恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

8/18(火)亀戸梅屋敷寄席

2020年08月18日 | 噺とか
久しぶりの亀戸梅屋敷寄席です。
寄席の定席はまだお盆興行の真っ最中で料金もお高め。
鈴本も浅草もあんまり足を運ぶ気にもならず、コンパクトに亀戸へ。
人気者の兼好師匠やベテランの鳳楽師匠あたりが有名どころ。
ここは以前と比べて人数の制限などもしていないのでしょうかね。
頻繁に足を運んでいるわけではないので、細かい変化に気が付かないわけですが、
いずれにしても40人近く入る盛況でした。

「道灌」     しゅりけん
「紙入れ」    楽天
「目黒のさんま」 とん楽
 -仲入り-
「黄金の大黒」  兼好
「寝床」     鳳楽

前座のしゅりけんさんは初めてでしょうかね。
兼好門下ということで、なんとなく声質やら話し方が似ているような。
「道灌」をかけましたが、なかなかいい感じで安定しておりました。
そして客席も前座さんからよく笑う笑う。

続いて楽天さん。こちらも初めてでしょうかね。
調べてみたら元ダンサーとのこと。
んー、噺家さんもいろいろな経歴がありますね。
最近の出来事として話題になっているジャニーズ事務所の山P問題に触れ、
そこからアンジャッシュ渡部問題などなど、男女関係のマクラ。
そんなところから間男に関する小噺をいくつか振って「紙入れ」でした。
妙におかみさんを演じる時の色気が色っぽくていいですね。
寄席でもよくかかる噺ですが、やはり流派が違うと細部も違うのか、
こういう演じ方もあるのだな、と感じながら見ておりました。

この方も初めて、とん楽師匠。
世間は暑い夏の盛りですが、落語の世界では少し季節を先取りするのですね。
今季初めて聞く「目黒のさんま」でしたが、これもよくある筋とは違う感じ。
殿様が野駆けに出るまでがかなり丁寧な描写。
何もすることがなくて退屈な殿様が、屋敷の馬場で乗馬の稽古をすることに。
ところが、狭い屋敷の中だけではつまらず、門番を脅して開門させて単騎出ていき、
それを慌てて家来衆が追いかける、なんていうあたりとか。
あとは馬が3頭いてその中から一番足の遅い馬を選ぶ、とか。
本来はこういう演じ方なのでしょうかね。
先ほどの「紙入れ」同様、演じ方の違いを感じさせられました。

仲入りの後に兼好師匠。
クーラー嫌いで寝るときにクーラーをつけていなかったら軽く熱中症になり、
逆にクーラーをかけて寝たら風邪をひいてしまったというエピソード。
まぁ確かに、この時期は調節が難しいもんです。
さらっと入った本題は「黄金の大黒」でした。
やはり流れるようにポンポン繰り出される語り口調は気持ちがいいですね。
先日も連雀亭で二つ目さんからこの噺を聞きましたが、
やはり演じ方でずいぶんと噺の印象も変わってきますね。
最後のサゲまで行かずに、途中まで。
さすが、技巧者といった高座でした。

トリは鳳楽師匠。
穏やかな語り口で風格を感じる高座ですね。
ネタは「寝床」で、この噺も久しぶりに聞いたように思います。
長屋の連中が次々と義太夫の会への出席を断り、
それに拗ねる旦那の様子から、それをなだめる番頭さん、
色々な事情で出席することを嫌がる長屋の連中など、
奇をてらうところはありませんが、
しっかりと聞かせて笑わせるところは笑わせるというベテランの技。
たっぷり35分でした。

お値段も1000円とお手頃な亀戸梅屋敷寄席。
基本的に平日のみの開催ですが、来ると様々な発見があるもので。

恐懼謹言。

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