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決定率を極大値にする

第六の要諦: 『クロージング』



営業プロセスの最後はクロージングです。
(※ここでのクロージングの定義は、「相手に契約書にサインをさせる」為に行う作業の事を指しています)
クロージングはそんなに難しくないです。なぜかというとこの時点では、もう申し込むかどうかは大体決まっているからです。
ですので、大事な事は取りこぼさないという事です。

( 前の要諦:『商品説明』


クロージングの前提としまして、即決(後日返事などではなく、その場で契約書にサインをもらう)を心がけて下さい。

ただ、後日返事にしたほうが良い場合も稀にありますが、その判断は難しいですし、後日返事にしたほうが良い場合というのは殆ど無いので、やはり常に即決するという事を心がけるべきです。

それでは、

クロージングのやり方についてですがクロージングは前半と後半に分かれます。
  • 前半… 既存客の感想。
  • 後半… 契約書にサインをさせる。

前半… 既存客の感想

まずは既存客の感想ですが、ここまで順調に商談が進んで来ていれば後はどうやって相手の背中を押してあげるかだけです。お客様の背中を押す為に既存客の感想が有効的です。前の要諦の『商品説明』でも、相手に購入後に使っている良いイメージをさせましたが、更に実際使っているお客様がどの様に言っているかを伝えてより購入後のイメージを鮮明なものにさせます。
「購入後はこんな風に使っています」「こんな良い思いをしていますよ」というような事を、実際に既存のお客様が喋っていたフレーズを使って相手に伝えます。

その為にも実際に既存のお客様の声が必要なので、それを集めておかなければなりません。会社に既存客の感想を集めてもらうように要望をしても良いでしょうし、簡単に既存客の声を集めたければ上司や先輩などから教えてもらうのも良いでしょう。それでも既存客の声を集められないのであれば、ご自分で想像して概ねこうであろうというストーリーを考えるのもひとつです。ただ、ご自分で作ったストーリーは、信憑性がかなり薄いストーリーが出来上がる事が多いのでその点に注意して下さい。


ちなみに既存客の感想は、「良い事だけ」を集めて下さい。販売しようとしている商品やサービスを使って「悪かった事」は、クロージングで使う既存客の感想を集める時に関しては、耳を傾けないようにしたほうが良いです。とにかく「使って良かった事」「喜びの感想」などを集めて下さい。

集まった喜びの感想の中から2つほど特に良い感想を選び、それを商談のクロージングで活用します。

では、実際にクロージングで「既存客の感想」を伝える場面ですが、実際に既存客が喋っているかのように声や表情に気持ちを込めて、目の前の相手に伝えて下さい。

ここで既存客の感想を小さな声で自信無く伝えてしまうと、せっかく事実を伝えているのに、「本当にそんな事有るの?」と相手に疑問を持たれてしまいます。相手に信じてもらえなければ意味が無いのです。営業マンの喋り方で、相手にどのように伝わり感じてもらえるかは大きく変わりますので、この事も良く分かっておいて下さい。


後半… 契約書にサインをさせる

ここまで商談が来たので有れば、後はもう契約書にサインをさせるだけです。ここを終わらせる事までが営業マンの商談での仕事となります。中途半端に終わらせてはいけません。

契約書にサインをさせる時に意識しなければいけない事は次の通りです。

  • 即決する決意
  • 熱意
  • 当たり前に
それぞれについて解説致します。


■ 即決する決意

先ほどでも述べましたが、クロージングでは即決が基本です。なぜ即決なのかというと、後日返事などにしてしまうと契約の確立がかなり下がってしまうからです。
商談から日数が経てば経つほど商品やサービスの良さや必要性の事はお客様の記憶から薄れていき、お金を使うという罪悪感が勝っていき、もう目の前には契約を促す営業マンはいませんから最終的にお客様はお金を使わないという事を正当化します。
その場で契約するという事は、お客様の熱(欲しいという思い)が一番高まっていますので契約の決定率が一番高いですし、契約書にサインをしてしまえば今度はお客様は契約した事を正当化しようという思考になっていきます。

