帰宅 1
車に乗っていると、突然
ピロリロリン!
と音が鳴りました。
レベルアップ音のようなものでした。
??何だろ??
(何かの)レベルが上がりました。
操作音が選べるようになりました!
なかなか面白い仕掛けだなあと思います。
~~ 帰宅 1 ~~
帰ってきたあああ!!
お義母さんが迎えてくれました。
「お帰り~、大変だったでしょう!!」
はい、それはそれは大変でした!!
「まあー〇〇さん!」
義母は母の手を取りました。
「まあまあ、本当にお久しぶり!お元気そうね、まあ~!相変わらずお美しくて…」
母は突然、ものすごく機嫌がよくなりました。
お義母さんは気さくで江戸っ子のちゃきちゃきした話し方なので、お世辞を言っている感じがありません。
なごやかに会話はすすみ、私から見てもずいぶんとまともな事を言っていました。
途中でまた、「私には偉い人の知り合いが…」というのが始まったので、冷や冷やしましたが、あまり暴発しないまま、なんとか終了しました。
お義母さんはその日に電車で帰っていき、やれやれと皆で床につきました。
子供部屋にお布団をしいて、そこに寝てもらいました。
荷物が次々に運び込まれ、子供部屋は「母の部屋」と言っても良さそうな見た目になりました。
もともと子供部屋は、子供二人で共有しているので、二人とも部屋を取られた!!というような文句は言いませんでした。
勉強はリビングでしてもらっています。
(目が届かない場所でするはずがありません!)
翌日は会社に行きました。
いつもの日常のはじまりです。
…のようではありますが、やっぱりそうは行きません。
気になって仕方がありません!
私は割と会社が家に近い所にあります。
お昼に様子を見に帰ると、子供たちとも仲良く、割と元気な様子でした。
くるみくんにそっと聞きました。
「大丈夫?錯乱したりしてない?」
「今の所は」
ほっとしました。
ただ、しきりに通帳を探しています。
家の中をかきまわすようなことはしていないのですが、自分の荷物を何度も何度も何度もかきまわしています。
まあ、そこは仕方がないかなと思いながら、洗い物も手伝ってもらい、洗濯ものの取り込みも一緒にしました。
あれ?いける?
おばあちゃん、けっこう普通だな。
良かった、とりあえずなんとかやっていけるかもしれない。
なんとか夏休み中に、施設をいくつか見に行って決められればいいな。
そう思いました。
そこで帰ってきたオムレットくんが、声を低くして話しかけてきました。
「知ってる?」
「えっ何を?」
「お母さんが真夜中ずっと起きてたこと」
「えっ!?うそでしょ。全然知らない」
→→ 帰宅 2 に続く