完全犯罪という言葉がありますが、この完全犯罪を目指すには証拠を隠滅し、その痕跡を完全になくす必要があります。例えば強盗の場合、痕跡を完全になくすことは難しいですが、遺留物をできる限り残さなければ逃げ切ることは可能です。交通事故で完全犯罪が難しいのは、痕跡、遺留物共に豊富にあるからで、地道な捜査を行えば、犯人は見つかります。このように痕跡や遺留物を残さないことがポイントになりますが、横領はその点で完全犯罪が難しいです。
最大の理由は、お金がかかわっている点です。例えば1000万円を横領したとします。すると、1000万円が明らかに会社の帳簿から消えており、急に調査を行えば、1000万円が足りなくなっていることは明らかにわかります。横領したお金を持ち去ろうとしたって、すぐにその事実は分かるわけですから、完全犯罪は難しく、海外に出れば時効は停止するので、非常に難しいです。
だからこそ、横領なんて犯罪はハイリスクなわけですが、それでも頻繁に横領事件は発覚します。結局のところ、絶対にバレないという過信だけでなく、もはや抜け出すことのできない底なし沼にハマっているからであり、バレて安堵する人が多いのはそのためです。