トレーニング

【マッスルメモリー】筋肉の記憶機能って本当に存在するの?

マッスルメモリー?

直訳すると筋肉の記憶。

いったい何のことなんでしょうか?

「そもそも筋肉に記憶機能なんてあるわけないでしょう!」

「えっ?記憶できるの?」

この記事では、そんな「マッスルメモリー」の疑問について書いていきます。

目次

マッスルメモリーとは?

冒頭でも記していますが、マッスルメモリーとは……

筋・神経系の記憶情報

のことを指します。

どんな使い方であれ筋肉や運動神経は、ある動作や負荷に一度でも適応すれば、それに合わせて形状や性質に変化し、適応したその状態を記憶しているといわれます。

筋トレでサイズの大きくなった筋肉、一度習得した動作で使う筋肉など、どんな使い方あれ一度でも適応してしまえば、筋肉はその状況を忘れにくくなります。

分かりやすい例が、一度自転車に乗れるようになると、長期間乗らなかったとしても、またすぐに乗れるようになりますよね。

ウエイトトレーニングにおきかえると、一度でもベンチプレスで150kgを挙げたことがある人は、長期間ウエイトトレーニングをやめていたとしても、未経験者よりも圧倒的に早くまた150kgを挙げれるようになるということです。

マッスルメモリーのメカニズム

筋肉が太く発達するためには、タンパク質の合成が必要不可欠です。

ウエイトトレーニングを行うと、筋線維(筋細胞)の中でタンパク質の合成が促進されます。

その最初の起点は細胞核です。(下図参照)

筋線維

筋線維(筋細胞)↑

出典:プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第2版 坂井建雄 医学書院

この細胞核によって筋線維の体積をコントロールしています。

負荷が掛かれば、その負荷に対抗しようと、筋線維の体積を上げます(太くする)。

しかし、一つの細胞核のキャパシティ(核領域)には限度があり、ある程度まで体積が上がると、それ以上の上昇は無理です。

ここからさらに筋肉が太くなる為には、細胞核の数を増やさなければならないのです。

ちなみに、ウエイトトレーニングを行い一定の太さまで筋肥大した後に、さらに高強度のウエイトトレーニングを続けると、細胞核が増加することが研究により判明しています。

これはいいかえると、まず現状の核数でタンパク合成を頑張る。そして、その核数では手に負えなくなったときにはじめて核が増えるということです。

で、この増加した細胞核……

一度増えると、10~15年は維持されるといわれています。

(まだ仮説の段階らしいですが……)

これが「マッスルメモリー」といわれる所以です。

ウエイトトレーニングを中断して、見た目は細く痩せこけても、筋核の数は増加したままということ。

しかも10年以上です。

トレーニングを再開すれば、あっという間に元に戻ります。

ここで補足。

マッスルメモリー=筋肉の記憶と名付けられているので、忘れがちなのですが、前述でご紹介した自転車の話からも分かるように、筋肉に関わる諸器官(運動神経、関節、骨、呼吸器、循環器、内臓)すべてが、発達した筋肉に合わせて成長しています。

この諸器官たちも併せて記憶を持っているということも押さえておきましょう。

例えば、200kgのスクワットができるようになるということは、それを担ぐための骨・関節の強さ、その重さで動作するための呼吸・循環系の整備、栄養の運搬などに関わる内臓の強化などすべての条件が必要です。これらもあわせて適応しているので、一度覚えると身体は忘れません。

中断して、能力が落ちても、一旦再開すると、適応スピードがとても早いです。

逆に筋トレ初心者は、急いで負荷を上げてしまうと、呼吸器や循環器が出来上がってないので、酸欠になりやすかったり、関節や骨を痛めやすいといえます。慎重にトレーニングを進めなくてはいけません。

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筋肉は裏切らない!マッスルメモリーをいますぐ身に付けよう

筋肉は何歳になっても増えます。

これも研究によって明らかにされています。

「筋肉は裏切らない!!」というフレーズが流行っていますが、まさにその通りです。

いつはじめても、結果が返ってくるんです。

しかしながら、筋の核数の増加に関しては、若いときよりも増えずらくなります。

ということは、トレーニングを始めるなら”いますぐ”です!!

何事も挑戦するなら、即行動でお願いいたします(笑)。若い方が効率が良いのは間違いありません。

簡単に筋トレの効果を挙げておきます。

  • 姿勢の改善
  • ストレス解消(精神の健康維持)
  • 血行促進
  • 日常生活動作の向上
  • 慢性疾患の予防(骨粗鬆症、糖尿病、肥満など)

ひとことでいえば、QOL(生活の質)の向上が見込めます。

これだけの恩恵と必ず返ってくる効果を考えると、始めない手はないですね。

さいごに

マッスルメモリーを要約すると……

長年、鍛えている、またある特定の動作を繰り返していると、身体のあらゆる器官がそれを覚えている

ということです。

筋肉のテコ入れは早く着手すればするほどお得です。

慢性的な痛みや不調が起こる前にマッスルメモリーを起動させましょう。

すでに不調まみれの方も問題ありません。制限をかけながらでもできることからはじめるのが吉です。

ウエイトトレーニングは特にお勧めです。

MRGにおいても指導に力を入れています。是非ご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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ABOUT ME
パーソナルトレーナー
相馬達也
「ウエイトトレーニングと鍼灸マッサージで日本を元気に!」を天に与えられた使命として日々試行錯誤しているパーソナルトレーナーです。1児の父でもあります。身体のことならお任せください。
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