南海キャンディーズの山ちゃんとの結婚で、今週大いに話題になった蒼井優。
幸せそうな顔を見て、こちらもうれしくなったけど、なんと言っても彼女の仕事、つまりお芝居は強く惹きつけられるものがある。
中でも個人的に心惹かれたのは、『ガリレオ』シーズン2にゲスト出演したときの演技。
それは、「演技る」という副題だった8話。
彼女が演じたのは、人気劇団の代表の駒田良介が密室で殺された事件の犯人である、その劇団の看板女優・神原敦子。
「雰囲気だけの演技が嫌」という理由(それも付き合っていた駒田から言われていたせいみたいだけど)で、ICレコーダーを持ち歩き、人との会話を録音する。
そこから相手の人柄を分析して、演技に役立てる……という自分の体験に基づいた演技を理想としているキャラクター。
だから、プライドが高く、気が強いけど、物事の表面しか見ないという岸谷(吉高由里子)に対しては簡単に自分が犯人だとわかるわけないと思ってか、交際していた好きな相手を殺すことなんてできない弱い女性を演じきって、裏で赤い舌を出していた。
一方、密室殺人のトリックにしか興味がないと言いながら、犯人について鋭い指摘をしてくる湯川(福山雅治)に対しては、警戒心を強める。その半面、彼に追い詰められてドキドキヒヤヒヤする感情が、演技でも役立てるのではないかと喜んでいる一面も……。
そんな彼女もやっぱり湯川によってトリックが明かされて、犯人だとわかるんだけど、そこの演技が本当に圧巻で!
自分が殺人を犯すわけないというふりをして、事件があった駒田のマンションで湯川がトリックを検証するのに敦子は付き合わされるも、結局、実証されてしまったことで観念する彼女。
そこから独白がはじまり、殺人したときの感覚さえも女優として演技の糧になるとうれしそうに語る。
その表情は、自分にしか感じ得なかった殺人の感覚を再現した演技が今後できるかもしれない……という期待に満ちた笑顔あふれた表情の一方、絶対暴けないと思っていた密室のトリックを明かされてしまったことへのガッカリ感と、殺人への罪悪感とで涙をいっぱいこぼす表情。
演技のためなら何でもしてしまう狂気さえもはらんだ“敦子”というキャラクターを、笑いと涙という相反する2つの感情を同時に表出させることで表現するという……。
とてもテレビドラマのゲスト登場だけの出演とは思えない緻密さで演じきっていた姿を見て、蒼井優の演技力に、本当に本当に胸を打たれた!
映画『るろうに剣心』の高荷恵役も
ドラマ『ハロー張りネズミ』の霊媒師・河合節子役も好きだったけど……、
個人的にはこの『ガリレオ』の神原敦子がピカイチ!
機会があったら、ぜひ、ぜひ、ぜひ!見てほしい。
※今回紹介したドラマは、DVD、Blue-rayのほかに、動画配信をしている「FOD」でも見ることができます!