「ミセン -未生- 」視聴の感想
十数年前、「私の名前はキム・サムスン」に始まった私の韓ドラ好きの歴史ですが・・・
「ミセン -未生-」・・・
これまで視聴してきた韓国ドラマの中で1番良かったと言えるかもしれない。
主演はイム・シワン君、ZE:Aのシワンだったのね・・・
こんな顔してたっけ?と昔を思い出しCDを引っ張り出してみた(笑)
思いのほか背が高くなく、そこがまた役柄に効果的だったとも思える。
個人的にはお顔がジン(BTS)に似ているなぁと思うこともあった。
脇を固める俳優陣も魅力的で、
1つのドラマを作り上げるに当たっては、そここそ重要なのだなと気づかされる。
特に上司役イ・ソンミンさん・・・私もあなたの下で働きたかった(笑)
同期のメンバーがこれまた・・・あんな同期が欲しかった(笑)
未生(ミセン)というのは韓国の囲碁用語だそうで、
”死んでもなく生きてもない石”という弱い石のことらしい。
そのことから、”困難があっても諦めなければチャンスは廻ってくる”というメッセージが込められているそうな。
日本でいう将棋の駒の”歩”に似ているのかな?
歩はそのものの働きは一番小さいけれど、終盤に歩1つ無くて負けることもあり、使い方次第で大きな戦力になることもある。とても重要な駒だもの。
ん~~ちょっと違うか・・・?(笑)
話を戻しまして・・・
ドラマの中で語られるいちいち心に刺さる言葉・・・
「僕は大人だ」と主張しても大人にはなれない
やるべきことができなくちゃ
やるべきことが出来てないかもしれない大人の私にグサッ・・・^^;
誰にでも自分だけの囲碁がある
≒誰でも自分なりの戦略、戦い方、進め方(進み方)を持っている
等など、書ききれない覚えきれない名言をのっけから贅沢に使ってくるドラマである。
誰かの言葉を使えば、「名言の宝石箱や~~」とでも・・・( *´艸`)
人として勇気や力をもらえるドラマ・・・
企業戦士は皆こんなんだろうか?
仕事=戦い・・・という事ばかりではないけれど、その要素はいたる所にある。
自分はこのドラマのような世界を知らないので想像するしかないけれど・・・。
昔、街でスーツを着て颯爽と歩いている人を見ると、無性に応援したくなったものだ。
ある意味、スーツが戦闘服に見えていたのかもしれない・・・
ただ、自分はその中に入って戦おうとは思わなかったし、できないと思った。
勝ちたければ体を作れ 自分の悩みに耐えられる体を
体力がなくては精神力は発揮できない
会社というのは、人として会社のために正しいことをしても、
それが会社全体において良いこととは限らない。
むしろ正しいことが正しくない扱いを受けたりもする。
何とも複雑な組織であるようだ・・・
会社に来てゲームをすると抜け出せなくなる ただ仕事をすれば良い
ゲームとは、会社内での自分の立場を守る駆け引きのようなものかと。
時々社内で起こる言い争いのような意見のぶつけ合いが私は好きだ。
自分の意見を堂々と言え、相手もまたそれに対し意見を返す。
そうして中身のある議論は成立する訳で・・・。
私はリアルな世界では実に日本人的で、よほどでなければ自分の意見を通そうとはしない。(もちろん例外はある)
忖度というか人を優先させるところがあるので、自信をもって意見しているシーンを見ると羨ましく心地よい。
そして、自分もそうであらねばなぁ~と反省するのであった^^;
韓ドラでは屋上のシーンがよく出てくる。
そこでは画面のこちら側からも下界に広がる景色や夜景を見下ろせる。
それも私は好き。
そういう風景の映像もドラマに良い効果を与えていると思う。
最近・・・身近に働く女性の存在が多くあり、彼女らのやり取りを垣間見る機会があった。
出産の折に仕事を辞めて以来‥家庭の事を主にやってきた自分とは明らかに違い、子育てと仕事の両立に苦悩しながらも凛として自分の道をしっかり歩んでいる。
そんな女性の姿が羨ましく眩しくて・・・未生のソン次長を思い出す。
