余ったところから足りないところへお金を回すのが金融。
その中心が銀行なのです。
目次
余ったお金を貸し付ける
金融とは、読んで字のごとく、お金の足りないところにお金を融通することです。
一国の経済主体には、家計、企業、政府の三つがあり、その間でお金が回って、経済が成り立っています。
ただし、お金はいつも必要なところに必要なだけ行き渡っているとは限りません。
むしろ、こちらではお金が余ったり、あちらではお金が足りなかったりするのが普通です。
両社の仲立ちをして余ったところから足りないところにお金を回す行為を金融といいます。
金融を担う組織が金融機関です。
金融機関には証券会社や保険会社も含まれますが、中心になるのは銀行です。
銀行はお金の余った家計や企業から幅広く預金を集めて、それをお金の足りない家計や企業に貸し付けることができます。
家計も企業も、借金をしないで必要なお金をすべて手持ち資金でまかなうのはとても大変です。
例えば家を建てるにしても、何十年も働いてお金を貯めた後でないと建てられないとなると、家を建てる人はあまりいなくなってしまうだろう。
同じように、企業が生産拡大のために工場を建てようとしても、借金ができないと何年も待ってなくてはならない。それでは、せっかくのビジネスチャンスを逃してします。
金融で通貨が増える
AさんがX銀行に、100万円を預金したとします。
X銀行はそのうち90万円をBさんに貸し付けて、Bさんはそれで自動車を購入しました。
90万円はBさんに自動車を販売したディーラーに支払われます。
ディーラーは取引しているY銀行にその90万円を預金します。
この時点で、最初のAさんの100蔓延の預金がもとになって合計190万円が銀行に預金されることになります。
さらにY銀行はその90万円を元手にしてどこかに貸し付けることができますから、預金の合計はさらに増えていく可能性があります。
このように、銀行の金融によって、市場で流通する通貨が増えることを「信用創造」といいます。
「信用創造」が活発に行われているときは、景気が良いと言えます。
銀行がどこかにお金を貸すときは、きちんと返してもらえるかどうかを慎重に審査します。
そして普通は、例えば5000万円の土地を担保にして銀行からお金を借りようとしても、5000万円よりずっと少ない金額しか借りられない。
それは土地は値下がりすることもあるからなのです。
ところがバブル経済の時は、土地の値段がうなぎ登りでしたので、銀行もつい調子に乗って、将来の値上がりを見越して5000万円の土地に6000万円を貸すようなことをしていました。
だからバブルがはじけた後、貸したお金を返してもらえなくなって銀行は不良債権の山を抱えてしまったのです。
大手銀行が一時国有化されたり合弁に追い込まれたりしたのはそのためです。
銀行の経営が苦しくなると、あまりお金を貸せなくなるので、経済全体も落ち込んでしますのです。
ですから銀行には堅実経営をしてもらわなくてはならないのです。
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