ふたたび施設の中へ
おばあちゃん、食事拒否とは、もう死んじゃってもかわまないという風に考えているのだろうか…。
何しろ認知症なので、思考回路が読めないです。
私も自分がうつ状態になっていたのでわかりますが、もう、一度ずるずると落ち込んでしまって沼の底にいるような状態にいると、正常な判断などはまったく出来ないです。
さらに認知症だわ、環境は激変しているわ、いきなり私は来なくなるわ、外には出られないわ、母がこういう状態になったとしても、おかしくはありません。
「毎日でも」ということは、結構切羽詰まっているのだと思います。
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母のところに行くのに、色々用意してみました。
梅がゆのパック、これは5分温めるだけです。
本来だと、部屋の中では飲食禁止です。
お菓子など持って行っても、古くなってしまったものを判断できないし、部屋のびっくりするような所からかびだらけのものが出てきたりしてしまう、と聞いていました。
なので、食べ物を持っていくにしても、私が責任を持たないといけないです。
おかゆはアツアツに暖めてからタッパに移し、それから考えて、実家から持ってきて使っている、母も見慣れているはずのお皿も入れました。
お弁当の袋に色々入れました。
卵サンドイッチを買いました。
ここのサンドイッチ屋さんは、優しい味わいのすごく手作りっぽいサンドイッチですごくいつもおいしいです。
それから、コストコのルイボスティー…。
これを温かいお湯で煮出して水筒に入れました。
いつもはケチって、バック一つを大量の水で水出しして、まるで麦茶のように飲んでます。
(子供達はこれになってから異常なほどお茶を飲むようになりました…)
ルイボスティー、好きだったので飲んでくれないかな…。
もう、それほど食べていないとすると、胃が受け付けないかもしれませんが、何も口にしないよりはましかなと思いました。
そして道すがら、今更ですがもう一度調べてみました。
「欧米 介護 終末医療」などで検索してみますと出てきました。
ここ20年ばかり、欧米の終末医療も変わってきて、延命治療はしない方向になっているという記事です。
多分私が読んだのと同じだと思います。
これによると、年をとるに従って人は水や食物を必要としなくなっていくということ、何も口にしなければ2週間程度で死に至ると書かれています。
2週間…。
なんだか、癌の余命宣告を食らったような気分です。
あんなに歩こうと思えば結構歩ける体力があって、左右に引っ張り合うようになるほど力の強い母が、2週間程度で 死に至ると考えると…。
それを、私が望むのか?という問題になってきます。
2週間とはあまりにも早いです。
しかも母は本当に自然な形で、体が必要としなくなっているから食物を入れられないのかと言うと、何となくちがう気がします。
気持ちの問題なのか…?
でも、お茶を飲んだだけでもえづいたりしていたし…?
施設の内部に入るのはほんとうに久しぶりでした!
扉にはバリケードが築かれています(???)
鍵が壊れちゃったのかな…??
なるべく自然にお願いしますと言われ、確かに他の方は面会できていないのに、どうして私だけいつもウロウロできるのかという話でもあるので、こっそり母の部屋にすべりこみました。
母は横になっていましたが、カッと目を開いて天井を見ていました。
生気のある、意志のしっかりした顔です。
しかし、最後に見たときから比べても、何ともガリガリに痩せています!
一週間程度なのですけど…。
特にお腹のあたりが、急激にガッと引っ込んでいます。
割と体にぴったりした服で、それも横になっているので、目立ちます。
もともと持っている中でも、薔薇の刺繍をほどこしたチャコールグレーの、なかなかいい服着てました。
いい服なので、みじめさのようなものはなくて、ただ服とその場の雰囲気と母の痩せ方が、すべてかみあっていなくて、妙な感じでした。
施設の方が、おやつにとメロンを持ってきてくれて、二人きりにしてくれました。
母は、すごく顔をしかめてます。
いつもならすぐに飛び起きるのに、今日は寝転んだままでした。
くるみくんが自分で買ってきて着た服になごみました。