Skyrim~Diyaab 守りし者 シセロ

Skyrim~Diyaab 守りし者 シセロ

アストリッドが部屋から出て行くのを見届けると、シセロは聞こえし者が見つかったことを再び喜び出した。

聞こえし者の役目は夜母の言葉を聞くこと。その言葉には絶対従わなくてはならない。
そう饒舌に語るシセロの姿は少々狂気じみて見えた。

そして・・・かすかな羨望。

シセロに、聞こえし者になりたかったのかと水を向けると、少しだけ言い淀んだ。
な、なりたかったさ!聞こうともしたんだよ!でも、でも・・・。

夜母は哀れなシセロに話しかけてくれなかったんだ。
最後は消え入りそうな声で呟いた。

俯いたと思ったら、次はアヒャヒャと笑いながら、お前が選ばれたんだ!お前が聞こえし者であることにも理由があるんだよ!と叫ぶ。
そして歌を歌いながら、部屋を出て行った。



ナジルから仕事を受ける前に、シセロともう少し話がしたかった。
あの・・・不安定さが気にかかる。

部屋に行くと、シセロは疲れたのか横になっていた。

散らかったテーブルやサイドテーブルの上に日記が無造作に置かれている。
シセロには悪いが、読ませてもらうことにした。

全部で・・・4冊。


シセロの日記-第一巻


シセロの日記-第二巻

全て読み終えシセロの方に視線を投げると、ベッドから起き上がってぼんやりとしていた。
日記を読まれたことにも特に不満はないようだ。

お前は聞こえし者だと微笑んで、テーブルに向かい飲み物を口した。
俺が見つめていても気にすることなく、歌を歌い、夜母に向かって呟く。

「唄う鳥さん見つけたら~聴こえる前に首を折ろう~」
「・・・母に瀝青をかけないと・・・届かないところまで入念に・・・」
「楽しい乱心~楽しい隠身~。夜中に道化師がナイフを持ってやってきた時は~」



渋い顔をして歩く俺にナジルが声をかける。
そうだ、アストリッドに仕事を貰えと言われていたんだ。

アストリッドに仕事を貰うよう言われたと伝えると、丁度いい依頼があるぞと2つの暗殺依頼を教えてくれる。
1つは吟遊詩人だかを名乗っているルーブクというオーク。
もう一つは、ハーンと言う名前の吸血鬼。

モーサルにいるオークと、ファルクリース近くの工場で暮らす吸血鬼。
さっさと終わらせることにしよう。

背を向けようとした時、ナジルが声をかけてきた。
ちょっと来いと食堂へ向かって歩き出すので、後を付いて行く。

肉やパン、暖かいスープを用意し、腹ごしらえしてから出かけろと穏やかに言う。
正直なところ、腹は減ってはいなかったが・・・ありがたく用意されたものを口にする。

ナジルは自分も少しだけ食事を口にすると、夜母の棺に入ったんだってなと面白そうに俺を見つめた。
アストリッドがアーンビョルンに話していたのを聞いたらしい。

詳細を俺から伝えるつもりはない。
黙っていると、ナジルは溜息をついた。まぁ、いい。仕事を片付けてきてくれ。



まずはモーサルへ飛ぶ。

宿屋の女将ジョナがオークをあしらっているのが見えた。あいつか。
宿の中をうろうろし、ドラムを叩いたり歌を歌ったり・・・。寝静まるのを待つとしよう。

他の客や女将が起き出す前に、モーサルを後にする。

次はファルクリースにあるハーフムーン工場だ。

※ハーンはハートという奥さん(どちらも吸血鬼)と暮らしているので、2人を相手にしなければならない場合も。

無事に仕事を終え、聖域へ戻る。
ナジルに報告して終了だ。

ナジルは俺からの報告を満足そうに受けながら、アストリッドが呼んでいたぞと教えてくれた。




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