大いなる男たち
  監督 : アンドリュー・V・マクラグレン
  製作 : アメリカ

  作年 : 1969年
  出演 : ジョン・ウェイン / ロック・ハドソン / ベン・ジョンソン / ブルース・キャボット

 

 

アンドリュー・V・マクラグレン 大いなる男たち

 

傷ついた(兵士たちそのものであり彼らを包み込み慰撫しいまも彼らを鼓舞し続ける)南軍の旗はまだ揺れています。砲撃とともに草原を駆け抜けてくる北軍の進撃に陣地は破られじりじりと木立の奥へと後退しつつもはや戦争の大勢は決してしまったあとの、意地の一線を守り続けます。敵陣に踏み込んで馬上から見下ろすジョン・ウェインの目にはまるで大地に眠りにつくように若い兵士たちの横たわった最期がひとりまたひとりと映っていきます。そこへひた駆ける伝令です、戦争が終結したことがもたらされます、しかるにそれは三日前のことで連絡の空白からもう戦争ではない戦闘をこの三日も続けてそうと知っていれば死なずに済んだ青年の命をウェインは見つめずにはいられません。さっそく戦争が終わったことを告げるために交戦の南軍陣地に自ら立ちます。そこでは皆傷つき指揮官も失いながらかろうじて戦争を継続している疲弊と(草を掴み土に爪を立てるような)執念が緩かに地を逆巻いていてしかしそのようななかにあっても敵の士官への礼節と敬意に身を正し驚いたことには彼らもまた昨日終戦を知りながら戦闘を続けているのです。何たる頑固者、しかもこれからも戦闘を止める気のない堅い気迫です。まるで死して大地に横たわる兵士ひとりひとりが生きたこの兵士の口となって語っているかのようです、ここは自分たちの土地でありだから戦い続けるのは当然だと。しかしそんな彼らにもやがて戦後は訪れます。故郷の土を踏んで何年も離れ離れだった家族と一緒にいまや(手に銃もなく)背広に帽子...  しかし何かおかしい、(負けた戦に悄然とするには明らかに)決した眦でいまは見えぬ彼方を指差しています、そうです頑固者たちは戦い続けるつもりです。ロック・ハドソンの指揮のもと家産どころか故郷を捨ててでも詰められるだけの武器をひた隠しつつ馬車に家族を乗せてメキシコの地で南軍の夢を追おうというのです。長く馬車を隊列に組んで彼らのメキシコへの旅が始まります。ただ頑固者ということではジョン・ウェインもそうそう引けを取りませんよ。数々の武勲でいまや大佐である彼は勿論軍に強く慰留を促されますがそれを袖にしてでも野生馬の捕獲業に転業しようというのです。なんでまたというところですがいままで文句も言わず一緒に死地をかい潜ってきた部下たちにそれに見合う財産を作ってやるためでして、長い戦争のあとですからいくらでも馬の補充を必要とする軍の事情をちゃっかり見越した上のことです。ところがいざ3000頭の売買になるやこすっからしく足許を見る軍との交渉にすっかり嫌気が差して3000頭を一括で買い上げるというメキシコ皇帝にあっさり売ってしまいます。さて馬をメキシコに届けねばならなくなりましたが... こうして南軍の頑固者と北軍の頑固者がいまは知らない仲なれどともにメキシコを目指す道中の、始まり始まり。  

 

 

 

 

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