汗をかかないー自律神経崩壊

副腎疲労症候群になって、症状や様々な機能に与える影響について学ぶ中で、一番驚いた事は、この病気が自律神経系を完全に乱してしまうということです。最初は信じられませんでした。

ある時、ドクターとのカウンセリングで体調を説明していた時、ドクターがさりげなく、と言うかサラッと「それは自律神経の問題ですね」と言ったのですが、その時に思った事を僕は今でも覚えています。「なに?僕はそんな病気になっているの?」その答えはもちろんイエスでした。僕はそんな病気になってしまっていたのです。

自立神経系が壊れてしまった状況を説明するのは、今でも困難です。 

nerve

ドクターによると、自律神経系は5つの系統に分けられます。

  • 交感神経系(PNS)
  • 副交感神経系(SNS)
  • 腸の機能を調節する腸神経系(ENS)
  • 発汗を調節する交感神経コリン作動性システム(SCS)
  • 副腎髄質ホルモン系(AHS)交感神経アドレナリン作動性システムとも呼ばれる

これらの5系統はすべて調和して機能する必要があります。そうでなければ、人のホメオスタシス(恒常性)が保てなくなります。

僕の場合は、もう4年以上もの間、恒常性がほとんどバラバラの感じでしたが、今ゆっくりと少しずつ改善されてきています。

人の体は70兆個を超える細胞で構成されており、健康状態を維持するには、各細胞がその恒常性を維持しなければならないことを教えてくれました。

恒常性を保つためには、細胞は老廃物を排泄し、細胞内の物のバランスをとるために新しい物質を取り込む必要があります。

この平衡状態がなければ、人の体は立ち上がったり、体温をキープしたり、心拍数を安定して刻むといった、非常に基本的な機能を実行できません。

このような働きは、人がまったく意識しないうちにすべて自律神経によって行われているのです。

以前のブログで、交感神経(PNC)と副交感神経(SNS)については書いたのですが、交感神経コリン作動性システム(SCS)については、まだ詳しい話をしていなかったと思います。

でも、このSCSは僕に大いに関係があります。汗をかくことに関してです。

sweating

一言でいうと、僕はとにかく汗かきでした。父親も同じで、いつも2人で汗をダラダラ垂らしていました。

額や首の後ろの汗をドリーに擦り付けて、気持ち悪がられていました。ちょうど10年前の2009年10月のある日までは。

それは、僕が歯の調整のマウスピースを1年ぶりに外した直後のことでした。いつものようにジムでウオーキングをしていたのですが、まったく汗が出ないことを変だな、と思い始めてすぐに頭がグルグル回り始め、激しいめまいで気持ち悪くなり、息も苦しくなってマシンから崩れ落ちるように倒れ込んでしまいました。

その時以来、僕の体は汗をかくことができなくなってしまいました。

汗をかくのには、2つの状況があります。

1.体温調節のための発汗

これが汗の一番重要な役割です。体温が上がった時に汗を出して熱を放出します。汗をかけないと体の中に熱がこもってしまい、最悪の場合には死に至ることもある位、発汗はとても重要な機能なのです。体温調節のための汗は、主に顔、胸、背中にかきます。

2.精神的な発汗

緊張した時や、不安に襲われた時、ドキドキした時に汗をかきますね。これは体温が上がったわけではなく、精神的な理由による汗です。主に、手のひら、足の裏、頭にかきます。

10年前に汗をかかなくなった当時、考えていたことは、50歳を超えて中年の域に入り、体が変化しているのだと思っていました。しかし、今振り返ってみると、あれは最初の警告サインの1つだったのだと思います。

もちろん、後から振り返って、あれがどうだった、とか、そうだったに違いない…などと言う事は簡単ですが、その時にはまったく副腎疲労など考えもしなかったのです。

この記事を書くことで、だれかが同じような状況になっている人のヒントになればと思います。

人は汗をかくのが普通です。正常な働きです。だから、なぜか汗をかかなくなった場合は、きっとなにか原因があるはずです。