あの人がゆくんじゃ わたしはゆかない
あの人がゆくなら わたしもゆく
あの人 あの人 わたしはどっちのあの人か?
相田みつを
【敬うと尊ぶ、ニュアンスの微妙の巻】
■A5判一枚にまとめた「囲碁のマナー」。
最後に書かれたシメの言葉が
目にとまりましたでしょうか。
全てはここから発しています。
永久不滅の憲法のようなものです。
といっても、軽重の判断は個別項目にあり、
厳守すべき事柄と、さほどではない事柄を
峻別しておくことが肝要でありましょう。
■「敬う」について
広辞苑は「相手を尊んで礼をつくす」。
大辞林は「人や神仏を尊いものと考え、それを行動や態度に表す」。
後者は、少し踏み込んで説明しています。
そう「行動や態度に表す」ことが肝要なのです。
でないと、相手に伝わりません。
前回投稿で書いた“四段”さんは
下手を「軽んじていた」「与しやすしとみていた」
と解釈できるでしょう。わたしは年下・格下ですから。
■「敬う」の対象はおおむね、高位のもの、上位のもの、です。
一方、類語に「尊ぶ」があります。
対象の価値を認めて大切にする、の意です。
「神や祖先を尊ぶ」のほかにも、
「各人の自由意志を尊ぶ」「拙速を尊ぶ」
といったように幅広く、抽象的概念にも用いられます。
もう一度、申し上げますが
最後に書かれたシメの言葉を
大いに支持するところです。
ただ、わたしの中では、
どちらかと言えば「尊ぶ」の心持ちが強い、
とだけ申し添えておきます。