以上の事から即決で契約するという事が、決定率を極大化する為に絶対不可欠なわけです。

ただ、即決させるというのは中には簡単にできる営業マンもいらっしゃいますが、営業初心者のかたで有れば尚更ですが、しようと思って簡単にできる事ではないんです。
だからこそ即決から逃げない為にも「必ず即決で!」という強い決意が必要なんです。即決を迫れるかどうかは、営業マンの気持ち次第という時が殆どです。「即決を迫るか」「即決から逃げるか」は自分自身の意思で決めているのです。どんなに相手が決断を先送りにしようとしてきても、営業マンは「この場で白黒つける」という強い意志を貫き通さなければいけません。
絶対に即決をすると決断をしたほうが、営業マンのメリットも大きいのです。


■ 熱意
ではどのようにして即決を迫るかという事ですが、基本的な考え方は「相手の為に」です。当然の事ですが、営業マンはお客様の為に商品やサービスをお勧めしなければいけません。営業マンが得をする為に契約をしようと思うお客様は、いらっしゃらないというのは言うまでもありませんが。

「この商品はどのように役に立つのか」「お客様や、お客様の家族の生活がどのように良くなるのか」などを、全神経を集中させて熱心にお客様に訴えかけるのです。
この熱意がお客様の心を動かし、契約をしようという踏ん切りをつけさせます。営業マンの熱い心が、お客様の心を熱くさせます。

これができるようになりますと、即決で契約する事が苦ではなくなると思います。


■ 当たり前に
お客様の踏ん切りがついたのであれば、後は契約書にサインをしてもらうだけです。契約書にサインをしてもらうだけなのですが、ここで失敗してしまうと全てが水の泡となって台無しになってしまう可能性が有ります。

失敗というのは、お客様に警戒をさせてしまう事です。営業マンがオドオドしたり、逆に浮かれてしまったり。このような態度を見せてしまうと注意深いお客様は「本当に契約しても大丈夫なのだろうか?」などと、ここで思ってしまいます。もしお客様がこう考えてしまったら、更にマイナスな方向にどんどん思考がめぐっていきます。こうなってしまっては後の祭りです。ここからの挽回は至難の業なので、是非ともここまで来てお客様を警戒させるような事は絶対避けましょう。

その為に「当たり前に」振る舞うという行為が必要になります。平常心で当たり前に振る舞い、契約書を机の上に置き、お客様の手元に向けてボールペンを差し出します。ボールペンをお渡したら、軽く一言「それではこちらへ」と言いながら契約書の名前を記入する欄に向けて、こちらの手の先を指し示します。

以上が即決営業です。


番外編
ちなみに営業マンで困っているかたが多い、お客様の決断先延ばしの文句で「家族に相談します」についての対処法を付け加えておきます。
これを言われても、すんなり受け入れるのはNGです。

ではどうすれば良いのかと言いますと、
①「本当なのか?」→②「あなたはどうなのか?」という2つを確認して下さい。

①を確認する為に、「例えばですが、本日、奥様(目の前の人の事)がお申し込みをしたとしたら、他のご家族様からの反対はございますでしょうか?」というような質問をして下さい。誰も反対するご家族がいらっしゃらないようで有れば、そのまま即決をする事ができす。

②を確認する為に、「ご家族様の事は一旦おいておきまして、奥様(目の前の人の事)としてはこちらの商品をご購入しても良いかなと思われますでしょうか?」などと質問します。ここでやる事は、とにかく今商談している目の前の人がどう思っているのかをまず聞くという事です。これを聞き出すと、お客様がストレートに断りづらいから、建前の断わりで家族を持ち出しているだけという事が分かる場合が有ります。

以上の2つの事を確認して、無駄の無いクロージングを行ってもらえたらと思います。


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