分解し、目標達成に連動した指標をKPIとして設定します。

広告経由の獲得数や送客数、利益目標などの想定から逆算して、広告予算を算出します。また、リスティング広告から集客可能なトラフィック数についてシミュレーションを作成するなど、事前の見積もりに参加する場合もあります。

事前調査

ターゲットとなるペルソナユーザーや、広告を掲載する対象となるWebサイトの内容から候補となるキーワードを洗い出します。キーワードプランナーをつかい、月間検索ボリュームやクリック単価、キーワードの優先度を把握します。

また、抽出したキーワードから競合サイトの分析もおこないます。ニッチなジャンルを除きリスティング広告では複数の広告が表示されるため、競合との差別化ポイントを明確化し、ユーザーへの訴求を行います。

リスティング広告を出稿する際のアカウント構成についても大枠を決めておきます。

配信設定

掲載開始に必要なコンバージョンの設定やGoogle Analyticsとの連携を行います。リターゲティングやデータフィードといった広告を使用する場合については、GTM(Google Tag Manager)についても設定を行う場合があります。

 

新規アカウントの構築業務

事前にプランニングした内容を、Google、Yahooといった各媒体の管理画面に反映します。広告予算が少ない場合は、まずはGoogleのみで掲載をはじめ予算を増額する際に媒体を追加することもあります。

以下では、アカウントを構成する「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード」「広告」の要素について紹介します。

キャンペーン

キャンペーンでは、広告の予算配分や入札方式を指定します。そのため、CVがとれる広告は極力キャンペーンを同じにして予算による制限がかからないように配慮します。

配信地域、デバイス、時間帯などの配信スケジュールについてもキャンペーン単位で設定が可能なほか、自社内のアクセスを除外するIPアドレスなども設定することができます。

広告グループ

広告グループには、キーワード、広告を設定します。1広告グループ1キーワードといった細かな運用を行うアカウント構成をとる場合もあれば、Googleの推奨するhagakure方式を採用する場合もあります。

キーワード

キーワードは、広告グループ毎に設定します。キーワードに入札単価を設定できるほか、完全一致、部分一致、フレーズ一致といったマッチタイプを選択することで、露出を調整できます。

広告

広告には、タイトル、説明文、URLを設定します。ひとつの広告グループに対して複数の広告を設定しテストすることが推奨されます。

広告文は同じものを使用し続けると効果が下がる傾向にあるため、運用において定期的な差し替えを行う必要があります。

 

日々のリスティング広告運用業務

広告運用をスタートした後は、掲載結果をもとに日々の運用改善をPDCAというかたちでまわしていきます。運用改善をおこなうための指標として、リスティング広告では、CPA(獲得単価)やROAS(広告費用対効果)といった広告指標がもちいられます。

ECや旅行などオンライン上で決済まで完了する場合は、広告費に対して回収した売上の比率をあらわすROASを採用し、投資に対する費用対効果を判断していきます。一方で、会員登録や資料請求などを目的とする広告キャンペーンでは、1獲得あたりの広告費用を意味するCPAを目標以下に抑えつつ、獲得数を最大化する運用が求められます。

それらの広告指標を目標にあわせつつ、マーケティングのゴールとなる売上を最大化していくことが広告運用者のミッションです。そのため、広告をクリックしたユーザーが訪問するページ(ランディングページ)や商品・サービスの内容を含め手を入れる場合があります。

代表的な運用改善の方法を以下で紹介します。

露出向上のためのチューニング

広告の表示回数やクリック数が想定よりも少ない場合は、入札単価を引き上げる、キーワードを追加する、マッチタイプを変更するなどのチューニングをおこないます。

掲載順位は広告品質と入札単価から決定されるため、広告の品質スコアをあげるための調整も重要です。

CTR(クリック率)向上のためには、キーワード挿入機能や、広告表示オプションなどの設定を行い、興味を引く広告とします。

入札単価を決定する際は、管理画面上の掲載順位やインプレッションシェアを参考にするとよいでしょう。

効率改善のためのチューニング

クリック数や使用する費用の大きい広告は改善の優先度が高いため、コンバージョンがとれる広告については露出を最大化する。クリックはされるが成約しないなど効率の悪い広告は、LPを見直す、単価を下げるなど優先度をつけて改善を行います。

また、ユーザーの流入した検索語句を確認し、コンバージョンに結びついていないキーワードを除外設定する、配信デバイスや地域、時間帯での成果を確認し、入札に強弱をつけるなどして最適な配信がおこなわれるよう調整します。

LPOやEFOといった遷移先ページの改善をおこなう場合もあります。

 

レポーティング業務

クライアントから予算をあずかるインターネット広告代理店の運用者はもちろん、事業会社の運用担当者の場合も、週次や月次などで広告の配信結果についてレポーティングを行います。

そのため、ExcelPowerPointなどオフィスツールを使用したドキュメント作成のスキルは、インハウス運用も広告代理店の担当者も必須の能力となります。

レポートの内容としては、キャンペーン、広告グループ、キーワード毎の成果や、実施した施策内容と結果についての報告が主な内容です。

 

リスティング運用担当者のキャリアと将来性

ここまでは、広告運用担当者の業務内容について紹介してきました。以下では、実際に仕事についたあとのキャリアパスや将来性について紹介します。

 

リスティング広告運用者の将来性

リスティング広告は、インターネット広告全体のなかでも予算配分の比率が高く、スマートフォンがメインのデバイスとなる昨今においても年々規模を拡大しているなど今後の成長が期待できる領域です。

一方で、AIの発達により広告運用の自動化の波が今まさに進展しており、入札や広告文など業務の自動化がますます進むことが予想されています。そのため、現役のリスティング広告運用者からは職種自体の将来性に対して否定的な意見や、今後を懸念する声もあります。

そのため、運用者の生存戦略としては、FacebookTwitter、LINEといったSNS広告など運用型広告のなかでも扱える媒体の幅を広げておく、広告運用以外のマーケティング業務に携わっておくなどがリスクヘッジとしてあげられます。

 

広告運用者からのキャリアパス

広告運用者となった後のキャリアパスとしては、就職・転職した会社のなかで出世を目指す以外に、より上位の広告代理店に転職する、広告会社やプラットフォーム、ベンダーサイドにジョブチェンジ含む転職をする、事業会社にマーケティング職として転職する、フリーランスのリスティング運用者として独立する、など様々な道があります。

いずれにしろデジタルマーケティングのスキルを持った人材が全体的に不足していることもあり、広告運用者への転職市場からのニーズは高く、職務経験を積むことで年収アップやより大手企業への転職が期待できる職種となっています。

 

まとめ

インターネット広告のなかでも費用対効果が高いリスティング広告は、現在多くの企業で利用されています。実際に目にすることも多い広告ですが、その裏側では、広告運用の担当者が日々運用や広告のチューニング業務に取り組んでいます。

未経験から挑戦したい場合にも、採用の難易度は低いためまずは応募してみることをおすすめします。

また、転職以外にWebサイトやホームページの担当をしている方が、上司からWeb広告を掲載してほしいと依頼されることもあるかも知れません。そのような場合には、まずリスティング広告の掲載から取り組んでみるとよいでしょう。