団体ツアーあるある(9)ー ウィズ・コロナ

はじめに

この記事では過去に色々な団体ツアーに参加して体験した興味深い事柄を「団体ツアーあるある」としてご紹介していますが、今日はウィズ・コロナの環境での旅行が近い将来遭遇するであろう事象を「団体ツアー(将来の)あるある」として書いてみました。

15.ウィズ・コロナ(with Corona)

ウィズ・コロナの状況では海外・国内旅行の様相が今までとはかなり異なってくると思います。これは近い将来の「団体ツアーあるある」になると思われます。

例として飛行機を使う国内団体ツアーを考えてみたいと思います。

参加者はもちろんマスクは必需品です。ツアー参加中、食事やお茶などを飲むとき、ホテルの部屋で家族だけで過ごすときなど以外は常にマスクをつけておく必要があります。

また手洗いの設備がない環境を考えると携帯用のアルコール消毒液なども必要です。これでこまめに手を消毒することになります。

旅行に出るととにかく乗り物、ホテル、各種備品などあらゆるものを他人とシェアする状況になりますので手を触るもの全般に対していつも新型コロナの感染のリスクに注意する必要があります。

また飛沫を浴びないため、浴びせないために他人とのあらゆるおしゃべりを適度に距離を取りながら最小限にする努力も必要となります。

空港での集合

参加者が空港の受付カウンターに着いたら係りの人からまずガイディングレシーバーを受け取ります。その後の添乗員さんからのお話は早速すべてガイディングレシーバーを使って行われると思います。参加者皆さんが密の状態で集まれないからです。

ガイディングレシーバーは普通は観光地に着いてガイドさんが説明している間だけ装着するものですが、ウィズ・コロナの状況では常時各所で大活躍することになります。

飛行機

飛行機の新型コロナ対策としては航空会社各社で積極的に行われていると思いますので基本的には安心できると思いますが、従来のような肩が触れ合うほどに詰め込まれるエコノミークラスの席は検討が必要だと思います。

航空会社によっては一つ席を空けて座らせるようにしているところもあるようです。

当面エコノミークラスは避けてビジネスクラス(席が一つひとつ独立しているタイプがベスト)に乗ると隣の人との距離を保てるのでより安心できると思います。

飛行機内は密室ですが、機内空気の循環システムはどこの航空会社も概ね高度なものが使われているようで、フィルターの性能は病院の手術室と同等だといわれています。一部新しい空気と入れ替えながら数分に一度程度で頻繁に空気を循環させていると言われています。

座席、食事や飲み物の提供は新型コロナ対策がされた状態でなされるものと思いますが、例えば、機内で借りる雑誌や新聞、お手洗いのドアの取っ手、便座、蛇口、各種押しボタンなどはタイミングよく消毒はなされないと思われますので各自で注意する必要がありそうです。

なお、新型コロナ対策として有効な濃度70%以上の消毒用アルコールは航空会社によっては手荷物、受託荷物ともに飛行機への持ち込みが禁止されているようなので事前に確認されることをお勧めします。

ホテル

ホテルはグレードにかなりばらつきがあり、それぞれで行われている新型コロナ対策にもかなり差があると思っていたほうがよいと思います。

例えば、部屋の鍵(カードキーなど)、エレベーターの押しボタン、部屋や装備品のドアノブ、電灯・空調など部屋のすべてのスイッチ類、金庫のキーパッド、電話機、蛇口、電気ポットの取っ手、ハンガー、ボールペン、備え付けスリッパなど使い捨て以外のものはすべて触るときには注意が必要になります。

また場合によってはホテルに入ってすぐに部屋の窓を開けて換気をしたほうがよいかもしれません。

観光バス

長時間乗ることがある観光バスはそれなりの対応が必要です。
従来ではツアー参加者が多い場合は一台のバスにぎゅうぎゅう詰めになることも多々あり、これは旅行会社のほうであらかじめ2台のバスに分けるなどの工夫が必須になると思います。

席は空席を挟んでバラバラに座るなどの余裕が必要です。

バスの車内空気循環システムは飛行機に比べてはるかに低レベルですので、頻繁に窓を開けて積極的に車内換気をする必要がありそうです。気候が良い季節の場合はよいですが、夏や冬の季節には少し我慢しなければならないでしょう。

