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 弁護士 美 和 勇 夫

黒川元検事長らの 告発状全文・ 常習賭博罪

2020-05-28 22:31:19 | Weblog
告 発 状



東京地方検察庁検事正
曽木 徹也 殿

             令和2年5月25日


第1. 告発事実

 1.犯行までの経緯

被告発人黒川弘務ら4名は,平成29年頃から令和2年5月頃までの間,毎月数
回程度,東京都内の被告発人A(氏名不詳)の自宅マンションにおいて,麻雀を使用して金銭を賭け,賭博をしていたものであるが,

 2.犯罪事実

被告発人黒川弘務ら4名は,常習として,同月1日及び同月13日,被告発人A(氏名不詳)の上記自宅マンションにおいて,麻雀を使用して金銭を賭け,賭博をしたものである。

第2.罪名及び罰条
  常習賭博罪 刑法186条1項 (3年以下の懲役)

第3.事実関係

1.被告発人黒川弘務ら4名は,令和2年4月13日頃,同月20日頃,同年5月1日頃,同月13日頃,夕刻から翌日未明にかけて,被告発人Aの自宅マンション内において,金銭を賭けて麻雀を行った。

(法務省調査で5月1日,13日のマージャンは認めている。
 朝日新聞社の聞き取り調査の結果,被告発人Cが緊急事態宣言後の4,5月に計4回,被告 発人黒川弘務らと賭けマージャンをしたと認めている)

  この麻雀は,いわゆる点ピン(1000点を100円換算とするもの)と呼ばれるレートで行われていたものであり,被告発人ら4名の間で,1人1回当たり数千円から2万円程度の現金のやり取りがなされていた。


2.被告発人黒川弘務ら4名は,約3年前から,月数回程度,前記1の事実と同様の態様で金銭を賭け,麻雀を行っていた。


第4.構成要件該当性

 1.賭博
   金銭を賭け麻雀を行うことが賭博に該当することは明らかである。

 2.常習性
   
判例は,賭博常習者とは,賭博を反復累行する習癖のあるものをいうとしているところ,約3年前から月数回程度の頻度で集まり賭博をしていたことからすると,被告発人らは賭博を反復累行する習癖のあるものといえ,常習性があることは明らかである。

(法務省は,3年前から,月1,2回程度,同じメンツ・同じレートで賭けマージャンをしていた調査結果を発表している)

第5.違法性・責任

1. 違法性の高さ

⑴ 常習性が顕著なこと

 3年間にわたり,月数回程度の頻度で集まり賭博をしていたものである。仮に集まっていたのが月2回だとすると3年間で72回集まっていたことになるが,3年間で72回という回数は非常に多く,耽溺の程度に達していたと言わざるを得ない。常習性は、顕著である。

⑵ 賭け金が多額であること

 1回の集まりにつき1人あたり数千円から2万円程度の現金のやり取りがなされていたものである。4人合計すると,1万円弱から10万円弱の現金のやり取りがなされていたものである。

  仮に集まっていたのが月2回だとすると,累計では70万円から600万円程度の賭け金が動いていたことになる。70万円から600万円程度の賭け金が動いていたということであれば,賭け金が多額であると言わざるを得ない。

⑶ 高度に法を順守すべき立場にあること

  被告発人黒川弘務はもとより,その他の被告発人もいずれも高度の倫理観を維持して,社会に範を示し,日本国の法律を遵守すべき立場にあることからすれば,本件の行為の違法性はきわめて高いと評価しなくてはならない。


2.責任の重大性

 ⑴ 被告発人黒川弘務は東京高等検察庁検事長であった。
被告発人黒川弘務は,東京高等検察庁の検事長であった。刑法犯を起訴して処罰を求めるなど社会秩序の安定を図るための機関のナンバー2であり,そのような立場にある者が前記第1の事実を行ったことは強い非難を免れずその責任は重い。

⑵ 被告発人AないしCは全国紙の(現又は元)新聞記者である。
被告発人AないしCは,いずれも全国紙の(現又は元)新聞記者である。
いずれも,黒川検事長を取材対象として取材する旧知で昵懇の間柄であった。
全国紙の(現又は元)新聞記者として,社会の違法行為を摘発し,社会秩序の安定を図ることが期待される立場にある者であり,そのような立場にある者が前記第1の事実を行ったことには強い非難を免れず責任は重い。


⑶ 時期的に不謹慎窮まる

新型コロナウイルスの感染拡大が続き,政府は令和2年4月7日,新型コロナ感染症改正特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を東京都などに発出し国民に外出自粛,三密を避けるように呼びかけていた。マージャンは密室・密閉空間,密接場面にあたるから絶対に避けるべきである。その事を承知で,国民に範を示すべき検事長ともあろう者が,(現又は元)新聞記者らと賭けマージャンに耽っていたことは不謹慎窮まると云うべきであり,被告発人全員は、強い非難を免れず責任は重い。

第6.結語

被告発人黒川弘務ら4名の各所為は,単純賭博罪(50万円以下の罰金)ではなく,いずれも常習賭博罪(刑法第186条1項)(3年以下の懲役)に該当する行為と思料されるので,証拠隠滅,口裏合わせを避けるため,被告発人らを全員逮捕して取り調べのうえ厳重処罰を願いたく,ここに告発する次第である。


かって,「大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件」で主任検事であった前田恒彦が,証拠物件のフロッピーディスクを改竄したとして証拠隠滅の容疑で,平成22年10月1日逮捕され,更に 特捜部長・大坪弘道及び元副部長・佐賀元明が,前田による故意の証拠の改竄を知りながら,これを隠したとして犯人隠避の容疑で,それぞれ逮捕された事件がある。


別紙

当事者目録

〒507-0027 岐阜県多治見市上野町4丁目29番地
  告 発 人   美 和 勇 夫 (岐阜県弁護士会所属弁護士)78才 

〒106-0045 東京都港区麻布十番2丁目18番地5号
ガラステージ麻布十番605号
  告 発 人   浅 井   正 (東京弁護士会所属弁護士)74才

〒501-0461 岐阜県本巣市上真桑1044番地1
  告 発 人   林 寛 太 郎 (岐阜県弁護士会所属弁護士)34才

〒509-0214 岐阜県可児市広見1-17                 
告  発  人     平 井  治 彦  (岐阜県弁護士会所属弁護士)74才        



①被告発人    東京都内在住

          黒 川 弘 務(前東京高等検察庁検事長)
          昭和32年2月8日生


②  被告発人    東京都内在住
            A(氏名不詳)
         株式会社産業経済新聞の社会部に所属の記者


③  被告発人    東京都内在住 
            B(氏名不詳)
        株式会社産業経済新聞の次長


④  被告発人    東京都内在住
            C(氏名不詳)
             株式会社朝日新聞元検察担当記者で経営企画室社員
    

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