人生激辛ソムタム

風呂なしアパート20年の日々とタイ・インド

バービアの蝶

タイ、パタヤ。普段は閑散としているバービアだが、ダンサーがいる日は賑わう。きわどい衣装の女たちが、イサーンの歌に合わせて踊る。煽情的なダンスで、見ているだけで華やいだ気持ちになる。

そんなダンスをAeと見るのは楽しかった。カレッジを卒業していると言い、わかりやすい英語を話した。フェイスブックの表紙が高校生の娘だった。

ダンサーが性をことさら誇示するように踊ったとき、歌詞の意味を訊いた。

「蝶になった女が、男のまわりをひらひら飛んで誘惑している」

言いながら両手の親指を交差させ、宙で蝶のように動かした。

半年後に会ったAeの目はぎらついていた。落ち着きがなく、少し痩せたようでもあった。

次に会ったときは明らかに痩せていて、目が前より大きく見えた。薬をやっているのだろうと思った。

昨年行ったとき、バーは取り壊され別の店になっていた。

Aeのフェイスブックツイッターが更新されなくなって、1年以上がたつ。