時々ドラマの中に出てくるような意見の交換が目の前で繰り広げられたが、それぞれ臆することなく自分の主張をする。
なんか感動した・・・
これまでに色んな困難があったと思うけれど‥働き続けてきた女性の強さを目の当たりにして、立場こそ違うけれど力をもらった・・・
ドラマに話を戻しまして、
シワン君演じるチャン・グレは契約社員である。
他の同期3人は正社員である。
そんな社内格差からグレの理不尽な立場に胸が痛むことも多い。
でもこれが現実の世間でも一般的なのかもしれない・・・
人生はある程度やり直しができると思うけれど、時は常に過ぎていくわけで・・・
ある一定の年齢でしか経験や選択できない事も多くある。
過ぎてみて”あーあの時・・・”と惜しんでみても、時間が元に戻ってくれることはない。
若い時にそれなりに必死に生きて、悩んで決めてきたつもりでも、振り返る年齢になってみると・・・
もう少し違う選択ができなかったかな?と後悔したりもする。
そして、時の大切さを改めて思い知らされるのだ。
グレ君も取り戻せない時間が多くあったが、その費やした時間こそが彼の糧になって今に生きていることも間違いない。
彼のように培ってきた事を糧に、耐えて真っすぐ生きていったら、道は開けるのかもしれないね。
人生は誰に出会うかで変わる
ドラマも終盤の17話が私は大好きだ。
昇進や社内政治・・・会社に勤めている限り常に付きまとう。
そんな中でも同期という存在は大きい。
言いたいことを言い合え、気のおけない仲間たち・・・ある意味戦友である。
そんな彼らの連帯感が世代別に描かれている。
それが何とも心地よく微笑ましい。
お互いがライバルではあるけれど、お互いの立場を理解できるのも同期なのではないだろうか。
オ次長の隠し撮りした写真がグッジョブです^^
他の事は思い通りにいかない 自分のすべきことを考えるの
シンプルだけどあらゆる事に近道な思考だと気づかされる。
ドラマ:プロデューサーの中で語られていたロバート・フロストの「The road not taken」(選ばれざる道)の話がここでも出てくる。
フロストのこのアイロニーに満ちた諦観の詩が私には刺さる(笑)
他にも魯迅のあるとも無いとも言えない希望や道の話などにも触れられてたり・・・
哲学的に考えさせられることが多かった。
前へ進めない道は道ではない
道は皆に開かれているが 皆が持てる訳ではない
ドラマは最終盤へ・・・
会社を辞める選択をした人、会社に残る選択をした人・・・
それぞれの目指す場所・・・自分の前にある道に進むための選択だった。
人生は選択の連続である。
何を選ぶかは自由だが、その時に選べる選択肢は、
自分がそれまでに何を選択してきたかによって決まる。
↓ このOSTがハマる(笑)ドラマの終わりに味わい深いい・・・サラリーマンの悲哀を感じる。
思うに”未生”は「道」というものがテーマではなかろうか、
そして、その道を進むのが一人なのかそうじゃないのか誰となのか・・・
チャン・グレという青年を通して見ていると、人間が根底に求めるものが見えてくるような気がした。
ラストに登場人物の時間の流れを巻き戻すことで、”あの時の二人”の接点を演出している。
最後まで綿密にまとまっていた。ブラボー!
正直、スタッフの写真がBGMと共に流れ出して・・・またこの終わり方か・・・と、少し残念な気もしていた。
邪魔にはならないような紹介の仕方だったけれど、私としてはその写真がドラマの中での色んなシーンだったら全て完璧だったと思う。
視聴者もそこで思い出しながら余韻に浸れるもの・・・
ともあれ、ドラマ「ミセン -未生-」視聴の価値は大有りです ^^) _
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忘れたからといって 夢じゃなくなるわけではない
見えないからといって 道じゃないわけではない
この先に続く言葉を自分で考えてみるのも良さそーだ。
今日はこの辺で。
※それこそ長文をここまでお読みくださり有難うございました^^