大学入試での偏差値について考えてみた | 中学入試と医学部入試の道の駅

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世の中の大学は偏差値で色分けされて見られていることは事実だ。でも偏差値だけで大学を見るなんて、本当にナンセンスなことだよね。

かつて、ビリギャルという本があって、坪田塾が有名になった。ビリギャルのさやかは、愛知淑徳中学高校出身。
進学したのは、慶應SFC。河合塾偏差値ランキングでは72.5の最高ランク。古い言い方をするとMランク。
この最高ランクを持っているのは他には東大理Ⅲと京大医学部と慶應医学部だけ。
これだけ見ると凄いんだけど、実は入試科目は英語と小論文だけ。

ビリギャルのストーリーは、

もともとある程度の地頭がある生徒がちょっとサボって成績を落としていたけれど、英語だけ頑張ったら慶應に入れた。

という非常につまらないもの。そんなこといったら、それより奇跡的な進歩や合格なんて、私達は毎年のように見ているのでね。塾の宣伝がうまさが光るストーリーだった。おそらくは他の塾でも似たような結果はたくさんあるはずだよ。私文専門塾とかならどこでもありうる。

このようにまずはそもそも偏差値という数値自体が大学入試では合格難度を直接表すものではないこと。科目数と受験機会が一致しているならば、ある程度は比較指標にできるけど。



そして、、、もっと重要なこととしては、偏差値が大学での学問の質を決めているとはいえないこと。更にいうならば、大学名が大学生活の質を決めているわけではないこと。


これから私は毎年相談を受ける。滑り止めの大学に進学するのか浪人を選択するのか?

この話に対して、私の答えはいつも同じ。

自分の志願する学域だけは絶対譲歩してはいけない。自己実現が可能な学部学科なのか、それだけはしっかり調べる。
大学名については、譲歩してよい。もちろん無限に譲歩してよいわけではなく、その大学で自己実現していく自分が想像できるならそれでいい。

ぶっちゃけさ、理系の理工農あたりの関係の学部ならば、もう一度大学院受験があるわけじゃない。結局、高度な研究なんて大学院でしかやれないわけだし。そこまで含めてイメージできていれば大丈夫だろうよ。
世の中には学歴ロンダとかいう言葉もあって、大学院進学を揶揄する人もいるけど、ああいう奴等はこの世界を知らない無知な輩だから。

理系の話をしたけれど、実は文系の方がこのことは重要かもしれない。東海地区には偏差値でいうと50前後の中堅クラスの大学はたくさんあるよね。この辺りの人は大学生活の良し悪しが全く分かれてしまう。充実したものにできる人も、全く空虚なものに終わる人もいる。
結果として、就職活動にも上下幅が大きくなってしまう。大企業も含めてどんどん内定を貰えている人と、全く空振りが続く人。その差は大学名で生じているわけではない。

大学4年間の生活をただのモラトリアムだと思っている人もいるかもしれないが、その期間に人間力に大きな差が生じていくものである。

いくた