③ 新型コロナウィルス、スイスでは。ー ロックダウン(外出規制)中

<Photo by Piermanuele Sberni on Unsplash>

皆さん、こんにちは!お元気ですか?

ふぅぅぅぅ…というのが、筆者の今の心境です。

といいますのもスイスでは、先週あたりからロックダウン(外出規制)となっていて、日常生活に色々支障をきたしているからです。それでも、ちょっと落ち着きまして、こうして皆さんに現状をお知らせしたいと思いました。

東日本大震災のように、足元の大地が揺れ、水道水が放射線で汚染され飲めなくなるかも!?というわけでも、地下鉄サリン事件や紛争地域のように、毒ガスの危機に直面しているわけでもないのに、なんだかな…という気もしなくもありませんが。

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⚫︎ スイスの外出規制
⚫︎ スイスの感染状況
⚫︎ わが家の過ごし方
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⚫︎ スイスの外出規制

さて、現在のスイスの規制状況の概要です。筆者の生活が、直接影響を受けているものを列挙しました。
  • 公共スペースでの6人以上の集まり禁止(罰金100CHF/人)
  • 5人以下の集まりでも、互いに2m以上の距離を開ける
  • 基本、スーパー、日用品店、パン屋、キオスク(コンビニ)、ガソリンスタンド、医療機関、薬局、郵便局、銀行以外は、店舗閉鎖(テイクアウトとデリバリー店は営業可)
  • 店舗内は、10平方メートルに1人まで
  • 隣国との国境一部閉鎖と検査(労働ビザとスイス国籍保持者はOK)
  • 全ての学校(小学校〜大学)の閉鎖とリモートワークの推奨
  • 公共交通は平日でも休日ダイヤに変更
  • スポーツ施設を含む娯楽施設は全て閉鎖(テニスコートも全て閉鎖)
わが家は、5人家族なので、6人以上という規制で良かったです。わが家は子どもたちの年齢層が異なり、だいたいいつも2チームに分かれるので、あまり心配はしてませんでしたが。

中でも、最も筆者の家族が影響を受けているのが、「店舗内は、10平方メートルに1人まで」です。これが、先週の土曜日から執行し、店舗前に並ぶのかも…と思うと、そうそう頻繁に食料や生活必需品を買いに行くことができなくなってしまいました。だから、皆さん、買い溜めをするわけです。しかもこの規制、店舗の換気を良くしてマスクがあったらあまり必要ないよね…とツッコミたくなります。

わが家は、食べ盛りの中高生男子が2人もいる5人家族で、ただでさえ朝食と夕食の食材調達と準備が大変だったのに、このロックダウン中は昼食まで準備しなくてはならなくなり、筆者の負荷倍増です。おまけに末っ子が一日中家にいますから、その合間に、勉強を見て、誰もいない時間帯を見計らって(必然と午前中になりますが)散歩やに連れ出しています。

この数週間、何が一番大変だったかと言うと、政府の規制が数日ごとに変わり、その度に適応しなければならないことでした。学校閉鎖>店舗営業制限>入店規制。皆、考えることは同じで、その度に人々はスーパーへ殺到し、買い溜めが起こりました。入店規制までかかった現在、もうしばらくすれば皆がこの状況に慣れ、スーパーの在庫も安定するのではないかな、と少し期待しています。

こんな状況でなんですが、一つ嬉しかったことがあります。それは、それまで欧米の人たちから見て、日本でのトイレットペーパーの買い占めは笑いのネタだったのですが、これをきっかけに、理解され始めたことです(笑)。筆者の近所のスーパーでもみごとに一時なくなりました。そして、在庫補充の後は、購入点数の制限がかかりました。

⚫︎ スイスの感染状況


連邦公衆衛生事務所(OFSP)の22日発表によると、感染者は8000人を超えました。以下は、日毎の感染者数です。



学校閉鎖が16日、「店舗内は、10平方メートルに1人まで」の規制が21日からなので、それを鑑みると、効果は早くても今週、遅くとも2週間後までには見られるものと予想されます。上の図を見ると、こんなに不便な生活をしているのに、まだ一日中当たり1000人も感染者が出てきているのか…と途方にくれてしまいそうですが。ちなみに、21日と22日は半減、またはそれ以上に少なく見えますが、単に申告が遅いだけで、今後加算されてくるので手放しでは喜べない状況です。

また以下は、10万人当たりの年齢および男女別感染者数です。


年齢別で見ると、20代以下は圧倒的に少なく60歳以上が多いですが、20代〜50代も相当数いることがわかります。次に男女別に見ると、40代までは女性の方がやや多いですが、50代でほぼ同じになり、60歳以上は男性が多くなっていることがわかります。理由は良く分かっていませんが、全体的に20代以上は満遍なく感染しているようですので、やはり一人一人が行動に気をつけなければなりません。

現在死亡者のほとんどが高齢者か基礎疾患のある方ということは、各国共通のようですが、若者(20代〜30代)でも重症化して入院しているケースが報告されています。死亡に至るケースは少ないものの、それによって医療体制に負荷をかけたり、高齢者に移してしまうこともあるため、政府は若者にも行動に気をつけるよう注意を促しています。

とても残念なのは、イタリアではすでに、53000人が違反外出をしているとのこと。パンデミック制圧に協力する気があるんでしょうか?と疑いたくもなりますよね。筆者は、少なくとも今のところは、スイスの生活圏で5人以上の集まりは見たことがありません。3mくらいのフェンスを乗り越えてテニスコートに入り、勝手にラリーをしている若者(2,30代)は見かけましたが。これまでの筆者の経験から、スイス人は(筆者たちも含め)かなり規則は守る方だと思うので、この国民一丸となったロックダウンの効果が出ることに期待しています。

