1ヶ月前に、書くのをためらったバカバカしい話。
しかし、ブログネタがなくなったので、恥ずかしげもなく今回載せることにした。
SNSの意見なんて、少数派ですよ、そんな、どうでもいいことを1ヶ月前の同業者との飲み会で語ったことがあった。
有名人が悪さをして逮捕されたことに関して、「一般の会社なら即刻クビだよ。あの世界は甘いからな。しばらくしたら、簡単に復帰するんじゃないの。バカにしてるよ」とカマタさんが、憤懣やるかたなしという芝居がかった顔で言ったのだ。
そして、「SNSを見てごらんよ。みんな怒っているだろ」とも言った。
しかし、逮捕されたと言っても、まだ「容疑者」ですからね。判決が確定するまでは「推定無罪」だから、服務規程や会社の約款に「逮捕即解雇」と書いていない限り、「職業の自由」は、尊重されるはずですが。
私が、そう言うと「ほらまたMさんの屁理屈が始まった。みんなの意見を聞きなさいよ。SNSをよーく見てみな」と言われた。
通称「ハゲ増し軍団」が、2度うなずいた。
どうやら、カマタさんたちは、SNS信者のようだ。
そうは言いますけどね、インターネットは使い方によっては、広い世界に我々を導いてくれる優れものだが、SNS限定で考えると、とても狭い世界だと俺は思いますよ。
あれは、同好会の繋がりみたいなもので、「同好の士」の意見を尊重しすぎる嫌いがあると、私は思っているんですよ。
例えば、「炎上」というのがある。同じ意見、同じ価値観を持った人が、自分とは違う意見を持った人を叩く。
その事案が炎上したから、それは注目されていると捉える人がいるかもしれないが、「炎上勢力」のご意見は、全てに蔓延しているわけではない。その人たちだけの間で、同期しているに過ぎない。
聞いてみたことがありますか? 周りの人にぜひ聞いてみてください。私は、およそ30人以上の人に聞いてみたのですが、SNSやインターネットで、他人の意見を炎上させたり、同調して炎上意見に乗った人は、私の周りには1人もいなかった。
娘にも聞いてみた。娘は顔が広いので、色々な人に聞いてみたらしい。
「炎上に乗っかった人なんて、いないよ。1人もいない」
さらに、息子に聞いても、「いないなあ」と言っていた。
ただ、炎上とは違うが、ヨメの知り合いで2年前、勤務先が倒産して、失業保険で生活していたとき、やることが見当たらなくて、Yahooのアカウントを何個もとって、毎日コメント欄に否定的なコメントを100件以上投稿した人がいたらしい。
その人は、その後パート先を見つけたので、今はコメントを投稿するのは日曜限定にしたという。
SNSは、ときにいい情報源になりうる優れものだが、その道具を凶器に変える人がまれにいる。
だが、そんな人は、ごく少数だ。
インターネットのご意見は、少数派の集合体だ。決して、多数派ではない。
「少数派の意見の裏には、何十倍もの同じ意見が隠れている」という考え方は、インターネットに関しては、あまり当たっていない。
例えば、アンケートで二千人の人に意見を聞いて、賛同意見が30%ありましたという場合は、誤差はあっても、統計学上それに近い意見が同程度あると想像できる。
しかし、インターネット内で、年齢も性別も地域も特定されていない状態での無作為の悪意ある意見は、その同意の人数が予測しづらい。1つのアカウント イコール 1と数えるのは危険だ。正確さがない。
たとえ100万人のアカウントが「けしからん」と言ったとしても、それが、本当に100万人なのかは判別がしづらい。
それに、100万人というと大多数に思えるかもしれないが、何千万人もいるインターネット人口の中の100万人は、実は少数派だ。
その少数意見をゲスなマスメディア、ゲスゲスな記者が、「大炎上」と煽り、メシのタネにする。
その図式を肯定する人は、価値観がそうなのだから、私は否定しない。私と違う価値観を持った人は、少数派多数派に限らず、沢山いる。そのことは、私も理解している。
しかしね、カマタさん。
「SNSで、みんな怒っているから、おまえも同じように怒れよ」という、そもそもの根拠が、俺には、わからないんだよな。
SNSって、個人的なもんだろ。あんたが怒るのは、自由さ。いくらでも怒ればいい。
でも、俺は、あんたとは違う。そんなことで怒るほど、俺は沸点が低くねえんだ。
あんたが好きな自民党が選挙に勝つことは俺の本意ではないが、自民党が多数派を占めたとしても、俺は我慢するよ。
あんたが好きなジャイアンツが優勝したとしても、アンチジャイアンツの俺は我慢する。
余計な文句は言わねえ。拍手をしてもいい。
だが、あんたらの個人的な感想なんて、俺には関係ねえんだよ!
俳優やミュージシャンが逮捕されたから、怒れって? SNSでみんな怒っているから怒れって?
SNSって、なんだよ! みんなって、いったい誰のことだよ! みんな名無しじゃねえか!
俺には、まるで、大きな池にできた小さな波紋を、無理やり、「あー、でっけえな!」「ワッショイ、ワッショイ!」と騒ぎ立てているようにしか見えないな。
あんた、祭りがしたいだけだろ! 祭りに乗り遅れるのが怖いだけだろ!
あんたの祭りに、俺を巻き込むんじゃねえよ!
「Mさん、珍しく酔いましたか?」
メンバーの中で最年長のオオサワさんが、私の上着の袖を強く引いて、たしなめた。
いえ、生ビール3杯くらいの量で俺が酔わないのは、オオサワさんもご存知でしょう。
俺は、最近、「エンジョウ」という言葉に敏感なんです。
なぜかって?
俺が、自分の娘と同じくらい愛おしく思っている娘のお友だちのミーちゃんが、令和元年の秋に結婚するんです。
その相手の名前が「円城(屋号)」って言うんですよ。
これが、冷静でいられますか!
いったい「エンジョウ」のどこが面白いっていうんだ!!
そんな風に吠えていたら、人類史上最も馬に激似の「お馬さん」が、私の肩を叩いて言った。
「Mさん、エンジョウイ(enjoy)してますか?
「お馬さん」のダジャレ!