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「学術会議任命拒否問題 野党合同ヒアリング」まとめ #8

10月22日第8回「学術会議任命拒否問題 野党合同ヒアリング」から、ポイントをピックアップする。

 

まずは1点目。
10月21日、スガ首相はベトナム・インドネシア外遊を終え帰国の途に就く直前にジャカルタで会見もどき(音読会)を開いた。
そこで日本のマスコミの記者から学術会議任命拒否について、その理由を尋ねる質問があり、スガ首相は次のように答えた。

 

現在の会員が後任を推薦することも可能な仕組みになっていると聞いている。こうしたことを考え、推薦された方々がそのまま任命をされてきた前例踏襲をしてよいのか考えた結果だ」

 

学術会議には、210人の会員と約2000人の連携会員がいて、それぞれが推薦できるシステムになっている。
つまり学術会議から官邸に上げる推薦リスト105人を選ぶための工程における、学術会議内での被推薦者は最初は1000人超になるのが通常なのであり、スガ首相が言うような、前任者が後任者を指名して引継ぎをするという類のものではない。

 

しかも「聞いている」という伝聞形式になっているが、これはスガ首相がフリーハンドで記者の質問に答えたわけではない。
準備されたペーパーを記者と首相で読み合う「音読会」だ。
事前に他人が書いたペーパーに、事実とは異なる内容があり、さらに語尾に「・・と聞いている」と結んでいるのは、どういう視点で書かれた原稿なのか?

 

2点目がなかなか重要。
これは間もなく始まる臨時国会の議論でキモになる可能性もある。

 

2018年11月13日に内閣府日本学術会議事務局が作成した内部文書に関して。
これは内閣府内にある日本学術会議事務局が、任命を拒否をするにあたってこれが、「推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」に対して合法であるか否かを、内閣法制局に合議をかけた際のもの。
役所だから、こういうやり取りも当然書面で行われるわけだが、その文書の存否すら役人は答えられないでいる。

 

役人(学術会議事務局企画課長)によれば、「この文書につきましては、当時の担当者が作成しまして、事務局長まで了解を得たものと承知している。」とのことだが、黒岩議員がこれに対して「事務局長に上がるまではどういう決裁ラインだったのか」と尋ねると、「口頭での了解なので決裁文書はない」と役人。

 

でたよ。
また口頭決裁だ。

 

森友、加計、桜を見る会、それぞれ別のスキャンダル事件だが、根幹で共通しているのは、常に公文書のあり方だ。
今回の任命拒否も、また公文書の問題に着地することになった。
「105人よりも多い人数の推薦者を出してくれ」、要するにコチラ(官邸)で選別するから、ということだが、事務局は最初にこういう要求を出したという。
この要求を内閣から学術会議に出すことは、学術会議法に則っているのか、いないのか、その法的整理を内閣法制局と合議するために、事務局の下っ端が文書を作成し、途中の決裁を通過しながら事務局長まで上げられた。
その決裁ラインがどういうものだったのか、文書を見せろというのが、野党議員らの要求だ。
それに事務局は答えられないでいる。
そんなにマズいことが書いてあるのだろうか?
欄外に「取注※杉田案件」とか?

 

≪政府がどう考え、いかに対応したかを検証し、教訓を得るために、政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為であり…≫

 

というくだりを、自著の「政治家の覚悟」総理になって再出版する改訂版からバッサリ削除したというスガ首相だが、これはある意味スガ氏の「所信表明」でもあるのかもしれない。

公文書は徹底的に隠ぺいします。

 

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