スポンサーリンク

港湾労組がストで訴える「大幅賃上げ」とは

全国港湾労働組合連合会、略して「港湾労組」という団体がストライキを決行中だ。
この「港湾労組」が、業界団体である「日本港運協会」に対して、定年延長、年金の充実、最低賃金を巡って抗議中なのである。
ストライキは14日~15日にかけて48時間行われ、平日の決行は、1997年以来22年ぶりという。
「日本港運協会」が交渉に応じない場合、GW中に再びストライキの決行も辞さない構えだ。

どんどんヤレ、と煽りたい。
GW中などと遠慮したことを言わないで、平日にガンガンやればいい。
ストなんて、それで社会に「迷惑」がかからないと、そもそも意味がないのだ。

労働待遇とは、手のひらを雇用者に押し頂いて、授受されるものではない。
これでは物乞いに等しい。
自ら手を伸ばして、つかみ取らなければならない。
日本人は、そういう大事なことを忘れてしまっているように思う。

強いはずの大手企業経営者が束になって政治家に働きかける、「経団連」という団体があるのだから、弱い労働者の一人一人が力を合わせて経営者や業界団体を圧力をかけるくらい、あって当然だ。

彼らは決して無茶な要求をしているわけではない。

全国の港湾労働者が加入する全国港湾労働組合連合会は、大幅な賃上げなどを求めて14日から48時間のストライキに入った。(2019年4月15日日経)

こんな風に記事に書かれていたので、どれほど「大幅」なのか、港湾労組のサイトで調べてみた。

最低賃金 日額6、310円(7時間労働)、月額157、600円
最低賃金 日額6、250円(7時間労働)、月額156、300円

港の種類により、2つの最低賃金が設定されているという。
まず、金額を見てほしい。
これは、首都圏で生活を送れるレベルだろうか?

そして、この金額から「大幅」に要求している賃上げとはいくらなのか。

日額8、380円、月額176、000円

全然高くない。
確かに、月額にして18,400円の賃上げは大幅と言えるかもしれないが、いかんせん、元が低すぎる。
この低さで、2016年から賃金交渉が、雇用者側からほぼ無視されている状態というのは、あまりに酷だ。

運輸業界というのは、主にメーカーから出来上がった製品を受け取り輸送するのが仕事なので、コストカットの圧力を受けやすい。
賃金が低いのは、港湾労働者に限ってのことではない。
産業構造的に、「下請け」的立場になりやすい業界なのだ。
この港湾労働者の活動が、他の運輸業界にも広がれば、世の中は変わるだろう。

「ストライキ決行」という言葉を、本当に久しぶりに聞いた。
最後に聞いたのは、いつだろうか。
国鉄時代かもしれない。
多くのサラリーマンが、スーツ姿で線路上を都心に向かって歩いて行くニュース映像が、今でも脳裏に浮かぶ。
こんな光景は、イマドキの人には想像もできないだろう。

労働者が当たり前のように、その労働環境や条件について、雇用側と同じ目線の高さで交渉できる、そんな世の中になれば、日本はもっと生きやすい国になるのではないだろうか。

にほんブログ村 政治ブログへ