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鷹木信悟とウィルオスプレイの言葉の違いに見る「プロレス的強さ」とは?【新日本プロレス】

鷹木信悟とウィルオスプレイの言葉の違いに見る「プロレス的強さ」とは?

https://www.njpw.co.jp/wp-content/uploads/2019/05/top2-1.jpg

(引用元:新日本プロレスオフィシャルサイト)

 

 

www.njpw.co.jp

 

 鷹木信悟選手に続き、ウィル・オスプレイ選手が
BOSJへの思いを語りました。

過去の記事で、鷹木信悟選手のインタビューを紹介したのですが、
ウィル・オスプレイ選手のインタビューを読むと、
やはり、選手一人一人の特徴を捉えた上で
コメントを入れるという、
鷹木信悟選手の語り口は好きだな、と思います。
www.noumisoprowrestle.work

 

ウィル・オスプレイ選手の主張は、

「オレは凄い」
「オレはジュニアだけどヘビーにも通用する」
「ランス・アーチャーも持ち上げたんだ」って、

 いうもの。

 

いや、そんなのもういいから!

 

ウィル・オスプレイ選手が、
近年稀に見る天才肌かつ、
努力も怠らないし、
つねに新しい発想を追求しているし、

それは試合中に閃くような、
ロマンシング・サガの戦闘みたいな
試合をしているイメージは、

十分以上伝わっています。

 

それでもなお、自分自身を誇示することに
終始するインタビューはぜんぜん好きになれない。

というか、インテリジェンスが感じられない。

もう少しエスプリの効いたこと言えないかなー、

と思ってしまいます。

こういったところに、
「プロレス的強さ」っていうものを 感じてしまいます。

ドラゴンゲートのマイクの秀逸さ

と、思ったところで、思い出したこと。

ドラゲーは国内プロレス随一のマイクの上手さを誇るってこと。

それは、トップどころだけでなく、

まだ新人の選手にもかかわらず、

気の利いたことの一つや二つ、

一回のマイクでポンポン入れてくるんすよね。

 

ドラゴンゲートがマイクパフォーマンスに重きをおいているのは、

立ち上げ当初からのこと。

当初から女性ファンが多い、闘龍門/ドラゴンゲートは、

激しい試合以外にも、マイクで女性客を「掴む」ことが、

団体が生き残っていく上で、必須条件としてきた気がします。

 

熱い試合をする細マッチョのイケメンが、

「オモシロかったら」

これは、もう、男として、対女性に関しては、

「無敵」ですよね。

 

そこを追求してきたのが、現OWEのCIMA選手ら

創成期のメンバーです。

その系譜は、連綿と受け継がれていき、

鷹木信悟選手も、CIAM選手とはまた違う色の、

マイクパフォーマンスを展開していきました。

 

ドラゴンゲートのマイクパフォーマンスの特徴

主観ですが、ドラゲーのマイクの特徴は、
「会場の空気を察知して、即座に言葉にかえること」

「説明っぽくなる言葉もうまく変換すること」 

 

ドラゴンゲートの会場でのマイクパフォーマンスは

笑いが起きることが度々。

だから、選手も客を盛り上げる意味で、
笑いをとりにいきます。

観客が今どういう感情なのかを常に考えていて、
相手が今喋っているけど、イマイチ、
ピンと来てない空気だな、

と思ったら

「ちょっと、何言ってんのかわかんねーから、もっと簡単に言え!」

とか煽って、笑いを取ります。

特筆すべきは、「笑い」と「熱狂」のバランスが絶妙で、
最後には会場を大いに沸かせて占めます。
会場で聞いていても、熱狂しながらも、
「うまいことまとめるなー」なんて思ってしまうほど。

 

 

吉野正人のマイクのうまさ

そして、「説明っぽい言葉をうまく変換すること」

これは、演劇とかでも見られる、

説明のシーンを、
うまくセリフっぽく言うことにつながるんですが、

 

ボクが実際に見た試合で、

外国人のPAC選手が、吉野正人選手に
王座挑戦をアピールしました。

英語で。

そうすると、観客の多くは、
何を言っているのかわからない状況になりますよね。
ですが、通訳が入るわけでもないですし、
リング上はシリアスな雰囲気です。

 

ここで流石だなー、と思った吉野正人選手の返しは、

「オレのこのベルトに挑戦したいっていうのか?上等だよ!」

って、英語がわからない観客向けにキチンと説明しつつも、
説明っぽくなく成立させています。

更に、自分の意思もしっかりと添えて。

そして、なんといっても感心したのが、
間や空気感が一切変わらなかったこと。

英語わかんない厨も多い中、
スッとその場を成立させた、吉野正人選手、
そしてドラゴンゲートのパフォーマンスに
膝を打ちまくりでした。

 

こういう、観客や読者に対して、
キチンと成立したものを見せたうえで自分の言葉を発する

ドラゴンゲートismといってもいい姿勢が、
今回のインタビューで垣間見た気がします。

 

新日本のマイクの弱さとインディーズの強さ

新日本プロレスは、
マイクパフォーマンスで笑いをとることをしません。

「インディーっぽいから」

どんな状況であれ、笑いが起きてしまうと、
場がゆるくなってしまうから、
それを避けたい気持ちもわかります。

しかし、その結果、新日本プロレスというのは、
マイクがうまい他団体の選手に押し込まれてきた歴史があります。

邪道選手、外道選手が新日本ジュニアに攻め込んできたときは、
新日ジュニアが壊滅状態でしたし、

高山善廣選手や鈴木みのる選手ら「外敵軍」にも、
永田裕二選手や中邑真輔選手らはボコボコにされてきました。

 

リング上の強さは、決して圧倒されていたとは思いません。

その鍵を握っていたのは、マイクパフォーマンスや
バックステージでのコメントのうまさ。

ついつい、ニヤッとしてしまうコメントに、
頭は自然と、邪道外道や高山善廣選手をインプットし、
応援してしまう。

 

そして、今、鷹木信悟選手という、
インディー出身の選手の言葉のほうが、
他の新日本の選手以上に魅力があります。

 

プロレス的強さ。

それは、観客が求めている言葉をキチンと理解し、
それを言葉にして、
更に、自分が伝えたいことを言うこと。

「受け身の美学」(あんま好きじゃないこの言葉)
って、マイクでもそうでしょ?

 


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