そして以下が、各州ごとの10万人当たりの感染者数です。一番濃いところが、イタリアはロンバルティア州からいまだに6万5千人の越境労働者が入国してきているティチーノ州です。


少しずつ、各州増えているので、向こう1週間は見ないほうが良さそうですね…。

なんでこんなに欧米はパンデミックになってしまったのかな…とちょっと考えたりもします。心当たりがあるとすれば、欧米人は社交的で(フィジカルコンタクト大好き、人をみかけたら会話せずにはいられない、等)、衛生習慣がそもそも日本人と違う(帰宅時や食事前の手洗いの習慣がない、換気やマスクの習慣がない、土足で家を歩き回る、等)が原因なのかなぁ、と。または、今回の新型ではなく、別の型のコロナウィルスの風邪は以前より存在していたため、アジア人の方が少し免疫があるのかなぁ、とか。いずれにせよ、現在の日本における感染者数と死亡数の少なさは、保険制度や医療体制に帰する部分もあるかと思いますが、やはり私たちのそもそもの生活習慣にも関係しているのではないかと思わずにはいられません。

一方で、良いニュースにも注目していきたいと思います。

以前ご紹介したジョンズホプキンズ大学がアップデートしている世界的なマップで確認すると、スイスでも既に130人〜150人くらいの回復者も出ているとのこと。

また、高級ブランドのサンローランとバレンシアガがマスクの生産を発表したことも、前向きなニュースで嬉しいですね。スイスでは、医療用包帯を生産しているRothrist社が、マスクの生産を発表したと伝えられています。4月上旬に機械が納品されれば、24時間体制で12万枚/日を生産可能とのことです。

今でも、スーパーで働く方々はマスクをしていませんので、医療関係者にはもちろんのこと、こういった店舗で働く方々にもマスクが行き届くといいなと思っています。

⚫︎  わが家の過ごし方


パートナーは、平日はリモートワークしています。家族の朝ごはんを準備してくれています。食べ終わると、リビングのPCコーナーで仕事を開始。初期は、PCの環境設定に戸惑っている様子で、あるはずのアプリケーションが入ってないとか、部下が家族の急な対応に追われて終わっているはずの仕事が終わっていないとか、なかなか仕事が進んでいない様子でした(笑)。本人は、かなりイラだっていましたが、筆者が腹をくくって自分のことはもうできないと諦めているので、たまに、グチの聞き役に回っています(笑)。仕事の合間に、散歩にでかけています。これは、在宅ワークでは重要ですね。ずっと椅子に座っていると腰が痛くなるので。専用の部屋がないので、結構大きな声でリビングルームで電話会議しててうるさいのですが、これは仕方がないですね。

息子たちは、父親の作った(筆者も足りないものを後から準備しますが)朝ごはんを食べた後は、各自の部屋にこもり、先生たちと他の生徒たちとつながり、オンライン学習に入ります。日によってランチタイムが違うのですが、筆者は給食おばさんのように、ランチを準備しておきます。改めて、普段給食作ってくださる方々に尊敬と感謝です。相当な重労働ですから。午後も授業がありますが、昼休みと午後の授業後、次男は、散歩か自主トレのために、外へでかけていきます。長男がなかなか外に出ないので、一日30分の有酸素運動や積極的に太陽に当たることの重要性を毎日のようにリマインドしています。健康管理も、早く自立して欲しいものです。

さて、末っ子は、1人でも賑やかなので、午前中は毎日筆者が外に連れ出しています。そうでないと、ご丁寧に各部屋まわって仕事や勉強の邪魔をするので…。でもこの騒動中、毎日自転車の練習をしていたら、スイスイ乗れるようになりました。午前中の方が、公園もほとんど人がいないので、気兼ねなく遊んでいます。先週までは日中は20度近くまでありましたが、今週は気温が低いので、早くまた暖かくなって欲しいと思います。太陽光が当たるところはウィルスも死滅しますしね。

そして筆者は…↑この家族の生活をサポートすることが100%仕事となっています。朝起きたら朝食作りに始まり、それを片付けたら末っ子を外で遊ばせ、家に帰って昼ごはん作り、食べたら片付け、午後はまた末っ子の勉強や遊びに付き合っていると間もなく、もう夜ご飯作りがやってきます。栄養ある食糧の買い物のタイミングも難しいですし、除菌目的で洗濯物も倍に増えています。各家族が外の散歩から帰ると、ジャケットや手袋、ドアノブを消毒したり。メンタルヘルス上、特に友人とのネット上の情報交換も大切な作業です。最近は、ちょっとこの生活に慣れ、やっとブログを更新する隙間時間ができた、というわけです。できれば、折角なので、本を読む時間が欲しいので、向こう1週間は感染状況を毎日チェックせずに(勇気いりますが…)、読書に時間を当てようかな…と思案中です。

テイクアウトやデリバリーも利用可能なのですが、こちらで作っている人の衛生管理が信用しきれないため、残念ながら、初感染者が出てからはまだ利用したことがありません。ロックダウンの効果が出て、感染者数のカーブが緩やかになってきたら、まずは日本人の方が経営するお店から頼んでみたいな、と思っています。

免疫力を高めるため、睡眠時間は大切との認識があるためか、深夜0時前には家族全員就寝しています。運動も大事ですよね。先週末は、人の少ない午前中を狙って、家族で公園にバトミントンやテニスのボレーをやりに行きました。曇りで寒かったこともあり、ほとんど人がいませんでした。

さて、しばらくはこの状態が続き、生活が安定するといいのですが。さらなる規制が勧告されないことを願っています。

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