まったり英語育児雑記帳

2009年生まれの長男と2012年生まれの次男をもつアラフォーです。おうち英語とゆる〜い育児がメインの雑記ブログ。2025年に高校受験する長男のことなども。

《英語育児》『雨ニモマケズ』を英語で読んでみる

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NHK「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」の話題です 。

 

長男の音読教材として、相変わらず「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」を続けています。

 

6月の日本文学のテーマは「宮沢賢治」でした。

取り上げられたのは『雨ニモマケズ』と『注文の多い料理店』の2作品です。

 

2018年度放送分の日本文学をまとめたCDブックに収録されています。

"Run, Melos!" and Other Stories」 

 

 

日本語の詩を英訳すること

 

今回は『Against The Rain  (雨ニモマケズ)』について書きたいと思います。

 

先日、英語の「rhyme (ライム)」について書きましたが、『雨ニモマケズ』の英訳を読んだこともきっかけになりました。

www.pandamama-eigoikuji.xyz

 

英語の詩は、ほとんど文の最後に韻を踏んで音のリズムを整えます (文の冒頭の場合もあり)。言葉がリズミカルに歌うような響きがあり、韻を踏まないと詩として成り立たなかったりもするらしいです。

 

そんな英語の「ライム」について話していたタイミングで、ちょうど「エンジョイ〜」でも『雨ニモマケズ』を取り上げていました。

 

日本語の詩も英語になると韻を踏むのかしら?

と思いながら子供と一緒にページをめくります。

 

私なりの感想として、音のリズムを意識したような文や繰り返しの言葉が多く、韻を踏んでいる箇所もあり、詩的でとても分かりやすい英訳だと思いました。

もともと日本語の詩を、英語でもリズムを考えたり韻を踏んで訳すって相当難しそうですね。

『雨ニモマケズ』の英語は、しっかり情景や雰囲気が伝わる素敵さが漂っていました。

詩というより散文っぽい?と思ったりしましたが、その辺、違いなど詳しくは分かりません( ̄▽ ̄;) 

 

ちなみに題名は "Against the rain” ですが、本文は違っています。

 

Not even the rain

And not even the wind

Will stop me

 

と訳されています。

 

 

 

そして、『雨ニモマケズ』の英訳といえば、絵本があります。

 

「雨ニモマケズ Rain Won't」

宮沢賢治 (著), こどもくらぶ (編集), 山村浩二 (イラスト), アーサー・ビナード/英訳 (翻訳)

大型本 – 2013/11/6

 

こちらでは冒頭部分を "Rain won’t stop me” と訳しています。

美しいイラストと詩がマッチした、とても素晴らしい絵本です。

 

 

そして、東日本大震災後、ワシントンD.Cの大聖堂で行われた被災者追悼式で『雨ニモマケズ』の英訳が朗読されました。

 

 

 

こちらでは、「雨ニモマケズ」を "Unbeaten by rain” と訳しています。

 

 

どの英訳もそれぞれ素敵な響があり、 読み比べて自分の好みの訳を見つけるのも面白いです。

どれもとても考えられた英訳で『雨ニモマケズ』を伝えています。

私は "Unbeaten by rain” が好きかなぁ

 

 

『雨ニモマケズ』の冒頭フレーズだけでも、

 

Not even the rain

And not even the wind

Will stop me

エンジョイ・シンプル・イングリッシュVer.

 

Rain won’t stop me

Wind won't stop me

アーサー・ビナード訳Ver. 

 

Unbeaten by rain 
Unbeaten by wind

ワシントン被災者追悼式Ver. 

 

と、それぞれ特徴があります。

 

他にも、

 

Strong in the rain

Strong in the wind

ロジャー・パルバースVer.

 

I will not give in to the rain
I will not give in to the wind

松香フォニックスVer.

 

Not losing to the rain

Not losing to the wind

wikipedia Ver.

 

という英訳があります。

私が知らない他の英訳も、もっとたくさんあると思います。

 

これだけの英訳があるというのは、言葉の持つニュアンスを外国語で伝える難しさを感じます。

 

マザーグースの韻を踏んだ英文も、日本語に訳すと韻を踏むことはなくなります。

それでも日本語なりの、声に出して言いやすい音のリズムはしっかりあり、面白がって子供達が覚えるだけの魅力を感じます。

 

 

そういえば「パプリカ」の英語訳では、

「日本語は主語がないことが多いから英訳し難い」

と訳者のネルソン・バビンコイさんがおっしゃっていました。

韻を踏んだり、英語の音やリズムにこだわったそうです。

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国が違うと言葉も変わり、

ニュアンスや言葉に含まれた意味まで伝えることって難しいと感じます。

 

だからこそ、いろんな訳や解釈があって、それが面白いのかなと思います。 

 

私の場合は、言いたいことが意味通り伝わったかしら、とか、そんな心配をするレベルなのですが( ̄▽ ̄;)

英語の詩を読んで、言葉のニュアンスまで感じ取れたら素敵だな〜と思います。