また乗車中のワイワイガヤガヤのおしゃべりも控えることになります。

例えば、バスに乗り降りするときに皆が触る可能性がある手すりなどはできるだけ触らないほうが良いと思います。また車内でガイドさんが配布する資料やお菓子などは皆で回して受け渡すという方法は避けたほうがよいでしょう。

観光スポット

観光地ではバスを降りてグループで回ることになりますが、ここでも参加者同士や他の観光客とソーシャルディスタンスを保つ努力が要求されます。

狭い観光スポットでは眺めたり、写真を取ったりする時によく肩が触れ合うほど混み合うことが多いですが、観光に夢中になって注意がおろそかになることのないようにしなければなりません。

ガイドさんの説明時には、ガイドさんおよび他の参加者との密を避けるためにもちろんガイディングレシーバーが重宝します。ガイドさんも常時大声ではなく飛沫が飛びにくい小声での説明が要求されるでしょう。

また観光地では他人のカメラやスマホを使って写真を撮ってあげる行為がよく行われていますが、これもカメラを介して感染のリスクがありますのでやめたほうがよいと思います。

食事

団体ツアーの楽しみの一つが旅行会社によって選び抜かれた食事だと思います。それぞれの観光地の名物グルメを堪能できることが多いです。

従来は参加者は1つの大きなテーブルに集まって座り、特に夕食ではお酒をいただきながら、
話に花を咲かせての楽しい食事となります。

しかしウィズ・コロナの環境ではかなりの制約を受けることになります。まず肩を寄せ合って向かい合って皆さんが座るということはできません。

大きなテーブルに十分に間隔を空けながら互い違いに座るなど、口からの飛沫が他人にかからないような工夫が必要です。また家族など参加グループ単位で独立した離れたテーブルを準備する必要があるかもしれません。

特にアルコールが入った時のおしゃべりではつい声が大きくなって口からの飛沫がたくさん遠くへ飛ぶと言われています。食事中もごく静かなおしゃべりに留める必要があります。

飲食中はどうしてもマスクを外す必要があるので各自の飛沫に最大限の注意が必要だと思います。状況によっては、日本の一部の小学校で行われているように食事中は各自無言で食事をして、終わってからマスクを付けたうえでゆっくりとおしゃべりを楽しむという方法も考えなければならないと思います。

また朝食はビュッフェ(バイキング)形式になることがほとんどですが、ウィズ・コロナの環境ではこれもかなりリスクをはらんでいます。

皆でシェアする備品、例えば、料理の鍋のトング、汁物の杓子、飲料サーバーのコックなど多くの人が必ず触るのでとても感染リスクが高くなります。また人気の料理には一気に人が群がってきてすぐに密状態になります。

ビュッフェ形式にするのであればあらかじめ食事や飲料を一人分ずつ取り分けておくスタイルにしたり、ビュッフェをやめて個別サービスの食事にするなどホテル側での対応が基本的に必要だと思います。

以前参加したパラオへの団体ツアーでは、2回ほど屋外でのお弁当昼食の機会がありました。レストランの中では密を避けるのは容易ではないので、このように屋外の公園や広場などでそれぞれのグループが散らばって昼食をとるというスタイルが今後流行るかもしれません。

お土産などのショッピング

団体ツアーではお土産を買う機会を確保してくれていることが多いです。お店ではお買い物に夢中になって他人とのソーシャルディスタンスが疎かにならないよう注意が必要です。

またあれやこれやの商品を手に取って触るのはやめて、できるだけ目的の商品だけを手に取ってそのまま購入したほうがよいと思います。

また現金よりもクレジットカードやスマホを使った支払いのほうがより感染のリスクは低いと思います。

スーパーマーケトなどで色々とお買い物をするときは備え付けの買い物かごやカートを使うことになりますが、これもお店側でタイミングよく消毒してくれるとは限りませんので特に持ち手部分に注意する必要があります。

スーツケース

空港で預けるときや観光バスで運転手さんなどにお願いするときなどどうしても他人が取っ手などに触ってしまうことになります。スーツケースが手元に戻って来た時にアルコール消毒などで対処できれば安心だと思います。

海外旅行と国内旅行

ウィズ・コロナで旅行をせざるを得ないという状況がいつまで続くかはまだ誰にも分かりません。今わかっていることは海外旅行すなわち国をまたぐ旅行はかなりハードルが高いということです。

