こんにちは、カタツムリ系です🐌
致し方ないこととはいえ、人間は環境への適応のために、脳や体にかなり負担をかける形で、遺伝子での変化を受け入れてきました。
そんな過程の中で、どうやら、本来は一体であるはずの脳と体が分離してしまったようです。
こんな脳のトラブルへの処方箋提示を本書↓は狙っています。
出典はアマゾンさん。
前回の記事↓
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【目次】
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(ページネーションはkindleでの表記に従います)
脳の使われ方を見てみます
No.182
愛情と同様に、疲れやストレスも脳が感じるものです。その感じやすさも、遺伝子で決まっています
というわけで脳がの機能を見ていくことに。
No.331
私たちの脳からでている神経の3分の1は、目のために使われています。視神経や目玉の動きを制御するための神経などが主なところです。
そうなんです。「見る脳」なんです。たしかに五感の中でも視覚から得る情報が圧倒的に多いということもよく聞きます。
視覚情報の優位性について、インターネットでの情報によると80%程度が視覚から情報を得ているとある。こ... | レファレンス協同データベース
ちなみに
No.331
多くの動物は音による「聞く脳」の構造を持っていて、モノクロの視界をもつ犬は、「匂い脳」
なんだとか。これは興味深い😊
No.345
人間の脳は、聞くことより見ることを選んだために、文字や言葉の意味合いに翻弄されるようになりました。
文明を築いた脳と、文明の基礎となる視覚情報に翻弄される脳。いたちごっこ💦
ここまで来ると、なんとなく結論も想像つくような気もしますね。文明はリスペクトしつつも、結構、身もふたもないコメントが出てきそう💦具体的な処方箋としては
- 自分が今居心地悪いのは、脳が独走し、本来の楽な状態を逸脱しているため。
- そうであれば、そうした環境を明確に自覚した上で(要は全ては、本来の脳とか遺伝子に逆らったために起こる災難と整理して)より自分にフィットした道をじっくり探せ
みたいなことではないでしょうか。もちろん、生物学的証拠をたくさん提示されているのでら説得力は違いますが💦
諸行無常の響き
No.730
「こんな仕事がやりたい」などとやりがいを求め、つまらない仕事をさせられる人を「社畜」と呼んだバカにするのは、すべて首から上の部分です。
筆者は大学教授ですが、この手の迷いは一切ないそうです。なぜなら
No.736
そもそも生きることに意味や目的もないのだ、生まれちゃったものはただ生きるしかない
あ〜あ、言っちゃった💦でも、これは生物学が提示してきた研究結果と整合性あるようです。高い志をもって学問に励み、生物学で研鑽し、その結果、そんなものは意味がないのだ、というのも、なかなか辛い💦
しかし、少なくとも私にはヒューマニズムあふれる人のように見える、この長沼教授。先述の言葉とは矛盾しない範囲で優しいく視点も共有されています。
具体的な処方箋の一部
No.757
No.811
動物界では、そんなとき(=食うに困るとき)にも無理はしないで、死ぬときは死にます。気候変動などの外部要因でエサがなくなったときにも、粛々と、淡々と、無理もしないで死んでいきます。生物として、この生き方が一番の根源です。
たしか動物行動学の先生のコメントだったと思いますが、動物は「死ぬ」のではなく「動かなくなる」のだとか。
人間も、淡々と「動かなくなる」のが理想なんでしょうか。ほぼ仏教の教えのようですね。
ここらあたりになると、生物学からのアウトプットというより、長沼先生個人の色合いが強くでていそうです。同じく生物学を専攻された方でも、もっとギラギラして、死への恐怖に支配されている方は少なからずおられるのでは?!
No.926
やることと言えば、自分のいいところを見せるようにし、必要のないところは見せないくらいしかないでしょう
まとめ
以上のストーリーをまとめると、次のようになるか、と。
- 人間の脳は「見る脳」
- それゆえに文明を生む一方で、そして意味や言葉に翻弄されてしまう
- 生きることに無理に意味や目的をもたせるのは、それこそ無理がある。
- 「うまくやる」ためにできることは「長所を見せ、短所を隠す」ことくらい
最後に
嘘がないという点で、かなり好感のもてる本。考えすぎる脳や楽をしたい遺伝子救済のための処方箋という触れ込みでしたが、まさか、ゴリゴリのノウハウ本な訳がないので、上記のような結論でも違和感なし😊
また、次回。
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#生物学