実は

目的地の〔Daintree Discovery Centre〕でタイヤがパンクしてしまった。これで三度目…。

今回の旅行で「小径車は長距離旅行に不向き」と身をもって学んだ。たしか三度もパンクしてストックの予備チューブを全て使い果たしたのだったが潔癖症の手でタイヤチューブを交換するのは本当に大変なことで、しかも初めてのことだったので三時間以上ほどもかかってしまった。雨によって荷物重量が倍増してしまったことや一度目のパンク時のチューブ交換の際にリムテープが少し捲れてしまったこともチューブへの負担となった。

①小径車=パンク
②小径車=トロイ

そんなこんなで目的地到着までに多くの時間と労力を消費してしまったわけだが、漕いでいて楽しかった点や、持ち運びや洗車がラクだった点など、そんなに大して悪くないバッタ(相棒)だった。


道の終わり【END OF THE ROAD】は、オーストラリアのクイーンズランド州デインツリー国立公園という場所だった。目的地のデインツリーディスカバリーセンターに無事到着できた。だが正直なところ、もし神様が時間を止めてくれるなら、その太古のジャングルの先の岬まで行ってみたかった…。

夜のデインツリー国立公園は本当に一寸先も見えない無限の真暗闇だった。どこまでも続く深い闇。まさに太古のジャングル。そこでパンクした文明の力(りき)を10kmも20kmも手押し車しているとクルマが二度も三度も「乗って行きな──」と止まってくれたが全て断った。自分の障害の問題もあるし、一人旅を満喫したかった。それに、毒蛇も恐いが人間はもっと恐い。

世界の毒ヘビの半分以上がオーストラリアに生息しているといわれている。ここDaintreeに辿り着くまでに、生きているタイパンもしくはブラウンスネークを一度、そして死んでいるタイガースネークなどを四度目撃した。そのどれもが世界TOP3の毒ヘビだった。天国と地獄のようなオーストラリアの過酷な日常を思い知らされた七日間だった。

おわり