国内の観光旅行は徐々に緩和されてきていますが、海外へはまずそこの国が日本人観光客を受け入れてくれるかどうか、渡航するのに新型コロナ感染の陰性証明書がいるのかどうか、外務省がそこの国への渡航を制限していないかどうか、さらに現地に到着後や観光後日本へ帰ってきて14日間の隔離生活を求められるかどうかなど障壁がたくさんあります。

以前のような海外旅行を取り戻すにはやはり抗ウイルス薬やワクチンができて、世界中の人々にそれらが十分に行き渡ってからという意見が多いようで、結局年単位の時間がかかってしまいそうです。

何とか海外旅行ができるようになっても新型コロナの十分な世界的収束まで至らない場合には、ここで述べたようなウィズ・コロナの環境での「不自由な」旅行をある程度の期間は覚悟する必要があると思われます。

旅行費用

上で述べたように観光にかかわる会社や業者は新型コロナ感染防止のために余分な費用がかかることになります。また飛行機、バス、レストランなどは従来に比べてお客さんの受け入れ上限の人数がかなり減少すると予想されます。

このために従来の価格では営業が続けられずに結局、近い将来旅行パッケージの価格が引き上げられると思います。今後は旅行すること自体がより贅沢な趣味・活動になるのかもしれません。

ガイディングレシーバーについて補足

上で述べたようにウィズ・コロナの環境では、添乗員さんやガイドさんとのリモートでのコミュニケーションが求められるということでガイディングレシーバーの役割がより重要になってくると思われます。

観光地での説明にとどまらず、空港に集合した直後から旅行期間中色々な場所で使うことになるでしょう。

現在のガイディングレシーバーは小型化、軽量化がなされてきて以前よりは使い勝手がよくなってきていますが、この機会にさらに改良を進めて欲しいものです。

特に本体とイヤフォンをつなぐコードをなくしてBluetoothなどの無線で接続できるようにして欲しいです。例えば一眼レフカメラを首から下げている場合にはそのイヤフォンコードがとても邪魔になります。

またできれば添乗員さんやガイドさんに各参加者側からも声を送信できるようになればよりガイディングレシーバーの価値が高まると思います。

終わりに

このようにウィズ・コロナの環境では旅行は従来のものとは様相が一変します。旅行会社、航空会社、バス会社、ホテル、観光地、飲食店、お店など感染防止対策を施さないと観光客が安心して利用できません。

また、観光客のほうもマスクや携帯用アルコール消毒液などの準備、観光中の口からの飛沫防止、ソーシャルディスタンスの確保、他人が触る場所、備品、ものにできるだけ触らないなど常に注意が求められます。

観光中感染のリスク・不安が常に付きまとってくることになり、残念ながら昔のように安心して優雅に観光旅行を楽しむことが難しくなってくると思われます。

ところで団体ツアーでは集団行動が基本であるためにどうしても密な状況が生まれやすくなります。その点では個人ツアーのほうが感染のリスクは低くなると思われます。将来団体ツアーよりも個人ツアーのほうが皆さんにより好まれるようになるかもしれません。

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コメント

  1. yuichironyjp より:

    はじめまして。ブログ拝見させていただきました。海外、旅行、フリーランス、副業などをテーマに、個人ブログを運営しているyuichironyjpです。そちらのブログといくつかキーワードが重なるところがあり、情報交換(共有)できるのではと思いました。まだまだ始めたばかりなので、コンテンツは少な目ですが、フリーランスで稼ぐ方法や、海外旅行に役立つ情報など発信しています。よければ立ち寄ってください(http://mywordtripyuichironyjp.travel.blog/)。facebookやinstagramはyuichironyjp で検索して、友達申請を!

    • ようれん ようれん より:

      yuichironyjpさん

      私のブログにメールをいただきありがとうございました。
      そちらのブログを拝見させていただきましたが、海外旅行に関して読者が知りたいであろう役立ち情報を色々とまとめておられてとても読みやすいと思いました。
      また綺麗な大きな写真をたくさん使われていることも特に若い人たちには喜ばれているのではないでしょうか。
      今は新型コロナの影響で海外旅行は全く予定が立てられず、来年にワクチンが世界中に普及してからになるのではないかと懸念しています。