ウジェーヌ・ボックの肖像 ファン・ゴッホ



オランダのポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホの作品です。
ゴッホは本作品について「彼(ウジェーヌ・ボック)はダンテを思わせるような風貌の持ち主で、オラニエ公ウィレム1世時代のフランドルの紳士貴族を連想させる。彼が親切な男でも誰も驚かないだろう。そして彼は無限の空間の中に輝く蒼白い星の神秘的な光に包まれるのだ。」と述べています。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作はゴッホが南フランスのアルル滞在時に弟テオを通じて知り合ったベルギー出身の職業画家兼詩人でもあった、ウジェーヌ・ボックを描いた作品です。
画面中央にウジェーヌ・ボックの顔面が配され、その視線は別の何かを見ているようです。背景には、夜空の星々を思わせるような深い青色の中へ白色の点を散りばめ、夢想家としてのウジェーヌ・ボックを強調しています。
またウジェーヌ・ボックが身に着ける衣服は当時としては近代的であり、黄色実を帯びた上着や差し色的な赤色と緑色のタイは背景の色彩と調和しています。
色彩の対比と象徴性は、他の画家の肖像画作品には見られない野心的な取り組みで、ゴッホの絵画的独自性が表れています。
オルセー美術館所蔵。
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